水谷豊&反町隆史のドラマ『相棒』シーズン18第8・9話「檻の中」のネタバレあらすじと感想についてまとめています。ゲストに中村育二が登場。
研究費の横領容疑で逮捕された大学教授・皆藤の保釈金3000万円が奪われる事件が発生した。皆藤の周りでは不穏な事件が相次いでおり、皆藤が告発しようとしていたライフケアテクノロジーの秘密が原因と思われた。さらに、高瀬准教授が研究室の裏切り者だったことが判明し・・・。
ラストまでネタバレしていますので、結末を知りたくない方はご注意ください。
目次
第8・9話「檻の中」ゲスト俳優キャスト
■ 皆藤武雄(中村育二)
研究費の横領容疑で逮捕された大学教授。
■ 高瀬佳奈恵(中村優子)
准教授。
■ 桝本修一(山崎樹範)
週刊誌『週刊真相』の記者。新聞社をやめて『週刊真相』に移った。冠城の地元の幼馴染。
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第8・9話「檻の中」ネタバレ・あらすじをラスト結末まで
起:保釈金強盗事件の裏で暗躍するライフケアテクノロジー
研究費の横領容疑で逮捕された東修大学教授・皆藤武雄の保釈金3000万円が奪われる事件が発生した。
弁護士事務所から車で運ぶ途中に襲撃された准教授の高瀬佳奈恵によると、犯人はテーザー銃、遠距離対応型スタンガンを使う3人組の男だったという。
右京は、捜査二課時代に皆藤と面識があった。
当時、東修大学学長の研究費の横領が発覚。それを告発したのが皆藤だった。
今でこそ皆藤の遠隔操作技術は手術支援ロボットや災害対策ドローンなど、多くの人の役に立っているが、当時はなかなか結果が出ず、学長によって研究を打ち切られようとしていた。
だからそうなる前に皆藤は告発したのだ。
「自分の研究が何よりも大事だ」という皆藤に、右京は凄まじい執念を感じていた。
だから、研究一筋のはずの皆藤が自らの研究費に手を付けたことに疑念を抱いていた。
今回の横領は、大学の事務局あてに匿名の告発分が送られてきて発覚した。
調べたところ、経理データが改ざんされていることがわかり、事務局が警察に通報した。
しかし、当初皆藤は容疑を否認していた。それが一転して起訴、保釈の運びとなった。一体何がきっかけで供述をひるがえしたのか。
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一方、冠城は、旧友で週刊誌記者の桝本から、皆藤の事件の情報がほしいと相談を受ける。
そして向かった病院で、右京と合流した。
右京と冠城が皆藤に面会すると、皆藤はかなり保釈を急いでいた。
過去にテーザー銃を使った強盗事件は、この5年で27件あった。伊丹たち捜査一課は、1件1件あたることに。
右京と冠城は、東修大学の皆藤の研究室を訪ねた。すると、ここ3か月、研究室が呪われているとしか思えない出来事が相次いでいるという。
雑誌に掲載されるはずだった皆藤のインタビュー記事が差し替えられ、企業からの支援金が急に打ち切られ、あの横領事件が起き、岡田が階段から落ちて骨折し、鈴木という研究員はストーカー被害にあって辞めてしまった。さらに保釈金強盗だ。
大学の防犯カメラをチェックしたところ、岡田が転落した現場と、ストーカー被害にあっていた鈴木と警官がいる現場に、同じ男がいた。
この3か月の災難は、意図的に仕組まれたものである可能性が高い。
青木に調べてもらったところ、身元はわからなかったが、ライフケアテクノロジーが入っているビルに出入りしていたことが判明した。
ライフケアテクノロジーは、皆藤への支援金を打ち切った医療機器メーカーだ。
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承:亡くなった桝本の妻と皆藤の関係は?
ライフケアテクノロジーの三島社長を訪ね、男について尋ねるが、知らないという。
だが、外にいた清掃員に写真の男について尋ねると、三島社長の客でよく出入りしているとのことだ。
災難の始まりは、3か月前のインタビュー記事だ。皆藤はそれが元で脅迫されることになった。
記事の内容はライフケアテクノロジーの何らかの告発だろう。
記事は圧力を掛けられ潰されたが、それでも皆藤は告発を諦めなかったため、研究も研究員も危険にさらされた。
横領が仕組まれたものだとすれば、保釈金強盗も皆藤が外に出るのを阻むためだろう。
強盗犯グループは保釈金を運ぶ車をピンポイントで待ち伏せしている。彼らはあの時間、あの道をあの車が通ることを知っていた。
つまり、皆藤に近い人物が、情報を与えていた可能性がある。
一方、桝本の妻・佐久間美佳は、昨年サルウィンのテロ事件で亡くなっていた。
NGOの活動に参加していて、難民キャンプの慰問に来ていた要人を狙った爆弾テロに巻き込まれたのだ。
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冠城は捜査本部に探りを入れ、強盗グループの中の井上輝夫という男が捕まり、東京拘置所に収容されていることが判明。
弁護士以外で面会に来ていたのは、谷口雅也という男だけだった。
そして、高瀬も同じ時間に東京拘置所に来ていた。高瀬と谷口には接点があった。
つまり、強盗事件は、高瀬が谷口と共謀した自作自演だったのだ。
伊丹たちが谷口の根城に踏み込むと、もぬけの殻だった。Nシステムで追跡したところ、東修大学に向かっているようだ。
一方、高瀬は3000千万をかばんに入れ、どこかに持ち去ろうとしていた。
そこへ谷口たちが現れ、高瀬を暴行。右京たちが駆け付け、谷口たちを逮捕するも、高瀬は意識不明の重体に。
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転:桝本の妻の死の原因はドローン爆弾
実は、2か月半前の横領事件が発覚する直前、高瀬が「あぽろ」の映像にアクセスしていた。
不自然に角度を傾けられた鏡は、研究室を自由に動ける見守りロボット「あぼろ」に、教授のパソコンのパスワードを記録させるためだ。
盗んだパスワードで経理のデータにアクセスし、数字を書き換え、皆藤が研究費を横領しているかのように見せかけ、教授が不正をしているという文章を大学事務局あてに出した。
つまり高瀬は、ライフケアテクノロジーに加担して皆藤を横領で陥れ、さらには保釈金強盗まで仕組んで、教授を檻の中に閉じ込めた。
だが、高瀬はかなり危ない橋を渡っている。それだけライフケアテクノロジーの見返りが大きいのだろうか。
3000万円の保釈金が無事戻り、皆藤が保釈された。
保釈され、研究室に戻った皆藤を右京は訪ねた。
皆藤は高瀬の裏切りに驚かなかった。「高瀬のことならよく知っている」という皆藤に、右京は2人は付き合っていたのではないかと問う。
だが、皆藤は研究を優先した。
高瀬はせめて仕事上のパートナーになることを望み、彼女のその想いを知った上で、この20年皆藤は高瀬と仕事を共にしてきた。
高瀬が研究には必要な人材だったからだ。
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ではライフケアテクノロジーを告発しようとしているのは自分の研究のためか、それとも。
皆藤「これでも私は、技術は人を幸福にする。その一念でやって来たんだ」
皆藤は、右京に高瀬への伝言を頼んだ。「申し訳ない」と。
右京はその足で高瀬の元を訪れ、自身の推理をぶつけるが、
高瀬「あなたはまるでわかっていません」
と言われてしまう。
一方、冠城は桝本が皆藤の保釈を受けて何か事を起こすのではないかと危惧していた。
しかし、本人を問い詰めても軽くかわされてしまう。
右京と冠城が今回の事件の背景にまだ見えていない何かがあると感じ捜査を続ける中、ついに皆藤の恐るべき復讐計画が動き始めた。
皆藤は桝本と落ち合っていた。
実は、桝本の妻たちが死んだのは、ドローン爆弾が原因だった。
それは、皆藤が生んだ技術だ。
日本の科学者には戦後、軍事目的の研究は行わないという誓いがある。
桝本「あんたのせいで美佳たちが死んだんだ!」
と桝本は皆藤に詰め寄った。
自分が生んだ技術で人が殺されたのなら責任を取らねばならない。だがその前に皆藤は真実が知りたいと言った。
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結:皆藤教授の死を決した告発、バックにいた東和ダイナミクスに打撃
青木の調べで、ライフケアテクノロジーに出入りしていた男の身元が判明した。
名前は武田一浩。元傭兵で、3か月前にサルウィンから帰国している。
武田の雇い主は東和ダイナミクスだ。東和ダイナミクスの社長は桂川宗佐(村上新悟)。
国際会議と同時開催の見本市に出席するため、洞爺湖に来ていた片山雛子と一緒にいた男だ。
⇒第1・2話「アレスの進撃」
武器開発をしている桂川が今回の件に関わっているとすれば、民生企業に生み出された技術が武器に軍事転用されている可能性がある。
右京は片山雛子の名前を使い、桂川とライフケアテクノロジーの三島社長を呼び出した。
ライフケアテクノロジーはいろんな大学や研究室に手広く研究支援してるが、ライフケアテクノロジーにそれほどまでの資金力はない。
金は東和ダイナミクスから出ている。
東和ダイナミクスの目的は、開発した技術を武器に転用することだ。
皆藤の場合、多額の研究支援を受ける代わりに、開発した技術の一部をライフケアテクノロジーに譲渡していた。
医療機器メーカーということで安心していたのだろう。
だが、ライフケアテクノロジーはそうやって吸い上げた最先端の技術を、東和ダイナミクスに横流ししていた。
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そして皆藤が開発した技術はドローン爆弾に転用され、サルウィンのテロ事件に使われた。
それを暴こうとする皆藤と桝本を脅迫したのだ。
しかし、ライフケアテクノロジーは高瀬とつながってはいなかった。
つまり、高瀬は横領事件も保釈金強盗も単独でやったということになる。
11月3日、一年前にテロのあった日。皆藤と桝本は今日これから告発しようとしている。
通話履歴を調べたところ、高瀬は桝本と頻繁に連絡を取り合っていた。
高瀬は皆藤と桝本の仲間だったが、2人を裏切り、皆藤を檻の中に閉じ込めておこうとした。
皆藤を守るためだ。
皆藤の「申し訳ない」という言葉は、高瀬への別れの言葉だ。
皆藤は告発のための自殺をしようとしている。
NGO団体の追悼慰霊式が行われている会場から、桝本がドローンを飛ばし、『週刊真相』の生配信ライブが始まった。
それを見た桂川は武田に止めさせようとするが、そこへ伊丹たち捜査一課が乗り込んできた。ドローン爆弾で狙われるかもしれないからだ。
右京は高瀬を説得し、ライブの配信が行われている急ぎ東修大学へ向かった。
一方、冠城は桝本の元へ向かい、起爆装置であるスマホを奪おうとした。
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だが研究室のドアにはロックが掛かっており、中へは入れない。右京は配電盤室の扉を破壊し、ブレーカーを落とした。
間一髪、冠城がスマホを奪い、ドローン爆弾は停止した。
告発の最中に皆藤が命を落とし、それがテロで使われた爆弾と同じものだとわかれば、さすがの東和ダイナミクスもただでは済まない。
まさに、決死の覚悟で臨んだ告発だった。
皆藤「そこまでわかっていてなぜ止めた。私にはもう科学者を名乗る資格はない。これが私にとって最後の、科学者として最後の責務だったんだ」
「やり方が間違っている」という右京に、皆藤は「これしか方法はなかった」と反論する。
右京「すべての戦争が血を流す覚悟から始まっています。血を流さなければ平和は実現しないと思い込んでいる人達がテロや戦争を始めるんです。そして、より強力で効率の良い武器を手に入れようとする。そしてあなたがた科学者の技術が使われる。
科学者の責務とおっしゃいましたね。本来それは、技術は人を幸福にするという信念が導く未来を、人々に見せ続けることではありませんか。それこそが、科学者としての責務ではありませんか。あなた自身が信念に負けて、ここで諦めてどうするんですか」
その後、逃亡しようとした武田を、伊丹たちが確保した。
今後、東和ダイナミクスにも捜査の手が入ることになる。
次は⇒第10話「杉下右京の秘密」ネタバレと感想 右京の新しい家族!?
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第8・9話「檻の中」感想
桝本が皆藤教授を責めるのはあまりにも筋違いじゃないかなあ?と。
知らずに軍事転用され、それがドローン爆弾に姿を変えたからといって、それによって起きた殺人にまで責任を取れというのはあまりに酷です。
皆藤教授も殉教者だったから受け入れてくれましたけど・・・。
桝本が奥さんを失ったぶつけようのない悲しみを皆藤教授にぶつけていたように思えてならない・・・。
皆藤ー桝本ラインは先週から見えたので、前後編の面白さはあんまりなかったですね~~~。
というか、桂川さんこういう形で使い捨てるんかーい。
え、したら片山先生どうなるのさ。
右京さんは恋愛の機微には疎いので、高瀬さんに「あなたは何もわかっていません」と言われてもしょーがない。
研究に利用されているとわかっていながら、それでも20年もそばで支え続けた女性がこれだけのことを仕組むなら、皆藤教授の命を守るためでしょう。