【下町ロケット】前作のあらすじを簡単におさらい!ネタバレをガウディ編ラスト結末まで

阿部寛主演ドラマ『下町ロケット』前作シーズン1(ロケット編・ガウディ計画編)のあらすじと詳細なネタバレ、感想についてまとめています。
最新作「ゴースト編」の放送前に、2015年に放送された前作のあらすじを簡単におさらいし、池井戸潤の原作小説もあわせてチェックしていきます。
ロケットエンジンの開発への夢を追い続けた佃製作所の社長・佃航平。帝国重工の財前から依頼を受け、スターダスト計画にバルブシステムを供給し、ロケットの打ち上げ成功を経験した佃は、第2部「ガウディ計画編」で、人工弁開発という新たな夢へと身を投じていく。
最終回ラストまでネタバレしていきますので、結末を知りたくない方はご注意ください。

登場人物&俳優キャスト

佃製作所

■ 佃 航平(阿部寛)
小型エンジンを開発・販売する佃製作所の二代目社長。宇宙科学開発機構の研究員であったが、ロケット打ち上げ失敗の責任をとって辞職し、父が遺した町工場を継いだ。
  
■ 山崎 光彦(安田顕)
技術開発部の部長。航平の大学時代の後輩で、その腕を見込まれて技術開発部のリーダーとして7年前に佃製作所へ招かれた。
  
■ 殿村 直弘(立川談春)
経理部長。元白水銀行の銀行員。
  
■ 立花 洋介(竹内涼真)
技術開発部の若手技術者。
  

■ 神谷 修一(恵俊彰)
神谷・坂井法律事務所の代表。知財関係の訴訟のエキスパートである凄腕の弁護士。

佃の家族

■ 佃 利菜(土屋太鳳)
航平の一人娘。

■ 和泉 沙耶(真矢ミキ)
航平の元妻。航平と同じ大学で、佃が院生の時に学生結婚する。

■ 佃 和枝(倍賞美津子)
航平の母。

帝国重工

■ 藤間 秀樹(杉良太郎)
帝国重工の社長。“スターダスト計画”を成功させ、帝国重工を宇宙航空分野で世界のリーディング・カンパニーにすることを目標に掲げている。
  
■ 財前 道生(吉川晃司)
宇宙航空部の部長。入社以来順調にエリートコースを歩んできて、純国産ロケット開発計画“スターダスト計画”を担当。
  
■ 水原 重治(木下ほうか)
宇宙航空部の本部長で、財前の直属の上司。
  
■ 富山 敬治(新井浩文)
宇宙航空部宇宙開発グループ主任。財前部長の下、新型水素エンジンの開発責任者を務める。
  
■ 石坂 宗典(石井一孝)
宇宙航空部調達グループ部長。百万点ものロケット部品の選定、納入を主担当とする。

■ 中川 京一(池畑慎之介)
ナカシマ工業の顧問弁護士。国内最大手である田村・大川法律事務所所属。技術系の企業法務の分野では名の知れた優秀な弁護士。

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ガウディ計画編

北陸医科大学

■ 一村 隼人(今田耕司)
北陸医科大学教授。もとは貴船教授の弟子だったが、「コアハート」のアイデアを横取りされた上、北陸医科大学へ飛ばされた。
  
■ 真野 賢作(山崎育三郎)
北陸医科大学研究員。元は佃製作所の技術者だったが、ロケットエンジンを重視する佃の方針に反発し、帝国重工に納品するバルブを不良品とすり替える事件を起こし、退職した。

サヤマ製作所

■ 椎名 直之(小泉孝太郎)
NASA出身で、サヤマ製作所の2代目社長。父親が経営していた町工場をアメリカ型経営に路線変更することで急速に拡大し、ベンチャー企業化したやり手。
  
■ 中里 淳(高橋光臣)
佃製作所の技術者として働いていたが、日本クラインの一件で会社に不満を持ち、退社してライバル企業であるサヤマ製作所に入社した。
  
■ 横田 信生(バカリズム)
開発部技術者。「コアハート」のバルブ開発に携わっていたが、なかなか成果が出ず、担当を外された。
  
■ 月島 尚人(福田転球)
開発部マネージャー。外資系企業の開発部門マネージャー職を渡り歩き、専門とする機械工学分野での輝かしい実績を持つ。

■ 桜田 章(石倉三郎)
株式会社サクラダ社長。

■ 咲間 倫子(高島彩)
元「毎朝新聞」の記者で、医療事件を専門にしたフリージャーナリスト。

■ 貴船 恒広(世良公則)
アジア医科大学の心臓血管外科部長。日本の心臓外科でトップクラスといわれる同大学の看板教授。

■ 久坂 寛之(平岳大)
大手精密機械メーカー「日本クライン」の製造部長。

■ 藤堂 保(瀧川英次)
製造部企画チームマネージャーで、久坂の部下。

■ 滝川 信二(篠井英介)
PMEAの専門員で「ガウディ」の審査チームのリーダー格。以前から貴船と結びついており、一村の邪魔をしようとする貴船に同調し、「ガウディ」計画を頓挫させようとする。

PMEA(独立行政法人医薬品医療器具総合機構)とは?
劇中に登場する架空の団体。医薬品の副作用等による健康被害の迅速な救済を図り、並びに医薬品等の品質、有効性及び安全性の向上に資する審査等の業務を行う厚生労働省所管の独立行政法人で、日本独自のセーフティトライアングルと呼ばれている。

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『下町ロケット』簡単なあらすじ

『下町ロケット』は、大きく分けて二部構成になっています。
前半がロケット編、後半がガウディ計画編です。

ロケット編(1~5話)

7年前、ロケット打ち上げ失敗の責任を取り、宇宙科学開発機構を追われた佃航平は、父親が遺した下町の工場「佃製作所」で経営者として第二の人生を送っていた。

佃はあきらめきれない自分の夢であるロケットエンジンの開発に力を入れすぎ、少しずつ佃製作所の業績は下降気味になっていく。

一方、初の純国産ロケットの開発を目指し、スターダスト計画を進めてきた帝国重工。苦難の末に完成させた、ロケットエンジンの要とも言うべきバルブシステムの特許が、佃製作所によって2週間先に申請されていたことが発覚する。

特許の買い取りを提案する財前に対し、佃はバルブシステムの部品供給を願い出る。

製品テストをはじめ、数々の難関をクリアした佃製バルブの品質を認めた財前は、ロケットのキーパーツの完全内製化を掲げる藤間社長を説得。

ついに、佃製バルブを搭載したロケットが打ち上げられた。

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ガウディ計画編(6~10話)

ロケットへの夢を実現させた佃は、北陸医科大学の一村教授からその技術力を見込まれ、心臓手術用の人工弁「ガウディ」の開発を依頼される。

だが佃製作所をライバル視する椎名社長率いるサヤマ製作所の登場により、スターダスト計画へのバルブシステムの供給を奪われ、佃製作所は窮地に追いやられていく。

一村と対立する貴船教授が推進する人工心臓「コアハート」の取引をも佃製作所から横取りしようと画策する椎名。

そんな中、コアハートの臨床治験第一号となった患者が死亡してしまう。死亡事故をもみ消そうとする貴船教授と椎名に対し、医療ジャーナリスト・咲間と共に、徹底抗戦する佃。

コアハートのデータ偽装が発覚し、椎名は逮捕された。そして、子供たちの命を救うため、佃製作所は一丸となってガウディの開発を成功させた。

最新作『ゴースト』ネタバレは⇒【下町ロケット】ゴーストのネタバレと最終回結末 佃製作所VSギアゴースト!?

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『下町ロケット』詳細ネタバレをラスト結末まで

1話:ロケットへの夢を持ち続けた男

7年前、新型ロケット「セイレーン」のエンジン開発者だった佃は、打ち上げ失敗の責任を取り、宇宙科学開発機構を退職し、父が残した佃製作所の社長となった。

会社のさらなる成長のため、佃は多額の資金を投じて研究開発部門に力を注いだ。だがそれによって取得した特許の中には、利益を生まない製品もあった。一見無駄に見える開発に資金を注ぎ込む佃のやり方に対して、社内には疑問視する声も出始める。

そんな中、追い打ちをかけるように大手競合会社のナカシマ工業から、主力製品に対して特許侵害訴訟を起こされてしまう。その賠償請求額は90億円。

ナカシマ工業の卑劣な工作による風評被害で、取引先を次々と失った佃製作所は銀行からも見放され、あと1年で倒産の窮地に追い込まれる。

離婚した元妻・沙耶から、知的財産関連の裁判ではトップクラスと言われる弁護士・神谷を紹介され、ナカシマ工業との訴訟に挑んだ。

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資金的に追い詰められ、訴訟を継続することが困難と悟った佃は、ナカシマ工業の買収的和解案に応じることを覚悟する。

そんな時、神谷は残されたたった一つの方法として、逆訴訟を提案する。

だがその戦法は、失敗すれば佃製作所にとってさらなる被害をもたらす諸刃の剣であり、迫田(今野浩喜)や江原(和田聰宏)ら安定を望む若手社員らは懐疑的だった。

一方、初の純国産ロケットの開発を目指し、「スターダスト計画」を進めてきた帝国重工の財前は、苦難の末についにロケットエンジンの要とも言うべきバルブシステムを完成させる。

しかしロケット着工に取り掛かろうとした矢先、とんでもない事実が発覚する。帝国重工と同内容のバルブシステムが2週間早く、佃製作所から出願されていたのだ。

銀行からガラクタとバカにされ、寄贈特許と呼ばれた製品の中に、そのバルブシステムが既に存在していたのであった。

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2話:佃製作所VSナカシマ工業、佃の熱意

財前が佃製作所に、バルブシステムの特許を買い取りたいと現れる。

バルブシステムはロケットエンジンを安定させるための主要パーツであり、 帝国重工が推し進める「スターダスト計画」にとって欠かすことのできないキーテクノロジーであった。

財前は買取価格として20億を提示。ナカシマ工業との訴訟で困窮する佃製作所にとって、喉から手が出るほど欲しい額だ。

売るべきか、それとも特許使用契約を要求するべきか。社内での意見も割れ、佃も答えを決めきれずにいた。

そんな中、ナカシマ工業との訴訟で佃は証人として法廷に立つことになった。当日、娘の利菜がアイロンをかけてくれたシャツを見て、佃の胸に嬉しさがこみ上げる。

佃「私が今日娘のことに喜びを感じたのは、この服のシワをどうやったらもっと簡単に伸ばせるか、ただそれだけを思ってアイロンを作り上げた技術者の思いがあったからだ。そういう技術者を守るためにこそ特許はあるべきだ。それに振り回されて金のことしか考えられなくなったら、そこに技術の進歩はありません。そんな特許ならない方がマシだ」

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この佃の熱意が、裁判の風向きを変えた。

裁判所は、佃製作所の主張するナカシマ工業の特許侵害はほぼ全面的に認められるとの心証を持ち、佃製作所の勝訴に等しい和解勧告がされた。そして佃製作所は和解金56億を獲得した。

一方、財前は焦りを募らせていた。佃製作所からバルブシステムの特許買い取りが失敗すれば、藤間社長が掲げる主要部品の完全自社開発「内製化」の意向に反することとなる。

財前は、このままではスターダスト計画そのものが破綻してしまうと、特許使用契約に応じることもやむを得ないと腹をくくる。

だが、佃が出した答えは、そのどちらでもなかった。

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3話:帝国重工の「スターダスト計画」へ部品供給なるか

ナカシマ工業との訴訟において事実上の勝利を手に入れ、多額の和解金も入り、そのうえ帝国重工に特許を譲ればさらに20億もの大金が入ってくるとあって、社内は大いに盛り上がるが、ひとり佃だけは別の可能性を探っていた。

そして特許売却か、使用契約かを帝国重工に返答する当日。いずれにしてもバルブシステムの使用権利を手に入れ、「スターダスト計画」の遅れを取り戻そうとしていた財前と富山だったが、佃は財前らが予想だにしなかった提案を示す。

佃は特許売却でも特許使用契約でもなく、部品供給を提案した。

主要部品の内製化にこだわる財前は難色を示すが、佃の特許がなければ藤間社長が掲げるスターダスト計画が頓挫してしまうのも事実だ。

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一方、佃製作所では部品供給にこだわる佃の方針に、若手社員の不満が表面化していた。

ノーリスクで多額の金を得られると思っていた江原や迫田、真野ら若手社員は、財前に示した佃の提案を聞くと一転、「自分の夢のために会社を私物化するな」と詰め寄る。

さらに、開発部のリーダーである山崎や、埜村(阿部進之介)らバルブシステムの開発チームの関係もギクシャクしてしまう。

財前はそれを理由に部品供給を断ることを目論み、佃製作所を訪れる。しかしそこで財前が目にしたのは丁寧で明るい社風、そして熟練工の手作業による限界まで精度にこだわった素晴らしい技術力だった。

それは財前が思い描いていた中小企業の姿とはおよそかけ離れたものであり、帝国重工の製造現場をも凌駕するものであった。 

それを目の当たりにした財前は、部品供給を社に持ち帰って検討する決意を固めた。 

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4話:真野の裏切り!製品テストの行方

ポスト財前の座を狙う富山の悪意に満ちた審査に、逆に結束した佃製作所の社員たちは 「佃品質 佃プライド」というスローガンを掲げて、堂々と帝国重工と渡り合い、ついに一次テストの合格を勝ち取った。

だがその矢先、佃の方針に反発する社員・真野が、製品テスト用の試作部品を不良品とすり替えて納品したことが発覚する。

万事休すと思われた時、財前が佃の前に現れた。

「全責任は私がとる」という財前の身を呈した決断によって再納品が認められ、無事製品テストに合格した。

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宇宙科学開発機構の要職に推薦してくれていた元同僚・三上(吉見一豊)に、佃は

佃「夢は研究所じゃなくても叶えられる。俺はうちの会社で社員たちと一緒に夢を追いかけてみる」

と断るのだった。

三上は7年という月日が、根っからの研究者だった佃を、佃製作所という社員200人の会社を経営する立派な経営者に変えたことを悟る。

いよいよ部品供給のための最終テストは、燃焼試験を残すのみとなった。

だが富山が水原本部長に20個の試作品の中に不用品を混入させてしまう管理体制のまずさを告げ、水原本部長はテストの打ち切りを宣言する。この決定ん対し、品質ではなく納入ミスを理由に部品供給を断れば、佃製作所側の態度を硬化させてしまうと食い下がる財前。

「巨額の金が入るビジネスチャンスを逃す企業などない」という富山に、財前は

財前「佃製作所を動かすのは金ではない。物を作るメーカーとしてのプライドだ」

と告げる。

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5話:藤間社長の選択、ロケット打ち上げへ

真野は退職届を提出し、佃製作所を去った。

一方、水原本部長は財前の進言を受け入れ、納入ミスには目をつぶり、燃焼試験の結果を踏まえて佃との交渉の仕方を決めることにした。

水原「もしテストをクリアしたとしても、部品供給にはもう1つ最大の壁が残されている」

最後の壁は藤間社長の説得だ。キーパーツの完全内製化を掲げる藤間社長が、佃製作所のバルブ供給を認めるかどうか。

そして迎えた燃焼試験当日。山崎や財前らとテストの行方を見守っていた佃だったが、エンジン点火後、30秒を経過した時、アラームが鳴り、ターボポンプの回転数が異常を示した。止むを得ずエンジンは緊急停止した。

実験の失敗の原因を、富山や近田(近藤公園)は佃製の調圧バルブが作動しなかったとして、バルブに問題があると結論付けるが、佃たちがいくら調べても問題は見つからない。

佃はバルブ以外の部品も佃製作所で検証させてほしいと頼む。財前はこれを了承したが、富山は3日で原因を見つけるようにと無茶な指示を出すのだった。

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佃たちは帝国重工に泊まり込み、不眠不休の検証作業を続けた。部品を一つ一つ分解しながら入念な検証を重ねたが、原因を特定できず、2日が経過した。

佃はバルブをワイヤーカッターで真っ二つにして欲しいと浅木(中村倫也)に頼む。

諦めかけたその時、佃はバルブに付いた、何かが擦れていった跡に気付く。調圧バルブに傷跡を残した物質は、配管も通ったはずだ。配管をファイバースコープで調べた佃は、二酸化ケイ素の粒子を発見する。

二酸化ケイ素の粒子が、佃製バルブの誤作動を引き起こしたのだ。発生場所は調圧バルブ上流フィルターだ。フィルターにも二酸化ケイ素が付着していることが確認できた。

フィルターの製造時に二酸化ケイ素が出ることがあり、粒子はその製造過程で付着した可能性が高い。高圧ヘリウムガスによって剥がされた二酸化ケイ素は、ガスと共に配管を通って調圧バルブに入り込む。バルブ表面についたキズはこれが原因だった。

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だが財前は、製品テストの段階では全く異常が出なかったのに、燃焼試験で異常が出たことを訝しむ。

フィルターの担当は近田だ。製品テストの時は佃製作所のフィルターを使っていた。だが燃焼試験では帝国重工のフィルターに交換したのだ。

財前は責任をなすりつけ合う富山と近田を厳しく叱責。

財前「これが我が帝国重工の技術か。恥を知れ」

5日後、再び燃焼試験が行われ、過去に例のない数値を叩き出し、佃製バルブシステムは見事合格した。

「ここからは私の仕事です」という財前に、佃は「何も心配していない。あなたを信じます」と社長の説得を託す。

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7年前打ち上げに失敗した大型ロケットに搭載された「セイレーン」というエンジンを作ったのが佃であったこと。
セイレーン失敗の原因は燃料系のトラブルだったが、根本的な問題はバルブシステムにあったことを佃はわかっていた。だからバルブに特化した研究開発を継続してきた。

自分の手がけた部品でロケットを飛ばすことこそ、佃の夢だ。研究所を追われ、中小企業の社長となってからも、佃はずっとその夢を持ち続けた。

藤間社長もそうだった。かつて技術者だった藤間社長が、さらなる宇宙航空ビジネスのさらなる理想実現のために経営者としての道を選んだ。そんな藤間社長なら、佃の思いが理解できるはずだと。

藤間社長「賭けてみるか。どん底から這い上がった男に」

財前の説得により、藤間社長は佃製バルブの搭載を決定した。

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半年後の10月15日。
ついに、スターダスト計画、佃製バルブシステムを搭載した初の純国産ロケットX-ⅡAの発射日を迎えた。

佃製作所の面々、そして藤間社長はじめ財前ら帝国重工が見守る中、X-ⅡAは打ち上げられた。

打ち上げ成功を目の当たりにした利菜は、佃に告げる。

利菜「パパ、私もロケット作りたい」

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6話:一村と桜田の思い、佃製作所ガウディ計画へ

歓喜に沸いたロケット打ち上げの成功から3年。佃製作所はその実績によって、大幅に業績を伸ばしてきた。

だがそんな佃たちの前に今また新たな難問が突きつけられようとしていた。帝国重工のロケットエンジン用のバルブシステムの採用は、次回からコンペで決定することになったのだ。

そのコンペに、NASA出身の椎名率いるサヤマ製作所が名乗りを上げた。しかも財前はスターダスト計画の成功以降、海外との取引拡大のため、日本にいられることが少ない。代わりに資材調達部長の石坂が担当責任者になるという。

バルブシステムの投資回収はまだまだだ。今帝国重工に見捨てられては、大赤字になりかねない。

一方、佃製作所は大手精密機器メーカー「日本クライン」から、特殊のバルブの試作品製造を受注した。アジア医科大学の貴船教授が開発を目指す人工心臓「コアハート」のキーパーツだ。

コアハートの取引をも佃製作所から横取りしようと画策する椎名。佃製作所の技術開発部員・中里淳をヘッドハンティングし、さらに山崎が個人的に設計した、改良型コアハート用バルブの設計図を盗み出させた。

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そんな折、佃は元社員の真野賢作から、北陸医科大学の一村教授と地元企業の経営者・桜田章を紹介され、心臓手術用の人工弁「ガウディ」の開発に協力してほしいと懇願される。

だが帝国重工との取引に暗雲が立ち込め、さらに日本クラインの一件で、医療機器開発に懐疑的な状況の佃製作所には、人工弁開発を引き受けるだけの余力はなかった。

真野賢作「ガウディは私の夢なんです。お願いします、社長」

福井にある桜田の会社を見学した佃たちは、桜田が心臓病で亡くなった娘への贖罪の気持ちから人工弁開発に打ち込んでいることを知る。

桜田の思いに胸を打たれ、佃は新型人工弁開発「ガウディ計画」への参加を決意した。

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7話:椎名の妨害、奪い取られたコアハート

心臓手術用の新型人工弁開発プロジェクト「ガウディ計画」に参加することになった佃製作所は、一村教授、真野、桜田と共に本格的に開発を開始した。

だが佃製作所をライバル視するサヤマ製作所の椎名が、医学界に権威を持つ貴船教授らと結託し、ガウディ計画の横取りを画策して来た。

さらに椎名は帝国重工の石坂と富山に取り入り、佃製作所の収益の柱であるロケットエンジン用バルブの受注までも奪い取ろうと根回しをしていた。

椎名「コアハートもガウディも、ロケットエンジンバルブも、全て手に入れる」

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佃製作所では人工弁の開発に行き詰まった立花とアキ、鈴木が、実際の医療の現場に立ち寄った。そこで命の尊厳とそれを守るために自分たちが戦っていることを再確認し、気持ちも新たに人工弁ガウディの開発に挑むことを決意した。

しかし桜田は佃に、このままガウディ計画に進展がなければ、親会社からの資金援助を打ち切られることを伝えた。

そして2回目のPMEAの事前面談でも、また貴船教授の息のかかった審査官・滝川から、大企業の支援なくして医療機器開発はできないと突き放されてしまう。

佃「私たちは諦めません。このガウディを完成できるのは、私たちしかいないんだ」

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8話:コアハートの臨床治験で死亡事故発生

佃はガウディ計画を前に進めるため、財前に開発中のロケットエンジン用シュレッダーシステムの共同開発を提案した。その交換条件として、帝国重工のガウディ計画への支援を要求したのだ。

財前は上層部を説得。だがガウディへの支援を実現するには、サヤマ製作所とのコンペに勝ち、 佃製の新型バルブが採用されることが絶対条件だ。

その一週間後、佃製作所のバルブはサヤマ製作所よりも高評価で燃焼試験を合格した。

だがサヤマ製バルブは、帝国重工との共同開発を前提としており、キーデバイスの完全内製化という悲願達成を目前にして、それでもなお他社のバルブを採用するなど、会社への背任行為にも値すると、財前は非難をあびる。

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そして水原本部長の決断により、ついにサヤマ製バルブの採用が決定した。

不採用の連絡を受け、落胆する佃と社員たち。佃製作所にとって、ロケットエンジンのバルブ供給がいかに大きな柱であったかを、佃は改めて思い知る。

一方、貴船教授にとって念願である、世界最小・最軽量の 人工心臓「コアハート」の臨床治験が開始された。

全て順調に事が進んでいると思っていた矢先、コアハートの被験者である小西悟(児島功一)が死亡するという、とんでもない事態が起きた。

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9話:貴船教授・椎名VS医療ジャーナリスト咲間

貴船教授が手を回し、死因は患者・小西悟の重篤な心不全によるもので、当直の研修医・葛西による心臓マッサージによって人工心臓コアハートの一部が破損するという初期対応の誤りはあったが、それが直接的な原因ではないと結論付けられてしまう。

患者の死は事故死ではなく病死として片付け、コアハートとは一切無関係とする貴船教授。

一方、ロケット品質という肩書きをなくした佃製作所は、次々と取引先から契約を打ち切られてしまう。それもまた椎名が強引に手を回していた。

財前は今回のバルブ採用の決定に対する異議申し立てを、藤間社長に直談判した。

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臨床治験で患者が死亡した事態に、山崎はサヤマの見落としによるコアハートの不具合を疑う。もしコアハートの製造に問題が残ったままだとすれば、また新たな犠牲者が出る。

一方佐山製作所でも担当を外された横田が、月島が品質の安定しないものを日本クラインに納品したのではないかと疑っていた。

患者を担当していた巻田も同様だった。貴船教授はそんな巻田を高知の系列病院へ左遷しようとする。

フリージャーナリストの咲間倫子が佃の元を訪ねて来る。コアハートに欠陥がなかったか、佃の意見が聞きたいというのだ。

ガウディの開発を担う立場から、医療訴訟に巻き込まれることに殿村は懸念を示す。

咲間は5年前、夫を医療事故で亡くしたことから医療事故関係の取材を続けていた。そんな咲間に心打たれた佃は、協力を了承する。

咲間が持参した設計図のコピーを検討すると、山崎が設計したものと数値が完全に一致した。

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一方、中里は椎名からバルブの改良を急がされていた。

椎名のアドバイスで、貴船教授は巻田の左遷を取り消すことにした。左遷がなくなった巻田は、咲間にこれ以上の協力はできないと告げる。

佃製作所のガウディ支援企業探しは難航していた。

貴船教授の圧力により、また論文掲載が認められず、追い詰められた一村は、貴船教授にガウディの共同開発を頼むことを決意する。人工弁を待っている子供たちのために、一日でも早く実用化したいと訴えるが、貴船教授にはねつけられてしまう。

そんな中、ついに立花たちは人工弁耐久試験に成功した。

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そして迎えたPMEA第3回面談。
ガウディの試作品を見ることすらなく、滝川は面談を打ち切ろうとする。だが、立花が立ち上がった。

佃「滝川さんはさっき今日何のためにここに来たのかとおっしゃいましたよね。そんなの決まってるじゃないですか。今日私たちがここに来た理由はたった一つ。病気で苦しむ子供たちの命を救うためです。そのガウディはそういう思いを叶えようと、必死になって挑戦した彼らの努力の証であり、我々の技術の結晶なんだ。目をそらさず、しっかりと見てください」

立花と佃の訴え、そしてロケットエンジンのパーツと同じ素材でできたガウディに、審査官たちは興味を示し始める。

なおも強引に面談を終わらせようとする滝川に、佃は咲間から渡された貴船教授と通じている証拠の写真と音声を提示。審査担当官のリーダーである山野辺敏(大鷹明良)は滝川にこの場から出ていくよう命じた。

そして山野辺は、製造販売業の認可を持つ企業の支援を見つけることを条件に、大型動物への実験段階を進めることを助言する。

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その後佃は、滝川がPMEAの審査官を降ろされたことを咲間から聞かされる。

コアハートを設計図の通り作っていれば、動作不良など起こすはずがないという山崎。完成していないとすれば、臨床で使われたコアハートは何なのか?サヤマ製作所ができてないものをできているように見せかけた可能性がある。だから死亡事故が起こった。

佃は直接椎名と対峙し、コアハートについて詰問する。

佃「目先の利益に流されて不完全な物を隠して世に出し、その結果患者を死なせてしまったんだとしたら、それは不運な事故などではなく、必然だ。そういう意味で言えば、あんたの方が人殺しなんじゃないのか」

これ以上証拠もなく邪魔をするなら法的手段に訴えるという椎名に対し、佃はこれまでの椎名の仕事ぶりを調べ上げ、丸裸にしてやると宣言。

佃「隠せるものなら隠してみろ。いくら取り繕っても、技術はウソをつかない」

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最終話(10話):サヤマ製作所のデータ偽装発覚、ガウディの完成

佃は山崎と共に、設計図を盗んだ中里に会いに向かった。

佃「お前は今、技術者として胸を張ってられるか?間もなく臨床治験が再開される。また人が死ぬぞ」

コアハートのバルブの実験データは完璧に近い数値が並んでいた。きれいにそろい過ぎている数値に、佃はデータ偽装を疑い始める。

一方、データ流出に対し、日本クラインはリーク元を突き止めるよう椎名に詰め寄る。

実は、リーク元は横田だった。横田は、自分がやった時は1000個に1個程度の割合で不良品が出てしまっていたものを、月島があそこまで精度を高められるはずがないと踏んでいた。

今中里が開発しているバルブは、180日ではなく本当は90日の動作保証でよく、出来次第現行バルブとすげ替えてデータ偽装を最初からなかったことにしようとしているのだ。

つまり、臨床治験に使われたバルブは、90日の動作保証すらなされていなかった。

横田「俺はここ辞めるよ。もしデータ偽装が俺の思い過ごしなら俺は会社を裏切ったことになるし、もし事実ならこの会社はクソ以下だ」

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佃製作所では検証を進め、サヤマのデータがおかしいことはわかったが、偽装だとは言い切れず、確証は得られない。高速耐久実験装置があれば実証は可能だ。佃は財前に頼み、高速耐久実験装置による検証を依頼する。

石坂が椎名から金を受け取っているのを見た富山も、一度は断った検証に協力することに。

検証の結果、やはりデータは偽装だった。財前はこのことを上層部に報告し、水原本部長ら全員を敵に回すことを決意。

咲間が週明けの週刊ポストに特集記事をスクープすれば、世論が動き、厚労省はじめ各医療機関もコアハートを問題視するはずだ。

だが椎名個人は、知らないとシラを切られれば終わりだ。椎名自身が関わっている決定的な証拠がなければ。

佃の動きを知った椎名は、月島にハードディスクごとデータを処分することを命じた。

椎名はかつてサヤマ製作所の経営者だった父親のことを思い出していた。

17年前、椎名の父親・椎名直久(吉田類)は「トップクラスでは意味がない。やるからにはトップを目指せ」という信念の持ち主で、サヤマを日本のトップに立つ企業にすることが目標だった。しかしその後業績が悪化し、債権回収のために大企業に特許も機材も根こそぎ奪われ、命を落としていた。

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コアハートの記事掲載前に、サヤマ製作所とアジア医大が原告となり、週刊ポストとフリーの咲間、そして佃製作所を相手に信用毀損と業務妨害で訴えてきた。損害賠償額は10億。

佃製作所に与える影響、さらには厚労省ともやり合うことを懸念し、週刊ポストの編集長は記事の掲載を見送る判断をした。

佃が椎名に抗議に向かおうとした矢先、中里が佃製作所を訪ねて来た。データ偽装の隠蔽のためにバルブを作らされていたことを知った中里は、山崎の設計図を盗んだことを告白した。

そして佃は週刊ポスト編集部を訪れ、自分たちのことは気にせず、記事を掲載してくれるよう伝えた。

一方、帝国重工の第4次スターダスト計画最終連絡会議で、財前は藤間社長に直談判した。財前は明日発売の週刊ポストのゲラを社長に見せ、既に納品されたロケットバルブにもデータ偽装を疑わざるを得ず、開発グループとしては従来通り佃製バルブの搭載を目指したいと訴えた。

さらに、富山から得た石坂が椎名から多額のリベートを受け取っていたことを告発した。

これに対し、藤間社長はサヤマ製作所との共同開発を始め全ての取引を即刻凍結することを決断する。そしてその場で、佃製作所のバルブシステムを採用することを決定。石坂を

藤間社長「ロケットを舐めるな」

と厳しく叱責した。

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佃は椎名を訪ねた。自分の私利私欲のために、中里を利用し、巻き込んだことに憤慨する佃。

椎名「この首、取れるものなら取ってみなさいよ」

そんな椎名に、佃は決定的な証拠として、データ偽装が椎名の指示だったという月島の証言の録音を提示する。中里が月島を「技術者としてのプライドを取り戻しましょうよ」と説得したのだ。

この録音は週刊ポストの発売と当時に警察に提出される。椎名はもう終わりだ。

父親のような負け犬には絶対にならないという椎名に、佃は父親が特許を取得した高効率タービンが、次のロケットのターボポンプパーツのキーパーツとして採用されることが決定したことを伝える。

佃「技術者は嘘をつかない。勝つべくして勝つなんてことはありえない。勝つか負けるか、ギリギリの所にしか、本当の勝負はない。もし俺たちに勝ちたいなら、つまらない小細工などせずに正々堂々と技術力だけでぶつかってこい!それができないなら、二度と技術者を名乗るな!」

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翌日、咲間の告発記事が掲載された週刊ポストが発売され、またたく間に世間の注目を集めた。日本クラインとサヤマ製作所には連日報道陣が詰め掛け、ついにアジア医科大学にも捜査のメスが入った。

数日後、ついに椎名は業務上過失致死の容疑で逮捕された。

日本クラインはコアハートの医療事故に対する弁護を中川に依頼するも、佃製作所が関わっていると知ると「二度とあそことは関わりたくないんでね」と依頼を断られる。

追い詰められた日本クラインは、再び中里が盗んだ設計図でのコアハートのバルブの製造を佃製作所に依頼する。

だがそのバルブの構造は、3年前に認可されたバタフライバルブの基本特許を侵害しており、佃製作所は日本クラインに特許の実施も認めていない。よって、既に試作品が製造されているという事実に対し、神谷は佃製作所の代理人として即座に製造中止を求めた。

佃「あなたたちのような人間に、人の命に関わる技術を扱う資格などない!」

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財前の取り計らいにより、帝国重工のガウディ計画への支援も取締役会議で正式に決定した。

佃「ロケットでは自分の夢を叶えることができました。だからガウディでは、誰かの夢を応援したい。あの人工弁にはそれだけの力があるんです」

そしていよいよ血栓発生テストの段階を迎えた。血栓発生率は驚異的な数値を叩き出し、ついにガウディは完成した。

その1か月後、初の臨床治験が行われた。臨床治験患者には、最もガウディを必要としていた中島聖人(庵原匠悟)が選ばれ、手術は無事成功した。その後もガウディの臨床治験は順調に重ねられていった。

3年後。
種子島宇宙センターから、ロケットが打ち上げられた。

そこへ出所した椎名が、自らが開発した調圧信頼性、耐久性共に30%を上回る新型バルブを手に現れた。このバルブで今度こそ勝つと宣言する椎名。

佃「望むところだ。受けて立つ!」

最新作『ゴースト』ネタバレは⇒【下町ロケット】ゴーストのネタバレと最終回結末 佃製作所VSギアゴースト!?

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『下町ロケット』原作小説

池井戸潤の原作小説『下町ロケット』は現在4作発売されています。

前作の原作となったのがシリーズ1作目と2作目『ガウディ計画』。

シーズン2の原作となるのが『ゴースト』です。

最新作『ヤタガラス』が2018年9月28日に発売されました。

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『下町ロケット』感想

1話

主役の阿部寛を筆頭に、うっとうしいくらいに暑っ苦しく涙もろい、激情型の面々。
青臭いと言われようと理想論と叩かれようと、愚直に、ただひたすら夢を追う男たちの姿は、やはりカッコいいです。
現実はこうも上手くいくはずがないとわかっていても、それでも夢を見てしまう。そういう作品です。

相変わらずカット割りやら構成は『半沢直樹』まんまで、も~いつまでこれやるんだよと思いつつも、つい引き込まれます。

あともうほんと、サントラがムチャクチャかっこいいです・・・!!
何この曲の奥行き・・・!!

5話

キャストで穴があるとすれば土屋太鳳ですね。
なぜにこんなブリブリブリブリ・・・。
親の前でブリッ子する子供っていないと思うんですが・・・。イライラするわあ・・・。

佃「勝ち負けはもういいんじゃないかな」

刺さりました。

藤間社長が上着を脱いだ・・・!!!
戦争だ、てめえら・・・!

会議で泣くなよ、財前・・・!!!

社長もびっくりだよ。

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10話

相変わらず藤間社長の迫力が凄まじいです。
社長が出てくるだけでキュッと画面が締まりますね。

財前、もはや武士だな・・・。

吉川晃司、やっぱりカッコいいなあ。
独特の雰囲気を持つ、稀有な人材ですね。

一村「神様仏様どうか」

医者が神や仏に祈らないでほしい。
医者が医者の腕で助けてくれないなら、患者はどうしたらいいんだ・・・。

あと手術室でこの人たち超うるさい(笑)

椎名のバルブだけ金ピカ・・・!!