【絶対零度3】最終回ネタバレ結末 誘拐ビジネスの黒幕と犯人の正体、上戸彩のターゲットは

沢村一樹&横山裕のドラマ『絶対零度』シーズン3のネタバレあらすじと感想についてまとめています。
未然犯罪捜査班通称「ミハン」に異動となった元特殊捜査班の山内。かつてのバディ、上戸彩演じる桜木泉は失踪後、ベトナムで死亡したことになっていたが、実は生きていた!?桜木泉はなぜ井沢を追っていたのか。そして誘拐ビジネスの真の黒幕の正体、犯人は誰なのか?井沢が宇佐美を射殺した事件の真相とは・・・。
事件のトリックと犯人を最終回ラスト結末までネタバレしていきますので、結末を知りたくない方はご注意ください。

登場人物&キャスト(俳優)

未然犯罪捜査班(ミハン)

■ 井沢 範人(沢村一樹)
ミハン捜査員のリーダーで警部補。元公安のエリートだったが、とある事件をきっかけに公安から総務部資料課に転属した。
  
■ 山内 徹(横山裕)
巡査部長。元特殊捜査班で、1年前に極秘任務中に失踪した桜木泉の捜査をうやむやにしようとする警察組織への不信感から上司と衝突し、資料課に異動。
  
■ 小田切 唯(本田翼)
巡査部長。元生活安全課の婦警。痴漢して逃走する容疑者を必要以上に暴行し、資料課に異動となった。
  
■ 南 彦太郎(柄本時生)
巡査長。入庁以来ずっと資料課。
  
■ 田村 薫(平田満)
巡査部長。「すみません」が口癖で挙動不審のせいで周囲から煙たがられ、各部署をたらい回しにされていた。
  
■ 東堂 定春(伊藤淳史)
刑事企画課特別捜査官。警部。最短で出世コースを歩む、警視庁キャリア。“ミハンシステム”を公に認めさせ、法制化させることを目的としている。首の傷は・・・?

■ 町田博隆(中村育二)
警察庁次長。東堂の上司で、未然犯罪捜査班を任せている。

■ 宇佐美 陽介(奥野瑛太)
組織を壊滅に追い込まれた報復に、井沢の妻と娘を殺した犯人。

捜査一課
■ 早川 誠二(マギー)
警部補。
  
■ 板倉 麻衣(田中道子)
巡査長。

過去シリーズからのゲストキャスト

■ 桜木 泉(上戸彩)
「特殊犯罪捜査対策室」設立から7年、山内とバディを組み、さまざまな事件を解決に導いてきたが、1年半前に極秘任務につき、その捜査中に突如失踪。以来一切の連絡がつかなくなっている。

■ 長嶋秀夫(北大路欣也)
「特殊犯罪捜査対策室」室長。桜井泉を特命捜査対策室に配属させた。

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『絶対零度』シーズン3のネタバレ・あらすじをラスト結末まで

1話:ミハンシステム始動

公安外事第二課のエリート刑事だった井沢範人は、ある事件がきっかけで総務部資料課分室への異動を命じられる。

銃を手にビルの屋上で犯人の男と対峙する井沢。男は手配中の宇佐美陽介だ。

宇佐美は両手を挙げ、銃をおろしたにもかかわらず、井沢は発泡。宇佐美の左肩と右足を撃ち抜いてしまう。さらに、宇佐美の口内に銃口を突き付ける井沢。

34番として収監されていた井沢の元へ、刑事企画課の東堂が訪ねて来た。公安外事第二課の警部補だった井沢に、やってもらいたいことがあるという。

一方、

桜木泉「やらなきゃいけないことがある」

と相棒の山内に告げ、特殊班を離れた桜木泉は、その後姿を消していた。

2018年。

山内は、資料課分室に異動になった。

メンバーは、リーダーの井沢を筆頭に、痴漢容疑者への必要以上の暴行で異動させられた小田切唯、入庁以来ずっと資料課にいる人づき合いが苦手な南彦太郎、さまざまな部署をたらい回しにされてきた田村薫と、警察内のトラブルメーカーばかりだ。

だが、資料課分室とは表向きで、実は裏で、東堂が中心となって秘密裏に進められてきたある重要プロジェクトを託されていた。

日本国民の様々な個人情報、経歴や職業、金融機関の出入金記録、通信履歴、位置情報、ライフスタイルなど、ありとあらゆる情報が集約されたビッグデータを基に、過去15年分の様々な犯罪履歴を照らし合わせ、AIが統計学的に近い将来犯罪を犯す人物を割り出す未然犯罪捜査、通称“ミハン”システムの実用化プロジェクトだ。

アメリカ、ロシア、イギリス、中国と世界の主要国で独自の犯罪予測システムが導入される中、東堂は日本でもこのミハンシステムの数年後の実用化を目指していた。

しかも現時点では違法捜査となるため、警察内部でもごく限られた人間しか知らない。

さらに、ミハンシステムの犯罪予測は100%ではなく、確率はおよそ90%という大きな問題も残っていた。

だがミハンシステムが実用化されれば、まだ失われていない命を救うことができると、東堂はプロジェクトを強行に推し進めるが、山内は冤罪を生み出す可能性もあるミハンシステムに対して疑念を隠せない。

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捜査は既にテスト段階に入り、現在テストケースNo.4が進行中だ。

一週間前にミハンが割り出した危険人物は、国会議員の高山啓子(谷川清美)

公共事業の不正入札の片棒をいくつも担ぎ、私腹を肥やしていた高山を特捜が本格的にマークし始めたため、「秘書がやりました」と秘書を自殺に見せかけて殺すよう、高山は殺し屋に依頼していた。

井沢が秘書と入れ替わり、秘書を殺そうとした殺し屋を確保。殺人を未然に防ぎ、高山議員も殺人教唆で逮捕された。

犯行動機、証拠を捜査員が探り当て、高山啓子の犯罪を未然に防いだと東堂は言うが・・・。

山内は、バディを組んでいた桜木泉の失踪事件がきっかけで特殊捜査班が解散になった後も、独自に彼女の行方を追い続けていた。

だが、やがて捜査は行き詰まり、その無力感と警察組織への不信感から上司を殴ってしまい、資料課分室への異動を命じられていた。

警察に不信感があるのになぜ辞めなかったのか、井沢に尋ねられた山内は、

井沢「厄介だよね。警察組織を信用していないのにくすぶっている正義感があるっていうのは」

山内「捨て駒。公にはできない捜査で、あなたたちの身に何かが起きても警察は助けてくれない。切り捨てられて終わりだ。そのことを理解してるんですか?」

と吐き捨てる。

そんな中、ミハンシステムがテストケースNo.5の危険人物を割り出した。

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株式会社リッチ・ウエストの経営者の1人、富樫伸生(武井壮)

リッチ・ウエストは表向きはクラブ経営だが、裏で出会い系風俗、海外配信のアダルトサイトやグレーゾーンのビジネスを手掛けていた。

富樫はネットの闇市場「ダークウェブ」でサイレント銃を購入し、奥多摩の山奥に1人で出掛ける様子が防犯カメラに探知されていた。

さらに、富樫には会社とは別の収入源があった。

殺した後失踪に見せかけて山の中に埋める気だと井沢は推測するが、誰を殺すかも探知できない、殺人犯と決めつけた完全な見込み捜査に山内は抵抗を示す。

富樫が狙っているのは共同経営者の西田(米村亮太朗)ではないかとにらみ、山内がクラブにバーテンとして潜入した。

井沢たちはリッチ・ウエストのオフィスで、ルミノール反応を検出する。

だが殺されたのは富樫だった。なぜ加害者が被害者になったのか?

追跡を続けていると、西田が2人の男を拉致。

拉致したのは、総合商社の須藤修一と貴金属店の経営者・前川健司(山本浩司)

西田は富樫が持ち出した会社の金5千万の行方を追っていた。

そして、富樫と高校の同級生だった須藤(成河)と前川が、富樫と何かビジネスをしていたのではと、2人を暴行する。

一方、南がスマホのGPSを調べたところ、富樫を殺したのは西田ではなく須藤だったことが判明する。

直後、奥多摩の山中から富樫の遺体が発見された。富樫の遺体を匿名で通報したのは山内だ。

これ以上須藤を泳がすべきではなく、後は一課が担当すべきだとする山内に対し、東堂は捜査の続行を命じる。

小田切が会社に潜入して入手した須藤の手帳から、須藤が月に一度香港と韓国に渡航していたことがわかった。

須藤は会社の横領した投資で失敗、裏ビジネスで5千万補填したが、まだ5千万残っていた。

上半期の決算までにどうにかしないと会社にバレてしまう。

追い詰められた須藤は前川の店を訪れ、ある計画を話す。実は、須藤と前川は金塊の密輸ビジネスをしていた。

まず、税金のかからない香港で大量の金塊を買い付け、韓国へ向かう。

そして韓国では入国せず、乗り換えエリアで運び役たちにその金塊を渡して、彼らを日本へ入国させる。

本来払うべき税金を密輸することで逃れ、その金塊を再び香港へ運ぶ。輸出する時には税金が還付されるため、繰り返せば永遠に金が稼げるカラクリだ。

そしてミハンが新たな危険人物を弾き出した。須藤だ。

須藤は運び役として多重債務者を使っており、そのリストを購入した業者は富樫の息がかかっていた。金塊ビジネスをめぐり、富樫と揉めた須藤。

最初に危険人物だった富樫は、須藤を殺そうとした。ところが須藤は身を守ろうとして図らずも富樫を殺してしまった。

つまり、正当防衛だったのだ。だがそのことを警察に言えば金塊密輸の件がバレてしまう。

富樫の遺体が上がったことで警察が動き始めた。しかも西田も会社を訪ねて来て圧力を掛けてきている。追い詰められた須藤は、これから人を殺そうとしている。

井沢「引き金を引いたのは、君だ」

ミハンの捜査は、捜査員の動き方一つで新たな事件を生んでしまうこともある。そのことを東堂から諭された山内。

7月9日。須藤が香港で買い付けた1億円分の金塊約20kgを密輸する計画が判明。須藤のターゲットは西田で、密輸を成功させた後殺すと見た井沢に、山内は金塊を回収するところを現行犯で押さえることを提案。成田空港で須藤を張ることにした。

飛ばしの携帯にレンタカーまで準備し、須藤は成田に現れた。さらに、時同じくして西田も成田へ向かっていた。

井沢は金塊の回収ポイントで須藤を抑えようとするも、現れた運び役の人数が足りない。さらに、スーツケースに発信機をつけようとした田村が須藤に拳銃で殴られてしまう。

すると、須藤から金塊を強奪すると思われた西田が、普通に金塊を回収し始める。

実は須藤は西田と裏で繋がり、手を結んでいたのだ。

富樫が会社から持ち出した5千万を、金塊という形で富樫に返す算段だった。密輸の売利ざやで色を付けて。

須藤が殺そうとしていたのは西田ではなく前川だった。須藤は前川が出資した金塊を奪い、口を封じようとしていた。高校時代バッテリーを組んでいた長年の親友を射殺しようとする須藤を、井沢と山内が間一髪、止めに入った。

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2話:桜木泉ベトナムで死亡の謎、料理人の隠された過去

失踪していた桜木泉がベトナムで殺害され、遺体となって発見された。

桜木泉はベトナムで「イザワノリト」という人物を追っていた。男

たちに追い詰められ、殴られて気絶した桜木。次に気がつくと、椅子に拘束されていた。

部屋の外に出ると、既に建物全体に火の手が回っていた。

東堂は、元バディの死に山内が受けたであろうショックを憂慮して、しばらく捜査から外そうとする。だが山内は休もうとはしなかった。

次にミハンが割り出した新たな危険人物は、独身で身よりもいない料理人の藤井早紀(黒谷友香)

早紀は、有名創作料理店の総料理長であると同時に、13年前から子どもたちに無料で食事を提供する「こども食堂」の運営にも取り組んでいた。

ミハンが早紀を危険人物だと判断したのは、植物から抽出した毒物を個人的なルートで海外から仕入れていたからだ。

早紀が入手したのは、西アフリカにあるメイアンディアの種子から採取した毒物の「リシン」。

サリンよりも強い猛毒で、成人男性を殺すには2mgもあればいい。

料理人の早紀は、料理を使って誰かを毒殺しようとしていた。しかも早紀は既に遺言状を作成していた。独身で家族がおらず、身よりもいない。つまり、早紀は死を覚悟していると考えられる。

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小田切は料理人志望者として、早紀に接近。早紀が経営する店「八節」に潜り込んだ。

一方、井沢も、早紀が運営するこども食堂のスタッフとして潜入する。

ほどなくして井沢たちは、早紀が世間を震撼させた少年犯罪、2010年に起きた関東女子高生連続殺人事件について調べていたことを知る。

犯人は15歳の少年で、暴行した後、父親の猟銃を使って殺害。現場付近の養殖場に遺体を沈めるという残忍な手口で3件もの犯行を重ねていた。

当時一部のメディアが犯人を実名で報道。名前は津田佳祐、現在23歳。わずか8年で少年刑務所を出所しており、そのことを報じた週刊誌を早紀は所持していた。

写真に写り込んでいる建物から、早紀は津田の居場所を知った可能性が高い。

3件目の被害者である元宮七海は、キッズカフェに早紀と一緒に写った写真が飾られていた。

元宮七海は山岳部の合宿で深美山に行った際、山菜を集めようと一人で行動し、事件に巻き込まれていた。井沢は早紀と元宮七海の接点を洗うことにする。

元宮七海は母親を亡くした小学校5年生の頃からキッズ食堂に通っていた。

少しずつ早紀に心を開いていった彼女は、早紀と同じく料理人を志すようになった。

そして、高校に入ると花屋でアルバイトをしながら、スタッフとして食堂を手伝うようになっていた。

早紀が料理を教え始めて、元宮七海は山菜を集めるのが好きになっていた。

早紀は元宮七海が死んだのは自分のせいだと悔やむ。

探偵事務所に依頼し、津田の居場所を突き止めた早紀は津田に会いに行き、ナイフを突きつけ、元宮七海を本当に殺したのかどうか尋ねる。

津田は2件しかやっていないと言うのだ。

元宮七海は早紀が19歳の時に産んだ、実の娘だったことが判明する。

早紀は料理人の修業時代、大企業の御曹司と付き合っていた。

そして妊娠するが、18週目に入った頃突然弁護士が現れ、認知されないと知る。

子供を捨て料理の道を選ぶことにした早紀は、出産した娘を特別養子縁組をする施設に引き渡していた。

母とは決して名乗れずとも、5年間娘の成長に触れてきた早紀は、あまりに理不尽に殺された娘の復讐をしようとしていた。

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3話:井沢と桜木泉の隠された関係、東堂の過去

山内は井沢に桜木泉について何か知っているのではないかと疑い、井沢を屋上に呼び出した。

桜木の手帳にあった「イザワノリト」とは、井沢のことだったのだ。

さらに桜木は、1年前に井沢の妻と娘を殺した宇佐美洋介を追っていた。

奇しくも妻と娘が殺されたその日は井沢の誕生日だった。井沢が自宅に駆け付けると、無残な姿になった2人が横たわっていた。

井沢ははぐらかすが・・・。

そんな中、「ミハン」システムが新たな危険人物を割り出した。

対象は若槻真帆(柴田杏花)。真帆はエリート大学として知られる私立栄明大学の学生だったが、1年前、大学近くの雑居ビルから飛び降り自殺を図り、現在も意識不明のまま入院中だった。

その間、真帆の通信記録や銀行口座の出入金記録など個人データに動きはなかった。

だが、先週になって真帆のスマートフォンから彼女が所属していたテニスサークルのSNSグループに「復讐してやる」というメッセージが送られたという。

しかも、同じスマートフォンから大量の医療用ニトログリセリンが購入されていた。

犯人はニトロを使って爆弾を作っている可能性がある。

だが昏睡状態の真帆にはメッセージを送ることもニトロを買うこともできない。

井沢は、真犯人が真帆に成りすまして自殺の復讐をしようとしているのではと推測。小田切と田村を入院先の病院へ潜入させた。

そこで小田切は、真帆の父親で、プラスチック製品専門の町工場を経営する周作(遠山俊也)に接触する。

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一方、山内は大手企業の御曹司で、テニスサークルの代表を務める湯川司(佐野岳)が学生起業したカフェバーを訪れる。

その店は、サークルメンバーのたまり場で、自殺未遂騒動の後、周作も訪れていた。

真帆がなぜ1年前に自殺未遂したのか。そこに今回の危険人物を見つける鍵がある。

高校時代に暴行された経験のある小田切は、過去のトラウマからこの事件にのめりこんで行く。山内やミハンメンバーはそれを心配していた。

真相を探るため、小田切は湯川のカフェバーにアルバイトとして潜り込む。

そこで、阿部(落合モトキ)という男の存在が判明する。

阿部は真帆の自殺未遂の後急に大学に来なくなり、サークルにも顔を出さなくなったという。

サークルのメンバーたちは、あの脅迫メールは阿部に宛てたものではないかとウワサしていた。

真帆が飛び降りる前の数日間、阿部は真帆の携帯に何度も電話をかけていた。

さらに飛び降りる前日、父親は娘が家の表で阿部と揉めているのを目撃していた。

山内は阿部に接触し、真帆の容態が悪化していることを告げるが、阿部は何も語らない。

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そんな中、小田切は湯川に料理に薬を盛られ、暴行されかけてしまう。

間一髪、山内が助け事なきを得るが、そこから湯川は過去に数研強姦の被害届が出されていたことが判明する。

しかし父親が雇った弁護士が示談に持ち込み、被害届はすぐに取り下げられていた。

さらにずっと引きこもっていた阿部が、真帆の病室を訪れていたことが監視カメラの映像からわかった。

阿部は「あの日守れなくてごめん」と真帆に泣きながら謝り、湯川が許せないと告げる。

真帆の自殺未遂の原因は、湯川に暴行されたからだった。

小田切は湯川の店を訪れ、湯川に自主するよう告げる。

だが直後、小田切は何者かによって背後から殴られ、意識を失ってしまう。気づけば湯川と共に縛られ、爆弾が仕掛けられていた。

一方、自分が持って行った見舞いの花がゴミ箱に捨てられていたことから、井沢は脅迫メールの意図に気づく。

危険人物は真帆を自殺に追い込んだ人間が誰かは知らなかった。

だからその人間を特定するために、サークルのメンバー全員に復讐してやるというメッセージを送ったのだ。

そしてその罠にかかったのが湯川だった。

湯川が病院を訪れたのは真帆の容態を心配したからではなく、彼女が本当に昏睡状態から目覚めたのか確かめるためだった。

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真帆の病室に飾られていたひまわりの花言葉は「私はあなただけを見つめる」「崇拝」。

いつも真帆のそばにいて、執拗な愛を注ぐ人間。犯人はリハビリ担当の大谷(前原滉)だった。

大谷は昏睡状態の真帆に一方的に思いを寄せ、湯川に復讐し、さらには真帆まで手にかけようとしていた。

爆弾が爆発する2秒前に爆発物処理班にいたことのある田村が爆弾の解除に成功。

真帆を殺そうとした大谷を井沢が取り押さえ、事件は解決した。

しかし、小田切は湯川を助けたことが警察官として正しかったとしても、人として正しかったのかどうか悩んでいた。

今回の小田切を見て、井沢はミハンには過去に犯罪に巻き込まれ、強い憎しみを持つが者たちが集められたと確信する。

そして、それこそが東堂の狙いだったと。

25年前に練馬台で起きた無差別殺傷事件。東堂の首の傷は、その事件のものだった。

一方、真帆が亡くなった。被害届けが出されていないため、捜査一課も湯川を釈放せざるを得ない。しかし帰宅途中、湯川は何者かに銃殺された。

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4話:銀行強盗発生、井沢は危険人物か否か

井沢たちは「ミハン」がリストアップした危険人物・佐伯卓郎(小野了)の捜査を始めていた。

佐伯はわかば銀行勤続36年。

20年前に妻に妻に先立たれてからはアパートでひとり暮らしをしており、毎朝決まった電車で出勤し、定時に真っ直ぐ家に帰る、殺人とは無縁そうな真面目な男だ。

だがこの1年の間に多額の出金記録があり、預金残高はわずか。また前夜は、仕事終わりに西麻布の会員制バーに立ち寄っていた。

小田切は行員としてわかば銀行に潜入。そこに、客を装って田村もやって来た。

その際、意外な事実が判明。なんと佐伯は、田村の小学校時代の同級生だった。

そのとき、行内に銃声が鳴り響き、2人組の強盗が現れる。

防犯カメラや通報ボタンの位置を熟知し、テキパキと金を詰め込んでいく強盗たち。

しかし、ほどなく警察が駆け付けた。外の車で待機していた共犯者が逃走。強盗犯は、小田切らを人質に行内に立てこもる。

山内や南が予期せぬ事態に緊迫する中、監視カメラで佐伯の動きを注視していた井沢は、彼が強盗犯とアイコンタクトをとっていたことに気づく。

佐伯は強盗が入ることを知っていたのだ。

危険人物である佐伯が、もし強盗を手引きしているとしたら、彼は一体何をしようとしているのか。

山内は、犯行グループの情報を捜査一課に渡すよう進言。しかし、東堂はこれを拒否した。

犯人の手にあったタトゥーから、3人組の正体は立石悠馬日浦毅新井大雅であることが判明。

佐伯の自宅に向かった山内は、机の引き出しから闇金の返済証明書を見つける。

だが、借主は佐伯ではなく立石だった。

一方、銀行内のロッカールームに潜んでいた田村は、佐伯に見つかるも、昔の思い出話に花を咲かせる。

田村はもう一人の幼馴染、岡本修二のこと思い出すが、岡本は10年前に死んでいた。

岡本は「俺が殺した」という佐伯。佐伯は田村を殴りつけ、そのままロッカールームから立ち去った。

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南が警察に通報した人間を調べたところ、通報したのは銀行強盗に手を貸している佐伯だった。

佐伯が殺そうとしているなら立石だが、この状況でどうやって殺すのか、井沢は疑問に思う。

そんな中、東堂はミハンシステムのビッグデータを使い、顔認証で佐伯とつながりのある人物を割り出した。

1人は岡本由梨。3歳の時に両親が離婚し、父親に育てられた。母親は既に再婚し、新しい家族を築いていた。

由梨は、佐伯が裏切らないように、「父親が死んだ秘密を教えてやる」と立石に呼び出されていた。

由梨の父親である岡本修二は、ネジ工場を経営していたが、9年前に工場が倒産、自殺していた。

親友だった佐伯に融資を打ち切られたことが父親の自殺の原因だと思っている由梨は、佐伯を恨んでいた。

さらに、立石も岡本ネジ工場の従業員だったことがわかる。

そんな中、金庫室のロックの解除が完了し、佐伯は立石と2人で金庫室へ向かった。

実は、それこそが佐伯の狙いだった。この銀行強盗を計画したのは佐伯で、立石をおびき寄せるために仕組んだのだ。

佐伯の狙いは立石と2人きりになること。

警察への通報は、殺したい相手を足止めさせるのが目的だったのだ。金庫室で立石を殺すために。

通報による金庫室のロックは、佐伯にとっても誤算だった。

立石が金をカバンに詰めるのに気を取られたすきに、佐伯は銃を奪い、立石に向けた。

そこへ、井沢が強盗犯に扮して駆け付けた。

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佐伯の口から、岡本の自殺の真相が明らかになる。

10年前、岡本は工場の金庫から金を盗もうとした従業員の大島と揉み合いになり、大島を殺害してしまっていた。

自首しようとする岡本を佐伯が止め、大島の遺体を山中に埋めたのだ。

由梨のことを考えた選択だったが、逆にそのことが岡本を追い詰め、岡本は「由梨を頼む」と佐伯に言い残し、自殺してしまった。

遺書には「由梨を殺人者の娘にしたくない」と書かれていた。

そのため、佐伯は岡本の自殺理由を、融資を打ち切られて工場が潰れたせいだと偽装したのだ。

だがそのせいで由梨に恨まれ、近くから見守ることができなくなっても、それでも佐伯は由梨を守ろうとしていた。

自首させていれば岡本は自殺しなかったかもしれないと、佐伯はずっと後悔し続けていた。

だから、少しでも由梨の支えになればと、母親と偽って絵ハガキと仕送りを送り続けていた。

由梨が結婚することになり、自分の役目を果たせたと思っていた佐伯の前に、立石が現れた。

工場の近くで身元不明の白骨遺体が発見された新聞記事から、岡本が大島を殺して埋めたことに感づいた立石は、度々佐伯をゆすっていた。

さらに、由梨の結婚を盾に脅してきた立石に、佐伯は「金を手に入れる方法がある」と銀行強盗を持ちかけ、立石を殺すことを決意した。

全てを知った由梨は、泣き崩れる佐伯にハンカチを差し出す。

チームがまとまってきたという東堂に、山内は「井沢という人がわからなくなる時がある」と打ち明ける。

井沢は公安時代に捜査した組織の報復で、妻と子供を殺されていた。

そんな井沢を、かつてミハンシステムは危険人物としてリストアップしていた。

妻と娘を殺した相手を追い詰め、殺そうとした井沢を仲間が撃って止めたのだ。

井沢の殺意は、未ださまよっている。東堂は井沢から目を離さないよう、山内に命じるのだった。

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5話:サイコパスが育てた犯罪者

ミハンシステムがリストアップした新たな危険人物は、17歳の高校生、私立青葉中央高校2年の岡崎直樹(道枝駿佑)

直樹は、成績はトップクラス、バスケットボール部のエースで、父親は文科省の次期事務次官候補と言われている岡崎治(吉満寛人)というエリートだ。

だが世田谷区で動物殺傷事件が相次ぎ、防犯カメラの映像から直樹に疑いがかかっていた。

東堂は、動物への虐待や殺傷は殺人事件を起こす予兆であるとして、過去の犯罪事例を提示する。

そこには、25年前に起きた練馬台無差別殺傷事件も上がっていた。

山内は、バスケ部の外部指導員として青葉中央高校に潜入。

実は、このバスケ部では指導員が次々と辞めていた。

岡崎は気に入らない部員を盗撮疑惑で辞めさせ、さらに学校裏サイトへ誹謗中傷を書き込み、優秀な指導員を次々と辞めさせていた。

岡崎をマークして見えてきた人物的特徴から、岡崎がサイコパスだと判明する。問題は、反社会的かどうかだ。

小田切と田村は、制服警官になりすまし、岡崎家の周辺住人から情報を集めようとする。

そこに現れたのが、大手新聞社の元記者で、凶悪犯罪のルポを何冊も出版しているジャーナリストの川上邦明(近藤公園)だった。

直樹に接触したという川上は、動物殺傷をしている少年少女に会い、殺人衝動をくい止めるために話を聞いているのだという。

岡崎は果たして、川上との出会いにより、殺人を踏みとどまるのか、それとも、動物殺傷への衝動が、ついに殺人の衝動へと変わるのか。

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東堂は岡崎を引き続きマークし、川上を徹底的に調べ上げるよう支持する。

1993年に起きた練馬台無差別殺傷事件の犯人も、動物殺傷を繰り返していた反社会的サイコパスだった。

遊園地で刃物を振り回し、5人を無差別に殺害。犯人に切りつけられ、当時9才だった東堂は首に大きな傷を負い、自分をかばった父親は殺された。

それこそが、東堂がミハンを立ち上げた動機だった。

川上の自宅へ潜入した井沢は、本棚にスクラップブックを見つける。

スクラップされていたのは、川上の兄の自殺、同級生の自殺、同僚の転落死、そして未解決の1年前の台東区ホームレス殺人事件。

ホームレス殺人事件で、当時被疑者として上がっていた16歳の少年・安田智之のアリバイを証言したのが川上だった。

だが、川上の証言は偽証だった可能性が高い。

東堂は一つの可能性に気付く。

川上が共感し合った理由は、川上も反社会的サイコパスだからだ。

反社会的サイコパス同士、共感したのだ。川上の自宅に大切に保管されていたスクラップブックは、川上のコレクション。完全犯罪の記録だ。

そこへ、井沢たちが仕掛けた監視カメラに、川上がメッセージを送ってくる。

川上は井沢たちが仕掛けた監視カメラにも気づいていた。

川上もまた、自宅に監視カメラを仕掛け、井沢たちの行動を見張っていたのだ。

潜入捜査、盗撮、盗聴、住居侵入。そこまでして調べなくても、川上は責任者と直接を話すと言う。井沢は川上宅へ向かった。

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昔から川上の周りでは多くの人が自殺や事故で死んでいた。

そして今は、動物殺傷をしている少年少女たちと接触して、犯行を止めるどころか背中を押している。

どうしてそんなことをするのか、尋ねる井沢に、川上は人間でも動物でも生き物を育てると成長できると解く。殺人者が殺人者を育てるのだと。

さらに川上は、井沢に驚くべきことを告げる。

川上「実に興味深い人だな。あなた人を殺したことがありますね?」

否定しない井沢に、動揺するミハンメンバー。

「殺人経験のある刑事なら難敵だ。岡崎直樹を止められるか、見ものですね」と不敵に笑う川上。

警察に計画を気づかれてなお、揺るがない川上。岡崎は今まさに、人を殺しに向かっていたのだ。

南がGPSで探知を試みるも、岡崎の居場所はわからない。

彼が誰を殺しに行ったのか、川上は井沢ならわかるという。井沢は岡崎が文部科学省に向かったことに気づく。

17歳の少年が文科省で官僚たちを無差別に殺す。世間的には教育を司る文科省上官の息子。だからこそ岡崎は文科省という舞台を選んだ。ただ、観客の心を支配するために。

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井沢をたちは文科省へ急行するが、既に殺戮は始まっていた。

川上が手配した3Dプリンター銃で次々と職員を撃ち殺しながら、上層階へと向かう岡崎。

止めに来た警備員すらも射殺し、文科省のロビーは大パニックに陥る。

そして、岡崎は現れた自分の父親すらも撃ち殺してしまう。

「やっと殺せた」とつぶやく岡崎に掴みかかるミハンメンバー。

井沢に銃を奪われた岡崎は、カッターを取り出し、振り回す。

そして、岡崎は自分の首をカッターでかき切り、自殺した。

呆然とするミハンのメンバーたち。そこへ川上がカメラを持って現れた。最高の記事にしてやると約束したという。

そんな川上に東堂は激昂。川上に掴みかかり、首を締める。田中が間に入り、何とか東堂を川上から引き剥がした。

ミハンは岡崎の犯行を見抜いていた。それでも川上のような男がいる限り、犯罪を未然に防ぐのは難しくなる。川上はこれからも法の目をかいくぐって、殺人を犯すだろう。

岡崎の犯行記事が載った雑誌を満足そうに眺める川上。だがそんな川上は、何者かに射殺された。

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6話:法で裁けない犯罪者を制裁していた人物の正体

25年前、Jリーグの開会が宣言された1993年。

練馬台の遊園地で、父親との休日を楽しんでいた東堂は、買ってもらったばかりのJリーグのストラップを落としてしまう。それを親切に拾って手渡してくれた女性がいた。

笑顔で手を振る女性の左手の薬指には、婚約指輪が光っていた。

楽しい休日となるはずだった。

だが突如、園内に悲鳴が響き渡る。

黒いフードの男が、血に濡れた刃物を振り回していた。

驚いた父は「定春、早く!」と息子を促し、急いで逃げようとした。だが慌てた東堂は、芝生に足を取られて転んでしまう。

助け起こそうとした父を、背後から男が刺した。男は続けて、東堂にもその刃を振り下ろした。

そして、あの女性も男の凶刃に倒れた。

逃げ惑う群衆の中、一人、犯人に飛び掛かっていく男の姿を、東堂は薄れゆく意識の中で見た。

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ミハンチームが捜査した事件の関係者に、不審な出来事が続いていたことが発覚する。

猟銃の誤射で少女を殺し、その罪を別の事件の犯人になすりつけた元最高裁判所長官の小松原は点検中のエレベーターに転落して死亡。

強姦を重ねていたエリート大学生の湯川は行方不明になり、失踪届が出されている。

そして、法の目をかいくぐって何人も殺害した上、未成年者の犯罪を後押ししていたジャーナリストの川上は射殺体で見つかったのだ。

3人は、いずれも法でさばけなかった犯罪者だ。

犯人がミハンから得た情報をもとに犯行に及んでいると考えた東堂は、「ミハンの情報が外部に漏れている」「内通者がいる」「チーム内に犯人がいる」という3つの可能性に言及する。

真相を解明するため、井沢は、山内と共に小松原が死んだホテルへ向かう。

小田切と田村は、湯川のスマートフォンのGPSが途絶えた高架下へと向かった。

ほどなく、井沢たちは、防犯カメラの映像などから一台の不審な車両にたどり着く。

だがその所有者に関する個人情報は戸籍ロンダリングにより改ざんされ、特定することはできない。

その捜査の最中、井沢が突然姿を消した。

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川上の事件を追う捜査一課の早川たちは、殺害現場付近で不審な男を見たという目撃者を見つけ、犯人の似顔絵を作成した。

できあがった犯人の似顔絵は、なんと井沢の顔だった。

行方をくらませていた井沢の身柄が一課に確保された。

東堂は5分だけ時間をもらい、井沢の取り調べを行うことに。

「あなたが一連の犯人なんですか」と直球で尋ねる東堂に対し、井沢もまた「あなたを疑ってますよ」と返す。

井沢は川上の犯行を暴くために、行確(行動確認)しようとしていた。

GPS情報から接近すると、川上はすでに死んでいたと言う。

それで立ち去ったところを目撃されたのだ。

小松原の事故が気になっていた井沢は、川上が殺されるのではないかと疑っていた。

ミハンは一連の犯行を予測していない。

ミハンを知り尽くし、犯罪者を誰よりも憎み、事件の再発を防ぎたいと強く願う犯人の正体とは・・・。

法で裁けない犯罪者を制裁していた人物は、井沢か、東堂か。

唐突に、25年前の練馬台無差別殺傷事件のことを話し始める井沢。

相変わらず山内は井沢を疑っていたが、井沢の意図に気付いた東堂は愕然とする。

そして、ミハンのシステムルームに戻り、一人涙するのだった。

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井沢が待ち受けていたビルに現れたのは、田村だった。

過去の経歴から、田村が詐欺で逮捕した木元啓介という男に、 戸籍売買の前科があった。

木元は既に病死している。しかし、裏のビジネスを引き継いだ者がいた。

そのオフィスは、井沢が待ち受けていた場所だ。

昨日1日の井沢の行動をGPS情報から調べ、井沢がそこに来たことに不安を覚えた田村は、個人情報改ざんの形跡が残っていないか確かめに来たのだ。

証拠は何も残っていなかった。

だが、田村がこの場所に来たということが犯人だという何よりの証拠だ。

自分に近付いて来る井沢に、

田村「来ないでください。私はもう、そちら側の人間ではないんです。私は一線を越えてしまった。もう戻ることはできない。わかってください」

と告げると、田村はある場所へと向かった。

25年前、事件が起こった場所だ。

実は、田村もまた、25年前の練馬台無差別殺傷事件の被害者だったのだ。

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当時所轄の捜査員だった田村は、犯人の堀部浩二に動物殺傷という予兆があったことに気付いていた。

だが上司に堀部をマークするよう進言するも、取り合ってもらえなかった。

そして、事件は起こった。

東堂にストラップを手渡してくれた女性は、田村の婚約者だったのだ。

現場に着いた田村を見つけ、駆け寄ろうとして彼女は堀部に刺された。

目の前で婚約者が刺殺され、それでも田村は刑事として犯人を取り押さえた。

事件後、被害者遺族は予兆に気付いていた田村を責めた。

やり場のない怒りをぶつけられ、自分も大切な人を失ったにもかかわらず、一切反論せず、「すみません」と謝り続ける田村を、東堂は見ていた。

やがて刑事となり、田村と再会した東堂は、新たに立ち上げるミハンシステムに手を貸してしてほしいと頼む。

東堂「二度とあのような惨劇を起こしたくない。私とあなたは、同じ思いのはずです」

25年前の運命の場所に、ミハンのメンバーが集って来た。南は電話で必死で田村を説得するが、田村は

田村「私は人殺しです、南さん」

と突き放す。

清掃員に扮した田村は小松原の背中を押し、事故に見せかけて工事中のエレベーターに転落させた。

湯川は銃で射殺し、山に遺体を埋め、失踪に見せかけた。

だが川上の殺害だけは計画が狂った。川上に気づかれ、予定外の場所で殺してしまったのだ。

さらに井沢が現場に現れたことで、その場を立ち去るしかなかった。

田村は井沢に「ずっとあなたが怖かった」と明かす。いずれ見破られるのではないかと思っていたと。

そして足を引っ張ることになってすまないと、東堂に謝罪した。

一連の事件はミハンとは無関係、身勝手な動機で常軌を逸した自分が殺人を繰り返していた、そう処理してほしいと頼む田村。

田村もまた、東堂と同じ思いで、ミハンシステムの存続を望んでいた。

田村「みなさんと出会えて、よかった。ミハンを、必ず実現させてください。すいません」

そして田村は引き金を引いた。

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7話:田村抜きのミハン存続、宇佐美の出所目前

井沢たちは、田村の死に大きなショックを受けた。

法で裁けない犯罪者たちに制裁を加えていた田村が、自ら死を選ぶ前に残した最後の言葉は「ミハンを必ず実現させてください」だった。

その遺志を受け、東堂は、報告書から田村の名前を削除してミハンとの関わりを消すと、捜査の再開を指示する。

山内と小田切はそれに同意した。

しかし、南だけは簡単に田村の死を割り切ることが出来ない。

井沢は、そんな南を捜査に連れ出すが、南は拒否して資料課に戻ってしまう。

ミハンが選び出した新たな危険人物は、実体のつかめない麻薬密売組織に関わっている疑いがあり、2ヵ月前に任意の取り調べを受けていた新谷啓一(小柳友)という男だ。

組織のボスは「喜多野」という名前だが、それは通り名に過ぎず、本名も顔もその正体は謎に包まれていた。

喜多野は、ビジネスのためなら躊躇なく人を殺す、冷徹な殺人者だ。

新谷は、取り調べを受けた後、涼子(青野楓)という女性と結婚し、とある団地に引っ越していた。

小田切たちは、向かいの棟に張り込み部屋を用意し、監視を始める。

「喜多野」の正体をつかむ手がかりは新谷しかいない。

「喜多野」とは一体誰なのか。危険が迫る中、新谷たちの上階に住む7歳の少年・ユキオ(山城琉飛)が母親から虐待されているらしいことに気づく。

一方、井沢は、自らの妻子を殺しながらも立証されず、別件逮捕されていた宇佐美が間もなく出所することを知る。

桜木泉の手帳には、井沢の自宅の電話番号が記されていた。

実は、井沢の妻も元警察官だった。

さらに、手帳に名前のあった赤川武志(須田邦裕)は、井沢の妻の元同僚で、井沢の家に電話をかけてきた翌日にベトナムで亡くなっている。

さらにその翌日、井沢の妻と娘が殺されたのだ。

このことから、井沢は自分の家族の事件と桜木泉の事件はひとつにつながっているのではないかと考え始める。

出所した宇佐美を訪ねた井沢は、誰に頼まれれて妻と娘を殺したのか、問う。

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8話:井沢の家族の事件と桜井泉の事件の隠れたつながり

宇佐美は井沢の追求をかわし、その場から逃亡した。

東堂は、新たな危険人物・砂田繭美(白石麻衣)の捜査を指示した。

繭美は、市役所の戸籍住民課で働く25歳の女性で、1週間後には結婚式を控えていた。

実は繭美は、過去に整形手術を受け、美しい顔を手に入れていた。

ミハンが彼女をリストアップしたのは、違法に拳銃を入手していたからだった。

幸せ絶頂であるはずの花嫁がなぜ殺人をしようとしているのか、ミハンチームは捜査を開始する。

井沢と小田切は、婚姻届けを出しにきたカップルを装って繭美に接触。

目の前で痴話喧嘩を演じてみせ、繭美と親しくなるきっかけを得る。

繭美が整形手術を受けたのは2年前の9月だ。

それ以前の行動を探れば、繭美が誰を殺そうとしているのかわかるかもしれないと考えた井沢は、山内と南に繭美の過去を探るよう指示する。

ある日、井沢と小田切は、繭美からの招待で、彼女の婚約者・神谷統一郎(入江甚儀)の実家を訪れる。

統一郎の父・竜太郎(羽場裕一)は慶徳大学の理事長で、統一郎も同じく大学の教務課に勤務していた。

竜太郎は、統一郎と繭美の結婚を大変喜んでいて、絵に描いたような幸せなカップルだ。

しかし、程なく、彼女の悲しい計画が明らかになる。

そんな中、山内の前に、桜木泉の元上司でもある長嶋秀夫(北大路欣也)が現れた。

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繭美は顔を整形する一年前に、恋人を事故で亡くしていた。

恋人だった高瀬康太は、建築現場で資材の落下に巻き込まれて死亡していた。

事件性はないように思われたが、高瀬康太は慶徳大学病院に運ばれ、脳死と診断されていた。

3年前に統一郎が受けた手術は心臓移植だ。

執刀医の都築洋平は、慶徳大学病院の外科部長に昇進するも、2年前医療関連の企業から賄賂受け取り、それをマスコミにリークされ、医師生命を絶たれていた。

リークしたのは繭美だ。

都築洋平は不倫の末に繭美に入れあげ、ストーカーと化していたのだ。

都築洋平に拉致される事件があったにもかかわらず、繭美は挙式を8月25日に行うことにこだわっていた。

そんな中、高瀬康太の死は、仕組まれたものだったことが判明する。

統一郎は10代の頃から重い心臓病を患っており、年々体が弱り、3年前に持ってあと半年との宣告を受けていた。

助かる方法はただ一つ、心臓移植手術しかない。

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父親の竜太郎が裏ルートを使い移植順位を調べたところ、統一郎の移植はいよいよ次に迫っていた。

ところがドナーが一向に現れない。

そこへ搬送されてきたのが高瀬康太だった。

竜太郎は心臓外科部長のポストを餌に、都筑に移植を命じたのだ。

高瀬康太は全身を強く打ち付け、多発外傷で運ばれ、頭部の損傷が激しかったにもかかわらず、都筑は腕の止血を最優先させた。

頭部の治療をないがしろにして、まるで脳死を誘発させようとしているかのようだった。

術後、若い医師が抗議して騒ぎになったのを、繭美は聞いてしまった。

それで理事長たちを問い詰めるが、相手にされるはずもなく、繭美は復讐を誓った。

理事長たちに顔を知られていたため、整形して顔を変えたのだ。

そして繭美は、まず執刀医だった都筑を医師の世界から抹殺した。

次に繭美がターゲットにしているのは、統一郎だ。

最も憎い相手への一番の復讐、それは相手の大切なものを奪うことだ。

8月25日は、死んだ恋人が脳死判定を下された日だ。だから繭美はその日にこだわったのだ。

かつて自分が恋人を奪われたように、神谷に一番の苦しみを与えるために。

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結婚式当日。

ヴァージン・ロードを歩いてきた繭美が、ブーケから拳銃を取り出した。逃げ惑う招待客。招待客として紛れ込んでいた井沢たちが、統一郎と繭美の間に入った。

小田切を遮り、統一郎は前に進み出た。繭美は引き金を引くが、弾は入っていない。

実は、井沢が神谷邸を訪れた際、監視カメラを仕掛けようとリビングを探った時に拳銃を見つけ、弾を抜いていたのだ。

復讐を果たせず、銃を落とす繭美。

そんな彼女に、統一郎は

統一郎「繭美、大丈夫だよボクが叶えるから」

と告げる。直後、統一郎が倒れた。統一郎は服毒自殺を図っていたのだ。

統一郎は全てを知っていた。

3年前、自分に心臓をくれたドナーの恋人が繭美だということを。

統一郎は興信所に依頼し、ずっと手術の真相を調べていた。

ドナー患者の死は父親の指示だったこと、そして亡くなった高瀬康太には恋人がいたこと。その恋人が繭美だったということ。 繭美が顔を変えて別人になったこと。

それで、統一郎は繭美が復讐のために自分に近づいたことに気づいた。

それでも彼は決心した。

高瀬康太からもらった命を、繭美のためだけに使う。

全て承知の上で、繭美を愛すると決めたのだ。

長嶋は井沢に接触し、ミハンの捜査について探りを入れる。

その後、長嶋は東堂の前にも姿を現した。桜木泉の追い掛けていた事件の真相を解明してくれるよう、東堂に頭を下げる長嶋。

だが直後、長嶋は誰かに電話を入れる。

長嶋「お前の読みは正しかったよ。資料課は表向きの部署に過ぎない。それで、これからどうするつもりだ、

やはり、桜木泉は生きていたのだ。

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9話:桜木泉は生きていた!?誘拐ビジネス発覚

井沢たち「ミハン」チームは着々と成果を上げていた。

それを受け、警視庁上層部は、国家公安委員会で意見をまとめ、次のステージとなる法制化に向けて政界に働きかけると東堂に伝える。

そんな中、「ミハン」が驚くべき危険人物をリストアップした。

SP、警護課の捜査員・石塚辰也(高橋努)だ。

石塚は、要人警護のスペシャリストで、逮捕術、格闘術など、すべての面で突出した能力を持つ男で、井沢自身も面識があった。

また、プライベートでは「開かれた警察」を目的に、地域住民に武術を教える活動もしている。

人を守るはずのSPが、人を殺すというのか。

東堂は、モニターに直近1週間の石塚の監視記録を映し出した。

そこで山内は、ふたつの監視映像に映り込んでいる桜木泉らしき女性の姿に気づく。

ベトナムで死んだはずの桜木は生きているのではないか。

だとしたら、彼女はなぜ石塚を追っているのか。

井沢は、今回の危険人物を止めることが、桜木泉や、その先の真実にも繋がっていると考える。

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石塚をマークしていた小田切は、早々に尾行を見破られてしまった。

圧倒的な強さで小田切をとらえる石塚。

覚悟を決めた小田切は、資料課分室に所属する警察官であることを打ち明け、格闘技を教えてもらおうと思ったと嘘をつく。

小田切が井沢の部下であることを知った石塚は、彼女の申し出を受け入れる。

一方、山内とともに石塚のマンションに潜入した井沢は、石塚が国家公安委員長・滝本健三(山田明郷)の情報を集めていることを知る。

石塚には家族同然に親しくしている母子がいた。盛岡幸子とその娘、みどりだ。

実は彼女たちは、5年前、官房長官を狙ったテロで、石塚をかばって殉職した同僚のSP、盛岡の家族だった。

盛岡幸子は旦那を亡くしてから、小さなカフェで生計を立てていた。

ひどい地上げにあったが、その悪徳業者を追い払い、盛岡親子を守ってきたのが石塚だった。

道場も元々は盛岡がやっていたもので、石塚はそれを引き継いでいた。

盛岡の家族の少しでも役に立ちたいと思っていた石塚。

守りたいものがある石塚が、なぜ殺人を犯そうとしているのか。

そんな時、南が重要な情報を発見した。盛岡親子が何者かに拉致されている画像だ。

実は、石塚は誘拐ビジネスを手がける犯行グループから、国家公安委員長の殺害を強要されていたのだ。

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井沢は石塚に接触し、犯行を思い留まってほしいと忠告する。警察官として一線を越えるべきではないと。

だが石塚は、犯行を決行すると告げる。

必死で調べたが、犯人の正体がわからない。そもそも犯人は警察官に殺人を要求している。

つまり、それでも黒幕にたどり着かせない自信があるのだ。

石塚「私は警察官だ。でもその正義を捨ててでも、守りたいものがある」

他に彼女たちを救える選択肢があるなら教えてほしいという石塚。そして、自分を止めようとするなら、井沢を殺すと。

石塚との会話を聞いていた山内は、井沢自身、答えが出ていないことに気付く。

井沢は妻と娘の事件の真犯人を前にした時、一線を超えてしまうかも知れない。

顔認証システムで、ミハンが犯人の一人を探り当てた。

名前は三城康介、旅行代理店・帝都ツーリストの社員だ。

帝都ツーリストは、桜木泉の手帳のメモにあった大企業の幹部たち、政治家や官僚の家族の共通項だ。

全員が帝都ツーリストで旅行に行き、行方不明になっていた。

桜木泉が追っているのは、おそらく石塚に犯行を強要している組織だ。

人質の安全を考え、石塚の犯行を止めるため、東堂は井沢に拳銃の携帯を指示。

万が一の時は、石塚の射殺を命じる。井沢は「東堂さんの正義、信じてますから」と、これを引き受けた。

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犯人たちの潜伏先が特定できないまま、ついに石塚が動き出した。

車に爆弾が仕掛けられていると、車を地下駐車場へ誘導。運転手を気絶させ、国家公安委員長を殺害しようとする石塚。

東堂から連絡が入り、三城康介の居場所がクレジットカード履歴から判明。山内たちは急行した。

桜木泉の手帳に記されていた人物たちは、公にはされていないが、海外で誘拐に巻き込まれていた。

三城は、VIPの旅行情報を流していたのだ。

組織的に金を引き出せる相手を、ピンポイントで誘拐する「誘拐ビジネス」だ。

国家公安委員長は、誘拐ビジネスを一掃させるために対策を進めている急先鋒だ。

だから、SPの石塚を使って暗殺しようとしている。

テロの片棒を担がされようとしている石塚を止めるべく、井沢が追う。

悲劇の連鎖を止めようと立ちはだかる井沢に、石塚は「邪魔をするな」と警棒を出し、襲いかかって来た。

激しい激闘の末、二人は互いに拳銃を構えた。だが、井沢は銃を下ろす。

井沢「あなたに人は殺せない」

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石塚は咆哮を絞り出し、引き金を引こうとするが、引けずにそのまま崩れ落ちた。

そこへ、小田切たちから無事盛岡親子を保護したとの連絡が入った。

二人の元気な声を聞き、安堵する石塚。

井沢「間に合いましたよ。あなたが一線を超えなくて良かった」

小田切がタクシーで石塚の元へ盛岡親子を送り届けた。

山内は現場に残り、誘拐ビジネスの本丸の証拠を掴むべく、パソコンからUSBにデータをコピーしていた。

しかし、そこへ犯人グループの仲間が戻って来た。

山内は後ろから殴られ、気絶してしまう。

倉庫に監禁され、暴行を受ける山内。犯人グループの一人が拳銃で山内を殺害しようとした時、誰かが現れた。

犯人たちを残らず拘束し、山内を助けた人物とは・・・。

山内が薄れゆく意識の中で見たのは、桜木泉の姿だった。

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最終話:誘拐ビジネスの黒幕の正体、桜木泉のターゲットは東堂定春

井沢は、拉致された山内の救出に向かった。

するとそこに、ベトナムで死んだはずの桜木泉の姿があった。

桜木はすでに犯人たちを倒して拘束していたが、何故か井沢に銃を向ける。

桜木泉「あなたは、ミハンに組み込まれた人間?」

桜木は憎しみの眼差しで井沢にそう告げると、現場から立ち去った。

井沢は、桜木がミハンを知っていたこと、彼女の上司だった長嶋が資料課を探っていたことから、何か知っているのかと東堂に尋ねる。

すると東堂は、新たな危険人物を表示した。それはなんと、「桜木泉」だった。

死んだと偽装し、日本に潜伏する彼女は、いったい誰を殺そうとしているのか。

東堂は新たな危険人物として、桜木泉の捜査を命じた。

井沢と山内は、すべての発端となったベトナムのホーチミン市を訪れ、元刑事のグエン・チー・リン(フォンチー)に接触した。

桜木泉の事件を担当し、桜木が死んだように偽装した刑事だ。

桜木が誰かを殺すのを止めるために会いに来たという井沢に、グエンは真実を話し始める。

グエンは1年前にベトナムで起きた事件で、桜木と再会。

日本の犯罪捜査を勉強するため、研修で警視庁にいたことがあり、その時に桜木と親しくなっていた。

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事件の犯人は旭証券の社員・谷口正博(斉藤佑介)

谷口は、日本からベトナムに赴任した支社長・相馬和久とその娘・由紀子(桜井ユキ)を爆弾を使って殺そうとしていた。

谷口を射殺してそれを食い止めたのが、井沢の妻の元同僚だった刑事・赤川武志(須田邦裕)だった。

桜木と赤川は、同じ任務についていた可能性が高い。

だが事件後、赤川はホテルの屋上から転落死し、その翌日、桜木も失踪してしまう。

さらに、事件の1週間後、相馬は交通事故で死んでいた。

1年後、桜木からグエンに「日本に戻る手助けをしてほしい、追われている」と連絡が入った。

桜木を助けた時、ちょうど身元不明の焼死体が上がってきたため、グエンは桜木の死を偽装した。

そうしなければ桜木はまた命を狙われてしまう。

桜木泉「もう刑事ではいられない。罪を犯してでもやらなきゃいけないことがある」

と告げ、桜木は日本へと戻った。

ホテルの一室で、長嶋は桜木に「決意は変わらないのか」と尋ねる。

桜木は多くの犠牲が生まれた、最後にあの男を捕まえて真実を明らかにすると答える。

だが真実を明らかにすれば、救えたはずの命がこぼれていく。

長嶋「正義に正しいも間違いもない。立場が違えばその正義も変わる。桜木、お前の信じる正義を貫けばいい」

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山内が持ち帰ったUSBから、旭証券と誘拐ビジネスの組織は裏でつながっていたことが判明した。

株式を使った資金洗浄、マネーロンダリングを随分昔からやっており、相馬は金の流れを不審に思い、調べようとして殺された可能性が高い。

谷口は相馬の娘・由紀子と結婚を前提に交際していたが、結婚を前にある秘密が明らかになる。

実は、谷口には窃盗の前科があったが、その経歴を詐称して入社していたのだ。

相馬は娘との交際を反対し、さらに谷口を解雇しようとしていた。

だから逆恨みで、爆弾で巻き添えに死のうとしたということだった。

だが谷口の弟と由紀子への聞き込みの結果、谷口は一からやり直そうとしていたことがわかった。

谷口が経歴をごまかして旭証券に入ったのは、全て弟のためだったのだ。幼い頃に両親を亡くし、貧しかった弟を養うために。

一方で桜木と赤川は、事件が起こる前に谷口をマークしていた。

つまり、谷口の事件はミハンの捜査だったのだ。

宇佐美が潜伏している蒲田のホテルに、桜木が現れた。宇佐美に銃を突きつける桜木を、駆け付けた井沢たちが止める。

宇佐美は今は政財界の人間に雇われ、情報捜査や依頼人の周りの証拠を消すための殺人を実行していた。

ベトナムで事故に見せかけて赤川を殺したのも宇佐美だ。

ベトナム警察に、赤川の爪から採取した皮膚片が残っていた。

全ての証拠を突きつけるという桜木に、井沢は

井沢「私がその男と話します。話させてくれ。東堂定春と」

告げる。

桜木が警戒していたのは、井沢たちの背後にいた東堂だったのだ。

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実は、ミハンのテストケースには、抹消された0号があった。

そのテストケース0号を担当した捜査員こそ、桜木と赤川だった。

そして、あってはならない冤罪事件が起き、東堂はそれを隠蔽したのだ。

防犯カメラの映像から、谷口を犯人に仕立て上げ、相馬を殺すため、誘拐ビジネスの組織の人間が谷口の持っていた紙袋を爆弾が入った袋とすり替えていた。

無実の人を射殺してしまった赤川は、全てを公表すると東堂に告げた。

井沢は冤罪を隠蔽した東堂を告発し、東堂は「私が隠蔽しました」と全てを認めた。ミハンの歩みを止めないために、1年で500人もの命を救うために。

東堂「わかっていますよ。間違っていることも。でもこれが、私が選んだ正義です」

公表するという赤川は、ベトナムで宇佐美によって殺された。

冤罪を告発するため、赤川は監察官だった井沢の妻・井沢康子を頼った。だから井沢康子は殺されたのだ。

娘まで巻き込んで、ただの口封じのために妻が殺されたと知った井沢は東堂に詰め寄る。

井沢「全ては口封じのため。そのためだけに、妻は・・・娘まで巻き込んで」

「あなたには私を殺す権利がある」と東堂は井沢に銃を差し出した。井沢をミハンに入れた時から、覚悟はしていたと。

井沢「あんた・・・ずるい人間だ。今までミハンを通して、あんたの心の痛みに触れてきた。殺せるわけないだろう・・・!!」

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井沢は東堂の先にいる人間が誰なのか尋ねた。

宇佐美に殺害を指示したのは、警察庁次長の町田だ。

ミハンの実用化によって警察庁長官のイスが約束されていた町田は、ミハンが頓挫する事態になれば何としてもそれを隠蔽する。

東堂すら予想しなかった手段によって、町田は隠蔽を強行した。口封じの連鎖で殺される桜木を守るために、東堂は桜木のことを井沢たちに調べさせたのだ。

東堂は「私は私の決着をつけます」と町田に連絡を取り、ミハンを去った。

その時、ミハンが新たな危険人物をはじき出した。松永正義。松永は検察庁に向かう東堂の後をつけており、今まさに東堂を殺そうとしていた。

東堂が刺された。井沢が駆け付け、松永は逃走するが、東堂は意識を失ってしまう。

怒りを押さえきれない井沢は、そのまま直接検察庁に乗り込み、町田の元へ向かった。町田を連れて部屋に立て籠もり、銃口を向ける。

山内、小田切、南が井沢を止めようと必死に叫ぶ中、ただ一人、桜木泉は「殺せばいい」とつぶやいた。

これまでミハンの犠牲となっていた妻と娘、田村、そして東堂の顔が浮かぶ。そして井沢は引き金を引いた。

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銃声が聞こえ、山内と小田切が扉を破って部屋へと突入した。

だが井沢は町田を殺してはいなかった。

井沢「殺せなかった。みんなの声が聞こえた。殺せなかった・・・!」

「これからどうするのか」という山内の声には答えず、桜木泉は姿を消した。

町田は殺人教唆の罪で逮捕された。谷口の冤罪が証明され、由紀子と弟は涙しながら谷口の墓に青いバラを供えるのだった。

後日、井沢は収監された東堂の元を訪ねた。

生きる抜け殻のようになった東堂に、井沢はミハンの法制化が延期になったことを告げる。

ただし、ミハンのテストケースは続けていくという井沢。妻と娘がミハンの犠牲となったにもかかわらずだ。

井沢「だからですよ。もう引き返せない。ミハンは、扱う人間によって光にも闇にもなる。だったら私は、扱う側にいる」

井沢が見てくれるなら安心だという東堂。

直接手を下していない東堂は、おそらく重い罪にはならないだろう。

だが東堂は自ら命を断つつもりでいた。

そんな東堂に、井沢は告げる。

井沢「あなたには見届ける義務がある。これからミハンがどうなっていくのか。ミハンは私が守る。だからあなたには、見届けていてほしい。生きろ。生きてくれ」

シーズン4のネタバレは⇒【絶対零度4】ネタバレ最終回結末 ミハン再始動!井沢を監視する公安と山内

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『絶対零度3』謎解説&考察

犯人たちを処刑しているのは伊藤淳史?沢村一樹?

毎回法で裁かれなかった犯人たちを処刑しているのが誰なのか?

4話で湯川を銃で撃った身長から考えれば、正体は沢村一樹なんですが、東堂がミハンシステムの導入を考えている動機を考えると、一番怪しいのは東堂なんですよね。

う~~~ん、ちょっとまだパーツが足りない気はしますが、犯人たちを殺しているのは、伊藤淳史演じる東堂ではないかと思います。

しかし5話でさらに混迷を極めましたね・・・!

川上「来ると思ってたんですよ、私を殺しに」

は、東堂に対しても井沢に対しても当てはまります。
東堂は岡崎を自殺させた川上に掴みかかりましたし、井沢はその前に殺人者であると見抜かれています。

6話の予告では井沢が取調べを受けていたので、やっぱり井沢なのか・・・!?

まさかの犯人田村さん・・・!!!

6話冒頭見たら「あ、これ犯人田村さんだ」とわかる作りでした。

川上の死体を見下ろしていたのは井沢で正解。

後半は上戸彩の話にシフトするのかとも思ったのですが、このままミハンチームの活動を続行するなら井沢と東堂は必須。どちらが欠けても話は成り立ちません。
となると、第1部でリタイアしても本編に支障なく、かつ犯人役ができるほどの演技力の持ち主・・・とすれば平田満しかいなかったんですよねえ・・・キャスティング的に。
読みが浅かった・・・!すみません・・・!

『絶対零度』シーズン3感想

1話

話がややこしいくてわかりにくかったですね~~~。
金塊ビジネスのくだりで、西田と須藤、前川、そして富樫がもう誰が誰だかかなり混乱しました。
一つの事件で主要登場人物4人は多い・・・!しかもミハンのメンバーも初顔見せなのに、もう名前覚えるのしんどい・・・!

沢村一樹がキレるのが最高にカッコいいので、毎回1回はプッツンしてくれるといいなと思います。

伊藤さんの首の傷気になるなあ・・・。

3話

沢村一樹の公安ネタがますます『MOZU』の西島秀俊とかぶる・・・!!
宇佐美を処刑したのはやっぱり妻と娘を殺された復讐だったのか・・・。

あと伊藤さんの抱えてる闇がやっぱり深い・・・!
首の傷もっと掘り下げてくれ、井沢。

実は上戸彩は死んでおらず、あれは別人の遺体だった、な展開な気がするんですが、どうでしょう?

しかし小田切の「強くなりたい、もっと」のセリフは全然響いてこなかったな・・・。

5話

岡崎も川上もサイコパス同士というのまでは読めたんですが、最後まさか岡崎が自殺するとは・・・。衝撃でした。
沢村一樹が一番サイコパスっぽいんだけども。

6話

もう第1部で終わってもいいんじゃないかというほどでした。
家入レオの主題歌『もし君を許せたら』が流れるタイミングが、薬莢が飛んだ時ドンピシャで、おそらくこれを越える演出はないでしょう。

⇒もし君を許せたら – 家入レオ

本当に、田村さんの選択は泣けました・・・。前回に引き続き、事前にその危険性を知り犯罪を止めることはできても、死にゆく人を止められないのがミハンなのだな・・・と。平田満さんが今までとことん存在感の薄い情けない刑事を演じていたのが一転、法に裁かれなかった犯罪者を裁く執行者の顔となったのは圧巻でした。田村さんが犯罪者を裁く側に回ったのは東堂が田村さんをミハンに招いたせいでもあり、そして自らの死をもってしても、ミハンを守ろうとする田村さんの犯罪を憎む強い意思。

さらに言うなら、紀子さんはちゃんと建物の影に隠れていたので、田村さんが呼ばなければ彼女は助かったはず。
それが余計田村さんを追い詰めたのかと思うと、やり切れないですね・・・。

あとやはり、演技が光っていたのが柄本時生さん。

2017年に『Aスタジオ』に出演した際、鶴瓶師匠が

笑福亭鶴瓶「今ねイケメンが多い中、時生の顔ってね、雰囲気とかね、めっちゃ大事やで。また年いったらすごなるよ、それは。年いくごとに良なると思うよ。30、40になったら絶対にもっといい味が出てくるっていうのは、やっぱり柄本明もそうですけど、ここが絶対に芝居の表現に出てくる。人間の良さが出てくるっていうのは」

と褒めまくっていたのがまさに。

ミハンメンバーの誰より、南が田村さんを思っていたように感じました。だから田村さんも、南の呼びかけにだけは応えたんだろうと。

惜しむらくはこれをなぜ『絶対零度』のタイトルを冠してしまったのかということ。
明らかに山内の存在はチームに不要だし、上戸彩ネタは井沢を追うには完全に邪魔です。ストーリーがブレてしまう。
できることなら、これは井沢と東堂と、そして田村の物語として描いてほしかったなと・・・。

あと一つ、気になったのが、
25年前当時、田村さんの年齢はおそらく35歳前後で紀子さんは奥さんで良かったと思うんですが、あえての婚約者なんだろうか・・・?

9話

8話ラスト、北大路欣也のセリフから上戸彩の生存が判明しました。
やっぱり・・・!!案の定だ。

そしてなんとなく最終的な事件の真相も読めつつ・・・
しかし白石麻衣のあまりの大根っぷりに誤魔化されてましたが、本田翼の演技も大概ひどい。

今回の「井沢さん?」の声のトーンに背筋が凍りました。

なぜそこでブリっ子・・・・・・!?
沢村一樹と高橋努の本気のぶつかり合いが台無しだよ・・・!!
山内の方がよっぽど井沢さんを思いやっている。

話が深くなればなるほど、小田切の設定とキャラの乖離がどんどん激しくなってきて、重い過去を背負っているのにキャラがぺろんぺろん過ぎて・・・。
ちょいちょい入るブリっ子キャラは本気で勘弁してほしい。
警察なんだよ、ここは。

10話

ラスボスの真犯人は東堂説は、田村さんが犯人だった6話で一旦覆しておいてからのやっぱり東堂さん!だったので、井沢と同じくこちらの絶望もひとしおでした・・・。

そしてみんなが井沢を止める中、桜木泉がただ一人「殺せばいい」と言ったのはとても印象的でした。

上戸彩がすごくいい演技してたな~~~と思います。
先日の27時間テレビではオイオイ・・・とか思ってたんですが。
彼女を初めて見たのは金八で、『あずみ』の時は本当に下手だなあ・・・だったんですけど、すごくいい女優さんになったなあと。

とりあえず泣きの演技はほんと本田翼見習ってほしい。子供のようにわんわん泣けばいいというものではない・・・。

ひとつだけ気になったのが、誘拐ビジネスの組織の頭は結局誰だったのか・・・??

しかし月9でこんなしっかりした刑事ドラマが見れるとは思わなかった。
今クールテレ朝がポンコツドラマまみれだったので、余計に際立っていました。
沢村一樹の演技も安心して見ていられたし、ぜひまた続編やってほしいです。

そういえば小説の井沢の描写1文目が

スラリと背が高く、引き締まった体格は五十代に差しかかったとはとても思えない

で噴きました・・・。

小説はとにかくポンコツ過ぎます。
小説というより、ただの台本。敬語の文法の誤りは放置。(校閲してない?)なのに一応ノベライズ作家がついてるってどういうことだ。
原作ではない、ドラマの小説版って初めて読んだんですが、どれもこんなポンコツなんでしょうか・・・。

とりあえずポンコツっぷりがあまりに笑えるので、一読するのもおすすめです。