新海誠監督の映画『天気の子』ネタバレ・あらすじと感想についてまとめています。
東京へと家出してきた少年・帆高と、「100%の晴れ女」として空を晴れにすることができる不思議な力を持った少女・陽菜。
二人はやがて惹かれ合っていくが、雨が続く東京で、天気の巫女には悲しい運命が待っていた・・・。
陽菜に依頼してきたの立花富美は瀧のおばあちゃんだった!?『君の名は。』の瀧や三葉、四葉、テッシーとさやちんも登場!
陽菜の秘密や、『天気の子』の気になる疑問や原作小説の伏線も解説&考察していきます。
ラストまでネタバレしていますので、結末を知りたくない方はご注意ください。
参考⇒瀧と三葉の奇跡の恋をもう一度見たい人はまずこちらをチェック!
『天気の子』登場人物&声優キャスト
2019年公開
上映時間114分
監督:新海誠
『天気の子』相関図
■ 森嶋帆高(醍醐虎汰朗)
学校と親、島での生活に息苦しさを感じ、東京へと家出してきた高校生。16歳。
■ 天野陽菜(森七菜)
空を晴れにすることができる、不思議な力を持つ少女。来月で18歳。母親が病気で死に、弟の凪と二人暮らし。
■ 天野凪(吉柳咲良)
陽菜の弟。10歳の小学5年生。バス停ごとに彼女がいる、モテ男子。フットサルをやっている。
■ 須賀圭介(小栗旬)
「K&Aプランニング」という小さな編集プロダクションを経営している。フェリーで出会った帆高にかつての自分を重ね、事務所に住み込みで働かせることに。
■ 夏美(本田翼)
須賀の事務所で働く女子大生。須賀の姪。
■ 立花冨美(倍賞千恵子)
『君の名は。』の主人公・立花瀧の祖母。旦那の初盆を晴れにしてやりたいと、陽菜に天気の依頼をする。
■ 安井刑事(平泉成)
老刑事。帆高が持ち去った拳銃の行方を追っている。
■ 高井刑事(梶裕貴)
安井の相棒の刑事。
■ 佐倉アヤネ(佐倉綾音)
凪の元カノ。小学5年生。ショートヘアの少女。
■ 花澤カナ(花澤香菜)
凪の今カノ。小学4年生。ふわりとしたロングヘアの少女。
■ スカウトマン木村(木村良平)
帆高が拳銃を向けた金髪のスカウト。
■ 占い師(野沢雅子)
夏美と帆高が最初に取材に行った占い師。
■ 神主(柴田秀勝)
夏美と須賀が取材に行き、「天気の巫女」の話を聞かせてくれた神主。
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『君の名は。』からのゲストキャスト
■ 立花 瀧(神木隆之介)
『君の名は。』の主人公。富美の孫として登場。
■ 宮水 三葉(上白石萌音)
帆高が陽菜への誕生日プレゼントとして指輪を買いに行った新宿ルミネのショップの店員として登場。
■ 宮水 四葉(谷花音)
三葉の妹。学校でクラスメイトと空を見上げるシーンで登場。
■ 勅使河原 克彦(成田凌)
三葉の幼馴染。あだ名はテッシー。オカルトマニアで機械オタク。彗星災害の後、東京へ。「お天気ビジネス」最初のフリーマーケットを晴れにしてほしいという依頼で、観覧車のシーンで登場。
■ 名取 早耶香(悠木碧)
三葉の幼馴染で親友。あだ名はサヤちん。おっとりしているが常識人。彗星災害の後、東京へ。観覧車のシーンでテッシーとカップルで登場。
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『天気の子』ネタバレをあらすじからラスト結末まで
起:島を飛び出した少年・帆高、東京での家出生活
天野陽菜は、もう何か月も目を覚まさず、呼吸器をつけて眠る母親の病室に座っていた。
閉め切ったはずの窓のカーテンがかすかに揺れ、窓の外を見ると、いつの間にか陽が射していた。外は雨だ。
しかし、雲の小さな隙間から伸びた細い光が地上の一点を照らしていた。廃ビルの屋上だ。
陽菜は病室を飛び出し、光を追った。
廃ビルの屋上には朱い鳥居があった。陽菜は、まるで光の水たまりみたいに照らされているその鳥居をくぐり、強く願った。
お母さんが目を覚まして、青空の下を一緒に歩けますように。
すると、気付けば青空の真ん中にいた。
魚の群れのような、不思議な何かが群がっている。
彼女と共に過ごした、あの夏。
東京の空の上で僕たちは、世界の形を決定的に変えてしまったのだ。
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森嶋帆高は東京へ向かうフェリーの中にいた。島から10時間以上の船旅だ。
親も学校も、何もかも息苦しい島を飛び出して、東京へ向かう。とりあえずバイトを探さなければと、ヤフー知恵袋で質問してみる。
激しい雨の到来を告げる船内放送が流れ、他の乗客が船内に戻るのとは逆に、帆高は甲板へと飛び出した。途端に大粒の雨が降ってきた。
次の瞬間、雨というよりは大量の水に飲まれ、船が傾き、帆高は甲板から流された。滑り落ちていく帆高の手を掴み、中年の男・須賀圭介が助けてくれた。
フェリーが東京につくと、須賀は何か困ったことがあれば連絡するよう、帆高に自分の名刺を手渡した。
新宿の漫画喫茶を拠点に、バイト探しを始めた帆高だったが、なかなか上手くはいかなかった。そもそも身分証を持ってないのだ。
ヤフー知恵袋でもろくな回答を得られず、ただ一つ「風俗店のボーイなら身分証不要」との情報を見つけ、行ってみるも怒鳴りつけられて追い出されてしまった。
節約するために漫画喫茶を出て、帆高は街をさまよい始めた。歌舞伎町付近をぐるぐる歩き回っていると、警官に補導されそうになり、帆高は逃げ出した。
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ビルのエントランスに座り込んだ帆高の元に、仔猫が寄って来た。ポケットに残っていたカロリーメイトを半分に割って猫にやり、残りを自分の口に入れる。
薄い眠りに落ちていた帆高は、男の怒鳴り声で目を覚ました。
「うちになんか用?」と金髪のスーツの男が見下ろしている。慌てて立ち上がり、その場を去ろうとするも、男に足を引っ掛けられてゴミ箱を倒してしまう。
通行人に迷惑がられながら、ゴミを必死で片付ける。そのゴミの中に、ガムテープでぐるぐる巻きにされた紙袋があった。
深夜のマクドナルドでその紙袋を開封してみると、中には拳銃が入っていた。オモチャのようにも見えるが・・・まさか、本物?
疑いながら、それをリュックに押し込む。
そして須賀からもらった名刺の住所をスマホで検索してみる。須賀の会社「K&Aプランニング」は新宿区にあり、今いる場所から都バスで21分と意外に近かった。
帆高の前に、ビッグマックの箱が置かれた。頼んでないと驚く帆高。
陽菜「あげる、内緒ね。君、3日連続でそれが夕食じゃん」
帆高の手にしたポタージュスープを見て、責めるように彼女はそう言った。
それは帆高にとって、16年の人生で間違いなくだんとつで一番美味しい夕食だった。
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承:「100%の晴れ女」陽菜との出会い
須賀の会社に向かう都バスの中で、帆高は大人びた小学生・凪と出会う。バス停ごとに彼女がいる、なんともませた小学生だ。
着いたのはいかにも昭和風のテント看板に「スナック」と書かれた、半地下のおんぼろな建物。会社かどうかも怪しいボロい建物だ。
中に入るとバーカウンターがあり、雑然とした部屋のソファで女性が寝ていた。
彼女の名前は夏美。就活中の大学4年生だ。須賀との関係を尋ねると、
夏美「君のぉ、想像どおりだよ」
と返され、帆高は夏美が須賀の愛人だと勘違いしてしまう。実はただの叔父と姪なのだが。
そこへ須賀がパチンコから戻って来た。
須賀の会社の仕事は、ウワサや都市伝説やらUMAやらを考察する雑誌『ムー』への記事執筆だった。
今回調べるのは「100%の晴れ女」。帆高はインターンとして、いきなり夏美と取材に行くことに。
事務所に戻って胡散臭い占い師から聞いた情報をまとめていると、須賀は書くのが遅いと批判しつつ、しかし帆高の書く文章は悪くないと褒めてくれ、正式に採用となった。
事務所に食事付きで住込み可と条件を提示され、帆高は思わず「やらせてください!」と頭を下げた。
こうして帆高の東京での日々が始まった。
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帆高の仕事は、須賀の経営する小さな編集プロダクションの雑用全般だ。
須賀の食事を用意したり、掃除と片づけをしながら、領収書をノートに付けたり、ICレコーダーに録音されたインタビューの文字起こしをする。
須賀と夏美が原稿にするのを手伝いながら、何度も叱られながら、帆高の東京での日々は目まぐるしく過ぎていった。
そうして一か月が経った頃、帆高は「アメ」と名付けた仔猫の元を訪れていた。
アメにカロリーメイトをやっていると、例の金髪の男に連れられ、少女が通り過ぎた。マクドナルドでビッグマックをおごってくれた、彼女だ。
何やら風俗で働くことに戸惑っている彼女を、男を説得しているように見える。
帆高は迷った末、彼女の手を取って走り出した。しかし、すぐにもう一人の男と挟み撃ちにされ、金髪の男が帆高に馬乗りになった。
彼女は嫌がっていたのではなく、話はついていたという。金髪の男が帆高を殴り、帆高は反射的に腰に差していたオモチャの銃を取り出した。
金髪の嘲笑に、帆高は引き金を引いた。
銃は、本物だった。
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最初に我に返ったのは陽菜だった。帆高の手を取り、走ってその場から逃げ出した。
そして、代々木駅近くの廃ビルに逃げ込んだ。
陽菜「あんなの人に向けて撃つなんて、殺してたかもしれないじゃん!信じられない。気持ち悪い。最悪!」
と陽菜に責められ、帆高は自分のしたことを思い知る。
銃を投げ捨て、うずくまっていた帆高のもとに、部屋から出ていったはずの陽菜が戻って来た。
バイトをクビになってしまった陽菜は、稼げる仕事が必要だったという。
陽菜は帆高が家出少年であることを見抜き、
陽菜「ね、せっかく東京に来たのに、ずっと雨だね」
と帆高の手を取りビルの屋上へといざなった。
陽菜「ねえ、今から晴れるよ」
その言葉通り、彼女が祈ると、空が突然に、晴れた。
この数週間探していた「100%の晴れ女」は、陽菜だったのか。
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帆高は田端駅から徒歩5分ほどの距離にある、陽菜のアパートを訪ねた。
スマホも携帯も持っていないという陽菜。事情があって、弟と2人暮らし。年は来月で18。帆高の2つ年上だ。
仕事が必要だという陽菜に、帆高は事務所のiPadを持ち出し、『お天気お届けします!』と題した「晴れ女ビジネス」ウェブサイトを立ち上げた。値段は悩んだ末、1件税込み3,400円にした。
最初の依頼はフリーマーケットを晴れにしてほしいという依頼だ。
そこへ陽菜の弟が帰ってきた。陽菜の弟はバスで見かけた、大人びた小学生・凪だった。
凪に巨大てるてる坊主の着ぐるみを着せ、16体ものてるてる坊主を吊るした傘を持って、フリーマーケットが行われるお台場へと向かった3人。
ヤバい奴だと思われながら、祈り続ける陽菜。
そして、空が晴れた。
感心する主催者たちから、お礼として2万円をもらった。
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転:瀧の祖母・立花富美の依頼、瀧と三葉のその後
こうして始まった「お天気ビジネス」は大成功だった。
雨ばかりが続く東京ではたくさんの人たちが晴れを求めていて、次々と依頼が舞い込んできた。
「お天気ビジネス」は評判となり、「100%の晴れ女」の存在は今やネットではちょっとした伝説となりつつあった。
陽菜が呼べるのは限られた範囲の短い晴れ間だったが、それがかえって彼女の神秘性を高めていた。
陽菜「私、好きだな。この仕事。晴れ女の仕事。私ね、自分の役割みたいなものが、やっとわかった」
その日、帆高と陽菜、凪の3人は、立花富美の家を訪れていた。立花富美は、『君の名は。』の主人公・立花瀧の祖母だ。
帆高たちは、立花富美の依頼と、来週末の1件を終えたら、「お天気ビジネス」をしばらく休業することにしていた。
空を晴れにし、神宮外苑花火大会の開催を可能にした陽菜の映像がテレビに流れ、依頼が殺到してしまったからだ。
それに、陽菜はどこか疲れているようにも見えた。
旦那の初盆を晴れにしてやりたいという、立花富美の願いを叶えた陽菜。陽菜の母親も、今年が初盆だ。一緒に迎え火をまたいでいくよう富美に勧められ、陽菜は凪と迎え火またぐ。
そこへ瀧がスイカを切って持ってきた。
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瀧「ばあちゃんと仲良くしてくれて、ありがとうね」
瀧は帆高たちの年を尋ねた。そう言えば陽菜はもうすぐ18歳になる。8月22日が誕生日だ。
瀧「誕生日!それはプレゼントあげなきゃだね」
瀧の言葉に陽菜を喜ばせるため、誕生日プレゼントを贈ろうと考えた帆高。
何が良いか悩むも、相変わらずヤフー知恵袋ではろくな回答が得られず、「ハグとキスと現金とまっとうな彼氏と就職先」という夏美の答えも1ミリも役に立たない。
凪のアドバイスで指輪をプレゼントすることにした。
凪は、まだ小学生の自分のためにバイト三昧の姉に、もっと青春っぽいことをしてほしいと願っていた。
帆高は指輪を買うため、新宿のルミネへと向かった。
4,000円の予算内でどれがいいか、3時間迷いまくった末に、買った指輪。それでも自信のない帆高は、店員にもらって嬉しいと思うか、尋ねた。すると、彼女は
宮水三葉「私だったら、すごく嬉しいと思う。きっと大丈夫、喜んでくれますよ!」
と笑顔で帆高を励ましてくれた。彼女は宮水三葉。『君の名は。』のもうひとりの主人公だ。
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8月21日。
娘のために週末の公園を晴れにしてほしいという最後の依頼は、須賀からだった。
須賀の娘・萌花は喘息持ちで、今は祖母と暮らしており、雨の日だとなかなか会わせてもらえない。
娘と花輪を作って遊ぶ須賀。その輪に加わる帆高と凪を見つめながら、夏美は先日神社の神主への取材でわかった天気の巫女の悲しい運命について、語り始める。
神主のムービーを見た陽菜は、晴れを願うほどに自分の体に起きていた変化との符合に気付く。
凪は須賀たちと一緒にご飯を食べに行くことになり、帆高は陽菜と二人きりで帰ることに。
帰り道、指輪を渡すなら今しかないと、帆高は陽菜を呼び止めた。
だが陽菜とタイミングがぶつかってしまう。
陽菜が何かを言おうとしたその時、突風が吹き、次の瞬間、陽菜の体が宙に浮かび上がった。
突然のことに驚く帆高。しかも、地上に降りた彼女の体は透明で透けている。
何が起こったのかわからない帆高に、陽菜は
陽菜「私が晴れ女になったのはね、一年前の、あの日」
と告げる。
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一年前のあの朱い鳥居をくぐった日から、空と繋がってしまったという陽菜。
ふいにアパートのチャイムが鳴った。警察が尋ねてきたのだ。
警察は両親から行方不明者届が出ている帆高を探していた。
そして、保護者がおらず陽菜と凪の未成年二人だけで生活していることも問題視し、明日児童相談所の人間ともう一度来ると告げ、去っていった。
須賀に送られ凪が帰ってきた。
車に乗り込むと、須賀はキャップを深くかぶり大きな黒縁のメガネを掛け、変装していた。
実は既に、須賀の事務所にも警察の手が回っていた。しかも、須賀は未成年誘拐事件の犯人として疑われていた。
警察は帆高が銃を所持していることを掴んでおり、帆高は既に銃を捨ててはいたが、銃器不法所持の疑いでも追われていた。
須賀は退職金としていくらか帆高に渡し、家に帰るよう諭した。娘の引き渡しを申請中の微妙な時期だ。このまま誘拐犯にされる訳にはいかない。
帆高にもう事務所には来ないよう言い、
須賀「もう大人になれよ、少年」
と告げた。
帆高が陽菜のアパートに戻ると、陽菜と凪が荷造りをしていた。これ以上ここにはいられない。陽菜は帆高に、補導される前に実家に戻るよう勧める。
陽菜「私達は、大丈夫だから」
だが帆高は、「一緒に逃げよう」と陽菜の手を取った。
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結:帆高と陽菜の選択、3年後水没した東京で再会した二人は
激しさを増し続ける雨に、東京には大雨特別警報が発表され、さらに8月としては異例の寒気となり、気温は10度を下回っていた。
帆高たちが乗った山手線は、池袋駅で止まり、運転見合わせとなった。とりあえず今夜泊まる場所を探すため、何軒もホテルを尋ね歩いたが、空き部屋はなかった。
雪が舞う中、帆高たちはまたしても警官に捕まってしまう。
警官に取り押さえられた帆高を助けるため、陽菜が落雷を起こし、トラックを爆発させた。
騒ぎのすきに逃げ出した3人は、場末のラブホテルでようやく宿泊できることになった。
風呂のジェットバスや部屋のインスタント食品で盛りあがりながら、楽しい夜はふけていった。
0時になり、帆高は陽菜に「18歳のお誕生日、おめでとう」とリングケースを渡した。陽菜は「ありがとう」と笑い、
陽菜「ねえ、帆高はさ、この雨が止んでほしいって思う?」
と尋ねた。何気なく「うん」と頷く帆高に、陽菜は夏美から聞いた晴れ女の運命を告げる。晴れ女が人柱となってこの世から消えることで、狂った天気は元に戻る。
信じられない帆高に、陽菜はバスローブを脱いで自分の体を見せた。既に陽菜の体は、半身が半透明になっていた。晴れを願うほどに、体が透明になっていったという。
陽菜「このまま私が死んじゃったらさ・・・きっと、いつもの夏が戻ってくるよ。凪をよろしくね」
「イヤだ!」と叫ぶ帆高。陽菜の左手の薬指に指輪をはめ、三人で暮らそうと約束する。それが幼い言葉だと知りつつも、陽菜をこの場所に留められることを願って。
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帆高が目を覚ますと、陽菜の姿はなく、バスローブだけがまるで抜け殻のようにベッドの上に残されていた。
陽菜はこの雨を止めるため、世界の一部となったのだ。
突然、部屋のドアが乱暴にノックされ、高井刑事と二人の警官が乗り込んできた。帆高と凪は取り押さえられ、パトカーに乗せられようとした時。
空から何かが光って落ちてきた。陽菜に渡した指輪だった。陽菜は、人柱になったのだ。
パトカーの中で、帆高は陽菜が本当は15歳だったことを聞かされた。年齢を偽った履歴書を出して、バイトを首になったのだ。本当は自分が一番年上だった。なのに。
取り調べ室に連行される直前、帆高は警官たちのすきを突いて逃げ出した。陽菜を探さなければ。
車に構わず車道に飛び出し、逃げていると夏美がピンク色のカブに乗って並走してきた。児童相談所に保護された凪が夏美に連絡したのだ。事情を知った夏美は帆高をカブに乗せ、急発進した。
そして陽菜が晴れ女になった場所、代々木の廃ビルを目指した。陽菜が空と繋がってしまった場所。そこにいけばきっと陽菜にもう一度会えるはずだ。
一方、児童相談所で凪は元カノのアヤネと今カノのカナに協力してもらい、見張りの女性警官をトイレで連れ出し、アヤネがつけてきたロングヘアのカツラとワンピースで脱出を試みた。
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大きな池のように水没した道で夏美のカブは沈んでしまった。「行って」という夏美の言葉に、帆高は有刺鉄線をよじ登り、代々木に向かって線路を走り出した。
ようやくたどりついた廃ビルは、途中の踊り場の天井が崩れて階段が塞がれていた。帆高が非常階段に出ようとした時、須賀が現れた。
須賀は安井刑事から帆高が警察署から逃げ出したと聞き、追ってきたのだ。
パトカーのサイレンは近づいていた。「今すぐ警察に戻ったほうがいい」と警察の味方をする須賀に愕然とする。須賀の腕に噛みつき、腹を蹴られて壁にぶつかり倒れ込んだ。
と、かつて捨てた銃が目に入った。とっさにそれを掴み、銃口を須賀に向ける。
そこへ銃を構えた高井刑事ら4人の警官が現れた。
帆高「俺はただ、もう一度あの人に、会いたいんだ!」
拳銃を投げ捨て、窓に向かって走り始めた帆高を、高井刑事が取り押さえ、手錠を掛けた。
帆高の言葉に動かされた須賀が、高井刑事にタックルした。「帆高、行け!」という須賀の言葉に帆高は走り出す。だが今度は安井刑事が帆高の前に立ち塞がった。
ワンピース姿の凪が現れ、安井刑事に飛び掛かった。
凪「帆高、全部お前のせいじゃねえか!姉ちゃんを返せよ!」
初めて見る凪の子供の顔。泣き腫らして鼻も垂らした凪に、帆高は非常階段へと飛び降りた。
屋上の鳥居をくぐった次の瞬間、地上からは決して見えない雲の上の草原に、帆高はいた。
そこに、陽菜もいた。
陽菜に手を伸ばし、帆高は叫ぶ。
帆高「もう二度と晴れなくたっていい。青空よりも、俺は陽菜がいい。天気なんて狂ったままでいいんだ!」
陽菜は帆高の手を取った。
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滝のような豪雨が降り注いだ。雨はそれから3年間止むことなく、今も振り続けている。
目覚めた帆高はその場で警察に逮捕されたが、家庭裁判所で保護観察処分となった。
家出をしてから3か月後、帆高は島へと戻り、高校生活を再開した。
そして18歳になり、高校を卒業した帆高は、再びフェリーで東京へと向かっていた。
面積の1/3が水没してしまった東京はそれでも日本の首都であり続け、2年以上をかけてゆっくりと海に沈む間に人々は西方へと移り住んでいた。
東京の大学の農学部へ進学した帆高は、新しい生活の準備を始めた。ふと陽菜と二人で作ったサイトを覗いてみると、2年近く前に1件の依頼が届いていた。
帆高はその依頼主・立花富美の元を訪ねた。
立花富美は暮らしていた家が水に沈み、小さなアパートへ移り住んでいた。
自分たちが原因でこうなった。自分たちが世界のあり方を変えてしまったのだ。だが富美は、
立花富美「東京のあの辺はさ、もともとは海だったんだよ。ほんの少し前、江戸時代くらいまではね。だからさ、結局元に戻っただけだわ、なんて思ったりもするね」
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帆高はその足で須賀に会いに向かった。
「K&Aプランニング」はマンションの一室へと場所を移し、今や3人の社員を抱えるいっぱしの編プロだ。
娘の萌花とはまだ別々の暮らしだが、妻の両親との関係は悪くなく、須賀の仕事次第で遠からず一緒に暮らせる可能性が高い。
須賀は悩む帆高に、早く陽菜に会いに行けと告げる。
須賀「まあ気にすんなよ、青年。世界なんてさ、どうせもともと狂ってんだから」
あの夏に何度も歩いた細い坂道を、帆高は歩いた。
坂の上に彼女がいた。
傘も差さず、両手を組み、陽菜は目をつむって祈っていた。
世界は最初から狂っていたわけじゃない。僕たちが変えたんだ。あの夏、あの空の絵で僕は選んだんだ。青空よりも陽菜さんを。大勢のしあわせよりも陽菜さんの命を。そして僕たちは願ったんだ。世界がどんなかたちだろうとそんなことは関係なく、ただ、ともに生きていくことを。
帆高は叫んだ。二人が同時に駆け出した。陽菜がジャンプして、帆高に抱きついた。帆高は陽菜に笑いかけ、告げた。
帆高「陽菜さん、僕たちは、大丈夫だ」
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『天気の子』感想
長くなったので別ページにまとめておきます。
『天気の子』が「良かった~」「感動した~」「面白い!」という人は見ないでください。
ショックがでか過ぎて消化しきれず・・・とにかくブラックな視点から『天気の子』の感想をお送りします。
くれぐれも閲覧はご注意ください。
感想⇒商品CMだらけのザ☆忖度映画に面白くない以前に息苦しさしかなかった
『天気の子』解説&考察
ここからは『天気の子』の気になる謎や伏線を解説&考察していきます。
最後のモールス信号の意味は?解読してみる!
モールス信号の意味を解読&考察!実は意味なし!?「明日は晴れ」はウソ?
瀧と三葉、テッシー&サヤちん、四葉の登場シーンはどこ?
『君の名は。』の瀧と三葉、妹の四葉、そしてテッシー&サヤちんカップルも登場しています。
彼らがどこのシーンでとうじょうしていたのか、まとめておきます。
⇒フリーマケットの観覧車と陽菜が人柱になった後の学校を要チェック!
『君の名は。』のその後、瀧と三葉の結婚写真!?時間軸を考えると瀧と三葉は階段で再会できない!?
原作小説では、実は瀧が結婚していたことがわかります。
3年後の水没した東京で、
帆高が引っ越した瀧のおばあちゃん、立花富美を訪ねるシーン。
瀧の結婚写真が飾られていたのです、が。
⇒原作小説ネタバレ 瀧と三葉の結婚写真がおばあちゃん家に!?『君の名は』のその後
・・・実はですね・・・
コレ、時間軸を考えると『天気の子』の世界では瀧と三葉は再会できないので、
瀧が三葉以外の女性と結婚した可能性があります・・・。
考察⇒『天気の子』と『君の名は』の時間軸はどっちが先?階段で瀧と三葉は再会できない!?
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須賀の薬指の2つの指輪は奥さんの明日花(あすか)の分?
原作小説を読むと、実は結構須賀にも重い過去があって、
家出少年だった過去や、奥さんの明日花を亡くした時の話、今でも一途に奥さんを想っていることがわかります。
須賀の編集プロダクション「K&Aプランニング」のKは圭介のK、Aは明日花のAだったんですよね。
須賀の裏設定⇒ラスト泣いた理由と薬指の2つの指輪、家出少年だった過去
エンドロールで夏美の名字が「須賀」だと判明した理由
作中で須賀と夏美が叔父と姪の関係だったことは明かされましたが、なぜ夏美の名字が「須賀」なのか?
それは、須賀と夏美の父親が兄弟だからです。
原作小説では夏美の父親と須賀の関係性についても描かれています。
夏美の裏設定⇒夏美が父親と不仲の理由、実は須賀との関係がかなり深かった
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凪(なぎ)の今カノ・カナと元カノ・アヤネの裏設定
凪の今カノでふわりとしたロングヘアの少女の声優は、
新海監督おなじみの『言の葉の庭』でヒロイン・ユキノを演じた花澤香菜。
役の名前も「花澤カナ」。
『君の名は。』に続いて3作品連続で新海作品にゲスト登場です。よっぽど監督のお気に入りだな・・・。
そんでもって凪の元カノで凪が児童相談所から脱出するための変装用のカツラを持ってきてくれたのが「佐倉アヤネ」。
演じているのはもちろん、佐倉綾音。
新海監督、お遊びが過ぎます。
ちなみにどっちが今カノでどっちが元カノなのかは原作小説で明かされています。
凪の裏設定⇒今カノ(花澤香菜)&元カノ(佐倉綾音)裏設定がすご過ぎる!?
一応ちゃんと線引はしているらしい凪。
意外と誠実かも。
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小栗旬や本田翼の演技の評価は?豪華声優陣が隠しキャラで登場!スカウトマン木村に注目
小栗旬⇒小栗旬の声が須賀のイメージ通りでうまい!新海監督が選んだ理由は自由人なところ?
本田翼⇒本田翼のセリフの読み方に新海監督が公開ダメ出し!?夏美のキャラに合わないひどい演技?
『天気の子』には豪華声優陣が隠しキャラで登場しています。
帆高が足を引っ掛けられたり、陽菜を連れ去ろうとしていると勘違いして銃をぶっ放したスカウトマンの名前はスカウトマン木村。
エンドロールで吹くことある?
声優はご存知、木村良平です。
夏美と帆高が最初に取材に行った占い師の声優は、『ドラゴンボール』の悟空でおなじみ、野沢雅子。
これは一発でわかりますね。
天気の巫女の運命を教えてくれた神主の声優は柴田秀勝。
最近だとハガレンのキング・ブラッドレイが有名ですね。
個人的には柴田さんの登場が一番うれしかったです。
82歳で未だ現役。すげえや。
名言ベスト13選!
【天気の子】名言ベスト13選!帆高や須賀、狂ったままの世界で生きていく登場人物たちの言葉
隠しキャラ:初代プリキュア
プリキュアのコスプレで夏コミ成功は監督から参加者へのエール!?
おまけ:陽菜(ひな)の髪型のやり方
陽菜(ひな)のかわいい髪型を真似するポイント!浴衣の時はシュシュで結び方をアレンジ
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