【天気の子】原作小説でわかる須賀圭介の裏設定!ラスト泣いた理由と薬指の2つの指輪、家出少年だった過去

新海誠監督の映画『天気の子』の原作小説では、映画では描かれない須賀圭介の裏設定が多数明かされています。
安井刑事に帆高が警察署から逃げ出したことを聞かされ、須賀はなぜ泣いたのか?須賀が左手の薬指に2つはめている理由、娘の萌花(もか)と離れ離れに暮らすわけ、「K&Aプランニング」の名前の由来、実は全てが奥さんの明日花(あすか)の死とリンクしていました。
家出少年だった過去、帆高を拾った理由も徹底考察!須賀を「けいちゃん」と呼んで慕う、夏美との意外な関係性とは?
ラストまでネタバレしていますので、結末を知りたくない方はご注意ください。

『天気の子』原作小説で明かされた裏設定!須賀が泣いた理由

警察から誘拐犯ではないかと疑われ、事務所から帆高を追い出した須賀。

事務所を訪ねてきた安井刑事に、帆高が警察署から逃げ出したことを聞かされ、帆高は自分の人生を棒に振ってまで陽菜に会いたいと願っていることを知ります。

そして、自分でも無意識に涙します。

安井刑事「須賀さん、あなた、大丈夫ですか?」

須賀「はあ?なにがです?」

安井刑事「いや、あなた今、泣いてますよ」

須賀が泣いた理由について、
原作小説では須賀の心理描写がもう少し詳しく描かれています。


⇒原作小説『天気の子』

俺にも、かつてはいたのだ。明日花。もしも、もう一度君に会えるのだとしたら、俺はどうする?俺もきっと―――

明日花(あすか)とは、亡くなった須賀の奥さんの名前です。

亡くなった妻に想いをはせ、須賀は泣いたのでしょう。

ラスト、帆高が警察を振り切って廃ビルの屋上へと向かうシーン。
最初は帆高を止めるためにやって来た須賀でしたが、

帆高「俺はただ、もう一度あの人に、会いたいんだ!」

という帆高の叫びに、
自分の明日花への想いを重ね、
帆高の手助けをしたのだと思います。

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けいちゃんは実は奥さん一途!薬指の2つの指輪の理由、娘の萌花(もか)にもデレデレ

夏美「あれでね、圭ちゃんって意外にまだ一途なのよ。全然モテないわけでもないと思うんだけどね」

と夏美が言っているように、須賀は今でも妻の明日花を一途に想っています。

須賀は左手の薬指に、2つ指輪をはめていますよね。
あれは、一つは妻の明日花のものです。

亡くなった妻の分と、結婚指輪を2つはめているんです。

帆高を追い出した夜、飲んだくれて眠ってしまった須賀は、

須賀「明日花・・・」

とつぶやきます。その切なげで弱々しい声に、夏美は

今でも奥さんを夢に見るんだ

と驚きます。

公園で遊んでいるシーンで、萌花に花輪をあげると言われ、表情がでろりと溶けていることからも、娘もとても大事に思っていることがわかります。

アウトローだけど家族思いのギャップ。
須賀・・・!

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帆高を拾った理由、家出少年だった過去

須賀が家出した未成年の帆高を拾って事務所に置いていた理由について、

夏美「圭ちゃんと一緒じゃん。放っておけなかったんでしょ、自分と似てて」

と夏美が語っているように、
実は須賀も帆高と同じように、10代で東京に家出してきたのでした。

須賀家は地方で代々議員をやっているような名家で、
須賀の兄はすごく優勝な人で、
地元の進学校を首席で卒業してストレートで東大に入り、海外留学して今は財務官僚になっています。

それが、夏美の父親です。

須賀への親の期待も凄かったようですが、おそらく須賀は兄のようにはなれなかったのでしょう・・・。

奥さんの明日花(あすか)との出会い、「K&Aプランニング」の由来

須賀は家出先の東京で、後に妻になる間宮明日花と出会います。

両家の喧嘩になるような大恋愛の末に結ばれ、二人で編集プロダクションを始め、そして娘の萌花(もか)が生まれました。

須賀が経営する編集プロダクション「K&Aプランニング」は、須賀と明日花が立ち上げた事務所です。

「K&Aプランニング」のKは圭介のK、Aは明日花のA

須賀の事務所には、4年前の事務所開きの小さなパーティで、当時まだ高校生だった夏美が撮った幸せそうな家族3人の写真が飾られています。

安井刑事が事務所で見ていた柱には、3歳まで事務所で育った、萌花の身長が刻まれていました。
文字を書いたのは明日花です。

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妻を事故で亡くし、娘と離れ離れに

しかし、明日花が事故で亡くなったことで、須賀の運命は狂い始めます。

須賀「情けない話なんだけど、妻が死んだ後に俺一回駄目になっちまってさ。その時に娘をあっちの両親に取られちまって、今交渉してんだよ」

須賀は娘の引き渡しを申請中です。

ホテルのラウンジで、萌花に会わせてほしいと明日花の母親に話していましたよね。
これは小説にはない、映画だけのシーンです。

しかし須賀は間宮の信頼を得られず、何度も面談を断られています。
収入が安定せず、社会的評価もなく、そしてタバコ。

須賀が禁煙をしていたのは喘息持ちの萌花のためです。

雨の日だと喘息が酷くなってしまう可能性があるため、雨が続く東京では須賀はなかなか娘に会えず、陽菜に晴れにしてほしいという依頼をしたのでした。

須賀が

須賀「人間年取るとさあ、大事なものの順番を入れ替えられなくなるんだよな」

と言っているように、42歳という年齢が背負っているものは、重かったですね。

ラスト結末はハッピーエンド?

映画のラスト、3年後の水没した東京で、
「K&Aプランニング」はマンションの一室へと場所を移し、今や3人の社員を抱えるいっぱしの編プロになっています。

帆高を助けるために高井刑事を殴って逮捕されてしまったので、萌花とはまだ別々の暮らしですが、奥さんの両親との関係は悪くなく、須賀の仕事次第で遠からず一緒に暮らせる可能性が高いそう。

訪ねてきた帆高に、萌花とのデート写真を見せる須賀。

東京が水没してしまったことを除けば、
一応須賀の物語もハッピーエンド・・・かな。

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【考察】須賀の出身は帆高と同じ島?須賀がフェリーに乗っていた理由

須賀の実家はどこなのかというと、
おそらく帆高と同じ島なんじゃないかな~と思います。

須賀は初対面で、

須賀「君さあ、島の子でしょ?東京になにしにきたの?」

と帆高が島から家出してきたことを見抜きます。
これは須賀自身に家出の過去があると同時に、帆高と同じ島出身だったから気付いたのではないかと。

では須賀はなぜフェリーに乗っていたのか?

滞納していた事務所の家賃。
減っていく一方だった仕事。
間宮さんとの一向に改善されない関係。

帆高が親や学校に息苦しさを感じて島を飛び出したように、
須賀もまた現実の息苦しさに東京を飛び出していたのではないでしょうか。

そして、帆高と出会った。

たとえば過去の自分にアドバイスができたとしても、たとえば人生を何度やり直せたとしても―俺はきっと帆高に出会った瞬間から、同じ選択を何度でも繰り返してしまうだろう。

夏美が、

圭ちゃんが彼を拾った理由が、私にはなんとなく分かるような気がした。私も圭ちゃんもその頃たぶん、きっかけのようなものを探していたのだ。自分の行き先を変える、ほんのすこしの風のようなものを。信号機の色が変わる、ほんのちょっとのタイミングのようなものを。

と語っているように、
須賀もまた、閉塞した現実を変える何かを、探していたのでしょうね。

須賀の最初の設定は気象AI研究者だった!?

ちなみに、須賀は最初は気象AI研究者という設定だったそうです。

新海監督「どうもスタッフには響かなかったみたいで考え直しました」

とのこと。

須賀は帆高のいわゆる父親殺しの対立軸として考えていたそうですが、

新海監督「須賀はアウトローだけど、観客の代弁者でもあるからです。須賀はむしろ常識人で、世間や観客の代弁者でもあって、社会常識に則ってホダカを止めようとはするけれど、最後はやっぱり味方なんだということにしたんです」