水谷豊&反町隆史のドラマ『相棒』シーズン18第14・15話「善悪の彼岸~ピエタ」のネタバレあらすじと感想についてまとめています。ゲストに伊武雅刀が再登場。
右京のかつての相棒で、犯罪者に私刑を下している南井がマリアという女性を伴って来日した。そして時を同じくして2件の変死事件が発生。右京は今度こそ南井を逮捕しようとするが・・・。
ラストまでネタバレしていますので、結末を知りたくない方はご注意ください。
目次
第14・15話「善悪の彼岸~ピエタ」ゲスト俳優キャスト
■ 南井 十(伊武雅刀)
元スコットランドヤード警部。右京のロンドン研修時代の相棒。
■ マリア・モースタン(石田ニコル)
南井と共に来日した女性。
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第14・15話「善悪の彼岸~ピエタ」ネタバレ・あらすじをラスト結末まで
起:2件の変死事件発生、南井再び
原宿で身元不明の変死体が見つかり、伊丹たちが捜査に乗り出すが、その後、踊り場から足を滑らせた事故と断定される。
そんな中、スコットランドヤード時代の右京の相棒で、犯罪者に私刑を下している疑惑がある南井が、特命係に現れる。
この2年、右京は2つの殺人事件を調べ続けていた。
2人を殺害し、自分の父親までも手に掛けた西田真人(深澤嵐)。
そして、4件の連続殺人を実行し、自らは青酸化合物で自殺した立入章(池内万作)。
2人とも、ある人物の存在ほのめかしていた。右京は2人の背後にいるのは同じ人物だと睨んでいた。
犯罪者の心理をつぶさに理解し、その孤独に入り込み、自分が唯一の理解者だと思わせて自供させる南井なら、2人を意のままに操ることができたはずだ。
南井「私が私的制裁によって正義を執行しているとでも?」
という南井を、「正義ですらない」と冠城は吐き捨てる。
窪田宗を殺害したのは、彼が事件の真相を知っているからだ。
鏡見産院の事件が発覚したのは、院長の不審死がきっかけだった。
青酸化合物による服毒自殺。しかし自殺の動機など、疑問点が多く残ったままだ。
飲み物に毒を混ぜるだけなら、誰でも、子供にも殺せる。
右京に嗅ぎ回られていることを知った南井は、証拠を消し自らの過去を葬り去るために、先手を打った。
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右京「あなたは身勝手な単なる殺人鬼です」
右京の言葉に激昂した南井は、証拠がないことを理由に、特命係から立ち去った。
5年前、右京がスコットランドヤードを訪れた際、南井は連続殺人事件の捜査中に犯人に襲われ、相棒を失ったばかりで、失意のどん底にいた。
そんな南井を、自分も相棒を失ったばかりだと、右京はお茶に誘った。
タクシー会社に問い合わせたところ、南井の滞在先が判明した。
ホテルに向かうと、南井は鏡見産院があった場所を訪れていた。今は公園になっている。
南井は自身のルーツともいうべき場所をめぐっているようだが、目的は見当がつかない。
一方冠城は、ホテルを張り込み、フロントでクリーニングされたネクタイを受け取る女性を見かける。
以前来日した際、南井が身に付けていたネクタイだ。
冠城はその女性に接触。名前はマリア・モースタン。南井と共に来日したと思われる。
今回は、彼女が南井に操られて罪を犯すのではないかと危機感を募らせる。
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承:南井のかつての相棒の娘・マリアの死
そんな矢先、日暮里で女性の絞殺死体が発見された。
角田課長らが昨年逮捕した末端の売人で、ネタ元を自白したため、執行猶予がついていた。売人側の報復か。
右京は、索痕に網目がないことから、凶器は布か何かをよじったものではないかと推測する。ハンカチやスカーフのような。
それを聞いた冠城は、マリアが特徴的なスカーフを身に付けていたことを思い出す。
しかも、マリアはタクシーを日暮里で降りていた。
冠城はホテルで再度マリアに接触を試みる。
冠城はマリアが2件の殺人事件の実行犯ではないかと疑い、マリアのスカーフを貸してもらえないかと頼むが、父親の形見なので貸せないと断られる。
日暮里へ言った理由は観光だと言うが、地図の検索履歴には原宿もあった。
ますます疑念を深める冠城。
一方、青木の調べで、原宿で殺されたのは神待ちをしていた家出少女だったことが判明した。
死因は転落死とのことだったが、階段からかなり距離が離れているのが右京は気に掛かる。
遺体をよく見ると、うっすらと吉川線がついていた。階段から転落する前に、何者かに首を絞められていた可能性が高い。
吉川線から推測される凶器は、おそらくネクタイだ。
冠城は、マリアがホテルのフロントでクリーニングに出していたネクタイを受け取っていたことを思い出す。
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ネクタイは被害者の血が付いたからクリーニングに出さざるを得なかったのだろう。
冠城はそのことをマリアに告げ、これまで同じように南井に利用されてきた実行犯たちが青酸化合物で自殺していることも明かす。
だが、実はマリアは何も知らなかった。
原宿の事件の時刻、マリアが千駄木神社を訪れていたというアリバイの裏が取れた。
実行犯はマリアではなかったのだ。
冠城の話を聞いたマリアは、ホテルに戻り南井を問い詰める。しかし南井はそれには答えず、ホテルの部屋を出ていってしまう。
南井のカバンから青酸カプセルを見つけたマリアは、それを紅茶に入れ、南井と共に死のうとした。
だが南井が紅茶を飲むことはなく、結局自殺で処理されてしまった。
右京たちが駆け付けた時には、既にマリアは死んでいた。
マリアが握りしめていた写真から、右京はマリアの正体に気付く。
マリアは、スコットランドヤードの刑事で、南井の元相棒アキノリ・カワエの娘だ。
カワエは連続殺人事件の捜査中に犯人に襲われ、脳にダメージを負って心身を病み、自ら命を断った。モースタンは母方の姓だろう。
当時高校生だったマリアの面倒を南井が見てきたのだろう。
冠城はマリアを疑い続けたことを悔やむ。
ホテルはマリア名義で取られており、他に第三者がいた痕跡もない。
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転:逆五芒星殺人、南井の最後のターゲットは冠城
南井の行動を注視していた右京は、東京・山手線沿線で相次いで起きている殺人事件が、かつてロンドンの地下鉄で発生した“逆五芒星事件”と呼ばれる連続殺人と多くの類似点があることに気付く。
逆五芒星事件は犯人はほぼ特定できていたが、犯人が自殺したため、逮捕には至らなかった。その意味では未解決だ。
犯人と目された男は、ある大学の理学部の非常勤講師だった。
青酸化合物を職場で手に入れ、自殺したものと結論付けられた。
逆五芒星事件はロンドンの地下鉄のサークル線沿線上で起きた連続殺人事件で、事件現場の5か所は、悪魔の象徴とされる逆五芒星を描いていた。
今回、南井はロンドンの事件をなぞっている。
止められるものなら止めてみろと右京に言いたいのだろう。
ロンドンの被害者は5人。自殺したマリアを除けば、あと3人。
ロンドンの事件をなぞるなら、次の事件は品川で起きるのではと右京が推理した矢先、その品川で警邏中の巡査が射殺される事件が発生した。
拳銃は、サクラ。自らの銃で撃たれたのだ。
原宿の転落死、日暮里の絞殺、品川の射殺に続く”第四の事件”は、何としても防がなければならない。
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しかし、南井はどこまでロンドンの事件をなぞる気なのか、右京は気に掛かっていた。
第3の事件、ロンドンの場合は、自ら手に入れた散弾銃だった。
そして、南井がこれまで殺害させてきたのは、犯罪者だけだ。被害者の警察官はとても犯罪を犯すような人物ではなかった。
南井はここへ来て、法則を崩している。これは一体何を意味するのか。
かつて、右京が南井とスコットランドヤードで一緒に捜査していた時のことだ。
事件について、「ベイカーストリートで殺人が起きたのは皮肉だ」と評する右京。
ベイカー街221はシャーロック・ホームズの住みかだ。
南井は「現実のロンドンにシャーロック・ホームズはいない」と返し、今回の事件について右京に見解を求めた。
すると、資料では現場で被害者の遺体についたとされる葉はウエスタンゴースとされていたが、右京は違うと指摘する。
先程現場の植え込みで拾った葉はハリエニシダだ。
非常に似ていて紛らわしいが、ウエスタンゴースなら今頃花をつけるはずだが、現場では咲いていなかった。ゆえに、違うという右京。
ウエスタンゴースの葉は犯人の体から移った物だとすれば、犯人の居場所を探す手がかりになる。
そんな右京を、南井は「日本から来たホームズ」と称えた。
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右京は、ロンドンの事件の場所と被害者を照らし合わせ、池袋近辺にある大学の女性学長が次のターゲットではないかと推理。
伊丹たち捜査一課は、右京の進言に従って、女性学長の警護にあたることに。
しかし、全く無関係の一般人女性が殺害された。
警察官の銃で一般市民が殺されたことに警察は大きく揺らぐ。
ロンドンで殺された第4の被害者との共通点は、赤い傘だけだ。
昨日の天気予報は晴れだ。急に雨に振られて買ったにしては、あまりに高価だ。
気になった右京は、傘を買った店、さらにレストランで支払ったクレジットカードの使用履歴から、ある男にたどり着く。
被害者の女性は、男と不倫をしていた。
赤い傘は、男が女性へのプレゼントで買ったものだった。
女性はホテルで廊下で知らない男にじっと見つめられたと気味悪がっていたという。
そのホテルを訪れると、エレベーターで南井本人とすれ違う。
タクシーに乗った南井を追うため車に乗り込もうとすると、駐車場の地面に逆五芒星が描かれていた。
それを見た右京は冠城に、
右京「特命係を辞めてもらえますか」
と告げる。
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結:冠城死す!?奪われた拳銃の行方
逆五芒星事件の最後の犠牲者は南井の相棒だった。
当時も同じく、車のそばに逆五芒星の傷がつけられていた。その後、捜査中に襲撃を受けた。
第5の事件の場所は、ウエストミンスター駅。山手線で言えば、有楽町周辺。警視庁の最寄り駅だ。
冠城が特命係を辞めれば、南井のシナリオから外れることになる。そうすれば標的を変更するかもしれない。
「むしろ好都合だ」という冠城。
冠城「特命係を辞めることは、負けを認めてるようなものです。法と犯罪の問題だと言ってるんです。あれだけの数を殺した人間に、俺たち警察官が屈したら、正義なんかどこにもないことになるじゃないですか」
それを聞いた右京は、冠城に警視庁から出ないよう告げた。
だが、南井の真の標的は、冠城ではなく右京だ。
それをわかった上で、右京は、これは自分が解決すべき事件だと考えていた。
冠城に南井から電話が掛かって来た。「犯人が狙っている」と。
冠城「最後は有楽町だったな。これから行ってやる。やれるもんならやってみろ」
と有楽町へ向かった。
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入れ違いに右京が特命係へ戻って来た。冠城に電話するが、通じない。
南井は冠城に自分が調べ上げた犯人像だと、手帳を渡す。
拳銃を冠城に向け、右京を連れて来いと激昂する南井。
南井に暴行され、冠城は意識不明の重体に。
冠城が手に入れた手帳を見た右京は、
右京「これで決着がつきます。どちらが生き残るにせよ」
と伊丹たちに告げ、ある場所へと向かった。
そこに南井はいた。
ロンドンの犯人の自宅と一致する場所。
鏡見産院の院長、西田真人と彼が殺害した3人、立入章と彼が殺害した3人、そして今回南井自身が殺害した4人。
南井は少なくとも13件の殺人に関与している。
右京「南井十。あなたを殺人の容疑で拘束します」
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南井の手帳には、犯人しか知り得ない情報が書かれていた。
南井が犯人だという写真の男は、セバスチャン・ロイロット。逆五芒星事件の被疑者で、5年前に死んでいる。
南井は、かつての相棒カワエと同じ状態に陥っていた。頭部への衝撃ではなく、老いによって、
突然現れたり治まったりする、感情のコントロールがきかなくなる情動失禁、記憶障害、見当識障害。
だからマリアは南井を心配して日本へついてきたのだ。
南井は自ら事件を起こし、自ら捜査をしていた。
もはや南井に答えられるのかはわからないが、右京は尋ねた。
セバスチャン・ロイロットは南井が殺したのかと。
南井は犯人を許せなかった。既に感情の抑制がきかなくなっていたのかもしれない。
殺害を終えた後、罪悪感に苛まれた南井は、その苦しみから逃れるため、自分を肯定した。
それ以降、犯罪者に対して私的制裁を行うようになった。
カワエが探していたのは、家族と過ごした思い出の場所だった。
人生の最後に残るのは記憶だけだ。
その記憶が次々と消えていった時、最後に残るのは一番大切な記憶だけ。
南井にとって一番大切な記憶はカワエだったのだろう。
だが、今の南井はカワエのことすらわからなくなっていた。
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南井はいう。忘れようと思っても、忘れられないこともあると。
南井「お前だよ、右京。あの時のお前の観察眼、推理力、勇気、正義、まるで子供の頃に憧れたシャーロック・ホームズのようだった」
だから南井は右京に会いに来たのだ。
南井「また捜査をやろう。一緒に。お前となら、どんな悪も光のもとに引きずり出せる」
かつては優れた分析力を持ち、人間の深淵をも理解していた南井のこんな姿に、右京はもはや言葉もなかった。
右京「あなたの罪は決して許されるものではありません。ただ、僕もあなたのこと、忘れないでしょう」
南井の身柄は確保された。
だが、もはや南井に犯行を証言する力はない。判決まで、命が持つかどうかすら。
しかし一体何を裁くのか。
年老いて、何が現実かもわからなくなり、ただ記憶を追い掛けていた南井。
右京と一緒に捜査するために、自ら事件を起こしていった。
右京「それは善や悪と呼べるものでしょうか。善悪の、彼岸」
その夜、南井は警察病院を抜け出し、崖から投身自殺をした。
南井は本当に死んだのか、真相は闇のままだ。
次は⇒第16話ネタバレ 陣川くんが伝説の窃盗犯「けむり」を逮捕!?
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第14・15話「善悪の彼岸~ピエタ」感想
過去最長相棒がまさか・・・まさか・・・殉職・・・!?!?
結構冠城さんもいいキャラに育ってきたのに殉職だけは・・・!!どうか・・・!!(涙)
というかもう、ここに来て南井のキャラが全崩壊してますね・・・。
3シーズンがかりでいい感じの完全犯罪遂行者になっていたのに、ここへ来て証拠を残しまくる体たらくはこれいかに。
神待ちの家で少女とか、微罪すぎて・・・!
このレベルの犯罪を探知すること事態難しいんじゃなかろうかと思うんですが。
ロンドンからわざわざ日本のネットパトロールか、南井・・・。
この程度で殺された少女哀れすぎる・・・。
そしてこのレベルの犯罪を探知して殺しにかかるってもう、無理くり逆五芒星作りたかっただけとしか・・・。
日暮里とか殺し起きそうな街じゃないしね・・・。
せめてもっと殺人を犯したのに罪を免れたとか、凶悪犯を狙うわけにはいかなかったのか、南井・・・。
自らの手は絶対に汚さないのがポリシーじゃなか っ た の か ・・・。
それが南井を他の犯罪者とは一線を画させていた原点だったのに、自ら殺しに来てたとしたら・・・。
南井が余命宣告されて自ら殺しに掛かってたら笑う。
2~3年前のネクタイそのまま使ってるのも違和感しかない。
キャラ潰しが著しい昨今のシーズンを象徴してますね・・・。
あとマリアのブーツのつつじの葉、丸3日くらい?ブーツにくっついてたの????
それをあの会っていた場で落とすってご都合主義過ぎだろ・・・。
右京さんと冠城さんが行っていた千駄木神社は根津神社ですね。
ドラマでも実際のロケ地はまずいのだろうか・・・。
まあ殺人事件絡みだからなあ・・・。
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3シーズンまたぎの超大作の結末が南井の老いって・・・・・・!!!
犯罪者に私的制裁を加える絶対的犯罪者との頭脳戦をあれだけ煽っておいてこのオチ・・・・・・!?!?
こっちが「もはや言葉もありません」ですよ・・・。
セバスチャン・ロイロットが南井の幻影は無理あるわ・・・。
そしてただ、ひたすらにあれだけ優秀だった人が老いたらこんなことになってしまうんですねっていう、何なんでしょう、このいたずらに老いる恐怖を煽り倒す話は・・・。
シーズン16とか17とか南井めちゃくちゃ普通やったやん・・・!!!
アルツハイマーの片鱗もなかったやん・・・!!
いつもは手厳しい右京さんがなぜ南井には甘いのか。
善悪の彼岸も何も、これはガッツリ悪でしょう。
でなければなんの罪もないのに殺された女子高生や警察官や女性が全く浮かばれないよ・・・!!
意識障害起こしてたら殺人犯してもいいのか?
唯一良かったのは冠城さん。
いつも右京さんに優しく同意する彼が、言った言葉は刺さりました。
でもこのオチだもん。
正義どこいった・・・。