【相棒17】第3話ネタバレと感想 『千言万辞』を作った辞書の神様への殺意

水谷豊&反町隆史のドラマ『相棒』シーズン17第3話 「辞書の神様」のネタバレあらすじと感想についてまとめています。
『千言万辞(せんげんばんじ)』という辞書を担当する編集者の中西が公園で殺害された。『千言万辞』の原稿を手掛けているのは、辞書の第一人者である大鷹だ。だが、大鷹は殺された編集者と折り合いが悪かったことが判明し・・・。
ラストまでネタバレしていますので、結末を知りたくない方はご注意ください。

参考⇒相棒シーズン16を見逃した人はまずこちらをチェック!

第3話 「辞書の神様」ゲスト俳優キャスト

■ 大鷹公介(森本レオ)
元大学教授で、『千言万辞』の主幹。

■ 国島弘明(森田順平)
大学教授。

■ 中西 茂(天野浩成)
文礼堂出版の辞書編集部編集者。

■ 和田利広(酒向 芳)
文礼堂出版の辞書編集部長。中西の上司。

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第3話 「辞書の神様」ネタバレ・あらすじをラスト結末まで

起:「辞書の神様」大鷹が殺人!?

『千言万辞(せんげんばんじ)』という辞書を担当する編集者の中西茂が、公園でメッタ刺しの遺体で発見された。

凶器はペーパーナイフ。犯人は怨恨で何度も刺したのではなく、一度では致命傷にならなかったため、何度も刺したようだ。

個性的な語釈から、読み物として『千言万辞』を愛読している右京は、事件に興味を持ち、冠城と共に独自の捜査を開始。版元の出版社である文礼堂出版で、部長の和田利広に聞き込みを行うことに。

『千言万辞』の辞書の原稿は、元大学教授の大鷹公介がたった一人で手掛けていた。

しかし大鷹はこだわりが強く、作業が遅れがちだった。そのため、中西は主幹を大鷹をサポートしている大学教授の国島弘明に切り替えようとしていた。昨夜はその主幹交代の件で、中西は大鷹に公園で会うと出掛けて行ったという。

大鷹の自宅に向かう途中、右京は女子高生たちの話のメモを取る大鷹に遭遇する。取り憑かれたように言葉の収集に没頭する大鷹。

大鷹の仕事場で、契約社員として用例採集をしたり、大鷹の作業を手伝う百合子に話を聞くうち、大鷹の偏屈ぶりが浮かび上がってくる。

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承:犯人は国島?大鷹と国島の微妙な関係

中西の携帯の履歴から、中西と大鷹は、普段ラインを使ってやり取りしていたことがわかる。にもかかわらず、殺された日だけ中西が大鷹の携帯ではなく自宅に電話を掛けてきたことを、右京は不審に思う。

右京は再度大鷹の仕事場を訪ね、中西からの電話を受けたお手伝いの幸恵に聞き込みをする。そこへ国島がやって来た。

大鷹のことを「言葉に取り憑かれているだけだ」と切り捨てる国島が、なぜまた大鷹と一緒に辞書作りをすることになったのか。

さらに、終日大学にいたという国島が、大鷹の自宅を訪れていたことが幸恵の証言で判明する。大鷹は帰りに忘れ物を取りに寄っただけだと言うが・・・。

実は、大鷹と国島の関係は良好とは言えなかった。

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大鷹は世間の知名度は高いが、学会ではあまり評価されず、言葉集めなど素人でもできると下に見られていた。学者は学会での評価が全てだ。一回りも下の国島に抜かされ、立場のなかった大鷹は大学教授を辞めた。辞書に専念するためと言っているが、実際は逃げたのだろうと思われていた。

しかも第三版の時は、国島は大学の論文作業が忙しかったと、編纂に携わっていない。そんな国島が再度辞書作りに加わったのは、主幹交代の密約があったからではと睨む冠城。

そんな中、中西の遺体が見つかった公園に、事件当夜、国島が姿を見せていたことが判明する。しかも、国島の大学の机の引き出しから、凶器のペーパーナイフが発見された。

伊丹と芹沢は国島の取り調べを開始する。

大鷹と折り合いが悪かった中西は、国島に戻ってきてほしいと頼み込み、国島は主幹交代を条件にこれを了承した。しかし、装丁の見本にあったのは大鷹の名前のみ。中西に裏切られたと思って殺したと、国島は自供を始めるが、右京は国島が誰かをかばっているのではないかと推測する。

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転:大鷹の隠された病気

地位や肩書きから離れて、自分の好きな物に人生を捧げる大鷹。たとえ妻子を失っても。

国島「辞書に生きるということは、全ての生活を失うということです。家族も、自由も、時間も。あれが立派な幸せな生き方に見えますか?」

しかしだからこそ、国島は誰にもできない生き方をしている大鷹の思いに応えたいと思ったのではないか。右京はそう考えていた。

そんな中、大鷹が自首してきた。自分が中西を殺したと自供している最中に、大鷹はパニックを起こし倒れてしまう。

実は、大鷹はアルツハイマーを患っていた。大鷹が度々癇癪を起こしたり、「バズる」という同じ言葉のメモが何枚もあったのはそのためだ。

これが最後だとわかっていたから、国島と百合子は、幸恵や編集部に内緒でずっと大鷹のケアをして来ていた。編纂が無理だと判断されれば、『千言万辞』が出版されない可能性があったからだ。

中西が殺された日、国島は休みだったが、大鷹が呼び出されたことを心配して、公園へやって来た。そして中西の遺体を見つけ、大鷹の様子に隠し通すことを心に決めた国島は、大鷹のペーパーナイフを持ち帰り、自分のものとすり替えた。大鷹をかばうために。

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だが国島は、右京の追及にも

国島「先生の、いえ先生と私の辞書を守るために、私がやりました」

と真実を語ろうとはしなかった。

警察が目を離したすきに、大鷹が病院を抜け出した。

行くべき方向がわからない時、本能的に左に曲がる人が多いという「左回りの法則」から、左を探すよう右京から指示された冠城が無事大鷹を発見する。

確保された大鷹は、

大鷹「情けない、こんな負け方。常識なんかに」

とつぶやく。
「常識に負ける」という言い回しが気に掛かる右京。

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結:事件の真相と真犯人の正体

右京が文礼堂を訪れると、和田が『千言万辞』の校正刷を処分しようとしているところだった。

アルツハイマーの大鷹に、人目を偲んで犯行に及ぶなどという冷静な判断ができるとは思えない。大鷹のメモは、自身の記憶ではなく、犯人が吹き込んだことをメモしていた。犯人は最初から大鷹を利用するつもりで、病気に気付いていることを隠し、大鷹を操ろうとしたのだ。

辞書づくりは金にはならず、老舗の文礼堂といえど、時代の波には逆らえなかった。2つある辞書のうち、『文礼堂国語辞典』の方は既になくなることが決まっていた。

『千言万辞』の三度目の校正刷は、和田一人だけ「要検討」を意味する赤い付箋が大量についており、一人だけ『千言万辞』への意識が違っていた。

辞書を愛し、正しい言葉を伝えることを使命だと感じている和田は、大鷹の独断で作られている『千言万辞』の存在を許せなかったのだ。

大鷹の病気に気付いた和田は、『千言万辞』の出版を中止し、『文礼堂国語辞典』の復活を狙っていた。

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しかし、中西は文国を復活させても売れないと踏み、『千言万辞』の出版を続行しようとしていた。「本なんて売れれば何でもいい」という中西は、早く結果を出し、営業に戻りたいと考えていた。

関係者に疎い幸恵を利用し、大鷹の自宅に電話を入れ、大鷹を呼び出した和田は、主幹交代を告げるためと中西を公園へと連れ出した。

そして中西をペーパーナイフで刺し殺し、すきを見て大鷹の仕事場へ合鍵を使って潜り込み、大鷹のペーパーナイフを盗んだのだ。

ところが、犬猿の仲だと思われていた国島が、大鷹の身代わりになった。それでは『千言万辞』を潰せない。そこで大鷹を印刷所に呼び出し、国島が大鷹をかばって捕まったと吹き込んだのだ。

そして大鷹は、国島を助けるため自首してきた。

深いところで繋がっていた大鷹と国島。無事刷り上がった『千言万辞』第四版を前に、大鷹を涙を流して喜び合うのだった。

4話ネタバレは⇒バクハンの不正?角田課長VS杉下右京

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第3話 「辞書の神様」感想

『検察側の罪人』の印象が強過ぎて、登場した瞬間にいやもう絶対コレ犯人酒向芳さんだと。

辞書を愛し過ぎて殺人ってどうなの?という、『相棒』にたまにある動機が謎すぎるパターンなんですが、酒向芳さんの個性的な髪型と怪演に目が行き過ぎて、そんな気にならなかったですね・・・。

酒向芳さんの破壊力やべえ。

ラストの大鷹先生と国島教授が出来上がった辞書を見て、表紙を嬉しそうになでるシーンはホロリとしました・・・。
出来上がった本って、本当に我が子のように愛しいんですよね・・・。
しかもこれが最後とわかっているからこそ、2人の思いはひとしおだったのではないかと。

青木の出番はこれまで通り、1話に1回あるかないかくらいみたいですね。本当に良かった・・・。

4話で角田課長と揉めそうでハラハラ・・・。
万一角田課長もいなくなったらマジでもう相棒じゃない・・・!!(涙)