【相棒4】映画ネタバレをあらすじから結末まで 犯人の正体と7年前の事件の真相

ドラマ相棒の映画4『相棒 -劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断』のネタバレあらすじと感想まとめです。
国際犯罪組織「バーズ」のリーダー、レイブンが仕掛けるテロ。レイブンと天谷克則(あまがいかつのり)の関係は?レイブンの正体と目的、そして7年前イギリスで起こった毒殺事件の犯人の正体は誰なのか?映画で気になった疑問や謎についての考察&解説していきます。
ラスト結末までネタバレしていますので、結末を知りたくない方はご注意ください。

参考⇒相棒 劇場版IVをおさらいしたい人はまずこちらをチェック!

登場人物&俳優キャスト

2017年日本映画
上映時間120分
監督:橋本一

■杉下右京(水谷豊)
本作の主人公。ある事件がきっかけで、特命係に飛ばされる。冷静沈着で風変わりな変人だが、ずば抜けて高い推理力と洞察力を持つ。

■ 冠城亘(反町隆史)
亀山薫(寺脇康文)、神戸尊(及川光博)、甲斐享(成宮寛貴)に次ぐ、特命係の4代目相棒。法務省出身。

■ 社美彌子(仲間由紀恵)
広報課課長。ロシア人スパイ・ヤロポロクとの間にもうけた娘(マリア)がいる。マーク・リュウは内閣情報調査室勤務時代の知り合い。

■角田六郎(山西惇)
組織犯罪対策五課長。「ヒマかっ!?」が口癖でよく特命係をのぞきにくる。

■ 米沢守(六角精児)
警察学校教官。元鑑識。落語好きで右京と馬が合う。

■ 大河内春樹(神保悟志)
警務部首席監察官。尊とは警察庁時代からの友人。実はゲイ。

■ 月本幸子(鈴木杏樹)
小料理屋「花の里」の女将。

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刑事部(捜査一課)

■ 内村莞爾(片桐竜次)
刑事部長。
  
■ 中園照生(小野了)
刑事部参事官。内村刑事部長には頭が上がらない。
  
■ 伊丹憲一(川原和久)
捜査一課刑事。
  
■ 芹沢慶二(山中崇史)
捜査一課刑事。

警備部
■ 山崎哲雄(菅原大吉)
警備局長。国内外の要人警護やテロの捜査を担当。警察の代表として、バーズへの対応を決定する協議に参加。
警察庁

■ 甲斐 峯秋(石坂浩二)
警察庁長官官房付。元警察庁次長。甲斐享の父親。
  
■ 神戸尊(及川光博)
特命係の二代目相棒。現在は警察庁長官官房付。キザでクールな負けず嫌い。劇場版3に続いて4でも右京をサポート。

階級や役職の詳細は⇒相棒登場人物の階級まとめ一覧

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ゲストキャスト

■ マーク・リュウ(鹿賀丈史)
国連犯罪情報事務局の元理事。長年調査してきたバーズを追って香港から来日。元部下のロイ・モリスの伝言をもとにレイブンの正体を追う。美彌子とは旧知の間柄で、特命係の二人とともに行動する。

■ 土橋紘一(北村一輝)
“黒衣の男”の正体。国際犯罪組織「バーズ」のメンバー。リーダー格の”レイブン”として警察にマークされている。

■ 鷺沢瑛里佳(山口まゆ)
在英日本大使館の参事官令嬢。10歳の時に「バーズ」のメンバーに誘拐され、行方不明になっていた。実際はバーズのリーダー、レイブンに7年もの間育てられていた。バーズの他のメンバーとも親しくなり、半ば組織の一員として活動していた。

■ 岩井孝信(江守徹)
鷺沢瑛里佳誘拐事件発生時の駐英大使。犯人グループからの身代金の要求を拒否するよう進言した張本人。現在は環太平洋評議会専務理事。

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相棒劇場版4あらすじ

国際犯罪組織バーズのリーダー=レイブンを長年追ってきた国連犯罪情報事務局・元理事のマーク・リュウが、香港から来日。

特命係の杉下右京と冠城亘は、社美彌子からの指示で、案内役としてリュウに同行する。

その矢先、リュウの部下が「天谷克則という男を調べてくれ」というメッセージを残し、首に黒い羽のタトゥーを入れた“黒衣の男”に殺害される。

外務省のホームページをハッキングした犯行グループは、
7年前に誘拐した少女、鷺沢瑛里佳の現在の姿を動画で公開。
7年前、駐英大使と日本政府によって闇に葬られた誘拐事件の全貌が明らかになる。

一方、東京では世界の要人を招いて国際平和会議が開かれようとしていた。
国際社会に向けてテロに屈しない国家を示すため、
「国から二度棄てられる」ことになった鷺沢瑛里佳。

犯人グループは、
東京・銀座に50万人以上の見物客が集まる世界スポーツ競技大会の日本選手団の凱旋パレードへの無差別大量テロを仕掛ける。
事件の首謀者レイブンの本当の目的とは?

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映画『相棒4』詳細ネタバレをラスト結末まで

起:テロ事件発生

英国のある屋敷で、日本領事館関係者がほぼ全員が毒殺される凄惨な事件が起こる。

唯一の生き残りは、駐英日本大使館の参事官の娘・鷺沢瑛里佳
しかし、鷺沢瑛里佳も国際犯罪組織「バーズ」によって誘拐されていた。

だが、当時の駐英大使と日本政府は“高度な政治的判断”によって、その誘拐事件を闇に葬ってしまう。

事件から7年後。
社美彌子の指示で、
右京と亘は、国連犯罪情報事務局・元理事のマーク・リュウと共に、「バーズ」のリーダー、レイブンの調査をすることに。

マーク・リュウは、一線を退いてからも長年レイブンを追っており、
日本にレイブンが潜伏しているという情報を得て香港から来日していた。

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リュウの携帯に、部下の一人であったロイ・モリスから、

「レイブンに関する情報を入手した。だが追われている」

と連絡が入る。
しかし、モリスは

「天谷克則(アマガイカツノリ)という男を調べてほしい」

とリュウに伝えた矢先、首に黒い羽のタトゥーを入れた男に殺害されてしまう。

翌日、右京はリュウと共にモリスと行く予定であった食事に代わりに同行するが、
レストラン街で集団食中毒が発生。
リュウも被害に遭ってしまう。

直後、何者かが外務省のホームページをハッキング。
ハッキングした犯行グループは、7年前に誘拐した少女、鷺沢瑛里佳の現在の姿を動画で公開すると同時に

「7年前、日本政府は我々の要求を無視した。今回拒否すれば、大勢の人々が見守る中で、日本人の誇りが砕け散るだろう」

というメッセージと、700万ユーロ(約9億円)の身代金を要求する。

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承:籠城犯・八重樫哲也の真の目的

日本政府は近々行われる国際平和会議を強く意識しており、テロに屈服しない体裁を示すことにこだわる。
佐橋健作副総理(益岡徹)が、犯人の要求には応じない声明を発表。
鷺沢瑛里佳は二度も国に見捨てられてしまう。

そんな中、特命係の2人は独自に捜査に乗り出す。
「天谷克則」は、特別措置法により1959年に死亡扱いとなった人物だったことが判明する。

天谷克則の従兄弟、天谷光代から話を聞く。
天宮克則の両親は、戦時中日本の委任統治領だったトラック諸島に、南洋開拓団として渡っていた。
しかしトラック諸島が襲撃され、空襲で母親を失う。
天宮克則は戦後19歳で何とか帰国するも、父と母は戦死届が出されており、自身も特別措置法で生きていながら死んだものとされていた。

天宮克則は、祖国に見捨てられた人物だったのだ。

絶望した天宮克則は、翌日姿を消し、その後行方知れずになっていた。

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転:7年前の事件の真相

右京は米沢の力を借りて、動画メッセージの撮影場所を突き止めた。撮影場所は、「バーズ」のアジトだった。

「バーズ」のアジトで鷺沢瑛里佳を発見するも、
拘束を解かれた鷺沢瑛里佳は右京と亘に拳銃を向ける。
実は、鷺沢瑛里佳は「バーズ」の一味として活動していた

そんな鷺沢瑛里佳に、右京は

水谷豊「7年前に紅茶に毒を入れたのは瑛里佳ではないか」

と問いかける。

7年前の事件の犯人は、鷺沢瑛里佳だったのだ。

もっとも、本人は毒とは知らず、紅茶にある液体を入れてしまっていた。毒をシロップと偽り、鷺沢瑛里佳に渡していたのはデニス=コナー。「黄色い猿」とバカにされていた鷺沢瑛里佳と仲良くしてくれたコナーは、バースの一味だった。

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右京は、鷺沢瑛里佳の”呪い”の正体を察し、さらに、鷺沢瑛里佳の近くにあったジャケットから一枚の写真が見つける。銀座開明館前で、南洋開拓団を写した写真だ。

その写真から、右京はレイブンの正体が天谷克則だと確信する。そして、レイブンの標的は世界スポーツ競技大会の凱旋パレードの日本選手団だと推測する。

だが、レイブンの真の狙いは日本選手団ではなく、日本選手団の凱旋パレードを見に来た50万人以上の見物客だった。

「大勢の人々が見守る中で、日本人の誇りが砕け散る」

この言葉の真の意味。
東京、銀座。
かつて銀座開明館があった場所。
奇しくも開拓団がかつて国からの激励と期待を背負い送り出された場所で、パレードを見に来た50万人以上の見物客へ無差別大量テロを仕掛ける。
国そのものに復讐する計画だったのだ。

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結:レイブンの正体

パレードの中止までには至らせられずも、
警備を最大限に強化させるよう幹部を説得。
レイブンの部下達を取り押さえながら、ついに右京はレイブンを追い詰める。

レイブンの正体は、マーク・リュウだった。

マーク・リュウこそ、国に見捨てられた天宮克則その人だったのだ。

しかし、山崎警備局長からレイブンの射殺許可が出ており、
右京はマーク・リュウをかばって代わりに撃たれてしまう。
リュウはその場で確保され、テロは未遂に終わり、右京は病院へ緊急搬送された。

山崎警備局長は事件の隠蔽を社美彌子に指示するも、
何者かがマスコミにリーク、テロ未遂事件は明るみになる。

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事件後の取り調べで、右京はマーク・リュウは大規模テロを元々未遂で終わらせる気だったのではないかと問いかける。

事前に食中毒事件として、テロに使う予定の毒ガスの情報を警察に与え、自分でコンビニで買物をする鷺沢瑛里佳の防犯カメラ映像を見つけ、バースのアジトに導いた。さらに、土橋紘一に南洋開拓団の写真をアジトに置いてこさせた。

全ては、右京にテロを止めさせるために。

パレードを見ていた50万人の観客、そしてニュースで大規模テロ未遂事件を知った人々も、日本人が日本人であるだけでテロの標的となった「あの日」を覚えている。テロの脅威を忘れないだろう。

それこそが、「天谷克則」として、祖国を想う気持ちを捨てられなかったマーク・リュウ最期の仕事に選んだ大規模テロ「未遂」事件の真の目的だった。

そして、自身は「外国人テロリスト」として射殺されるつもりだったのだ。

祖国に二度も裏切られてなお、望郷の思いを捨てることができなかったマーク・リュウ。

このまま静かに死なせて欲しいというマーク・リュウに、
右京は

水谷豊「あなたは最後まで生きるべきです。いや、生きてください」

と伝えるのだった。

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映画『相棒4』の謎&疑問を解説

7年前の事件の首謀者はマーク・リュウ?

鷺沢瑛里佳にシロップと偽って毒を渡し、日本領事館関係者を殺させたデニス=コナーは「バース」のメンバーでしたが、
7年前の事件はコナーの単独犯です。
マーク・リュウは関与していません。
当時10歳の鷺沢瑛里佳を巻き込み、天涯孤独にさせたことを知ったマーク・リュウは、怒り、コナーを殺しています。

自分と同じく国に見捨てられた鷺沢瑛里佳に同情したマーク・リュウは、
7年間、自分の娘のように大切に育てていました。

黒衣の男の正体は?

当初レイブンだと思われていた、首にタトゥーのある黒衣の男。
男の正体は、土橋紘一。
天宮克則の息子ではありませんでした。

7年前に瑛里佳を見捨てた駐英大使・岩井孝信のSPです。
7年前の事件で、警察を退職。
1年前、マーク・リュウから接触があり、行動を共にしていました。

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マスコミにリークしたのは誰?

これはもう、社美彌子本人でしょうね。

山崎警備局長からは事件の隠蔽を指示されていましたが、
社美彌子はマーク・リュウと旧知の仲です。

マーク・リュウが今回のテロを起こそうとした動機を考えれば、明るみにするのは当然とも言えます。

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映画『相棒4』感想と見どころツッコミ

今回の事件は色々無理がかなり目立ちましたね~~。

まず鷺沢瑛里佳が、いくら友達がいなくて孤独だったとはいえ、美術館で知り合ったおっさん(デニス=コナー)から毒薬をもらうのはかなり無理があります。
しかも鷺沢瑛里佳のいじめられ方が「黄色い猿」って・・・。
戦時中ならいざしらず、この現代においてなおそんな差別が残っているなら、イギリスの品格が問われます。
イギリスに対しても甚だ失礼です。
そもそもコナーの目的は日本領事館を狙ったテロだったのか?
組織のリーダー、レイブンの指示に背いて単独でやった理由は不明なままです。

そして謎すぎるレイブン対策会議。
副総理、警察庁長官官房付、警備局長って、
なにゆえナンバー2だらけで会議しているのか・・・!?
あきらかに総理・部長マターの案件だと思うんですが・・・。
しかも甲斐さんに至っては、次長時代の名残でとりあえず会議に突っ込まれてるっていう・・・。

北村一輝のレイブンミスリードはちょっとあからさますぎました。
北村一輝のカマセ感が半端ないです・・・。
もったいない・・・!!

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マーク・リュウの大規模テロ計画も穴だらけというか・・・
「テロは未然に終わらせる」という結果から、逆算で組み立てられた脚本なのがヒシヒシと・・・。

日本選手団の凱旋パレードが行われたのは、
銀座8丁目交差点から日本橋室町までのルートでしょうが、
この距離約2.5キロです。

2.5キロのパレードで、50万人の人混みの中、
右京さんが土橋紘一を止め、警視庁から抜け出した鷺沢瑛里佳と出会い、さらにマーク・リュウまで見つけるのはまず不可能です。

逆に言えば、それができたということは、マーク・リュウが「テロを止めさせるように」動いているとしか見えないんですよね。
「私を見つけてくれ」と言わんばかりの動き。

わざわざ警視庁のメインサーバーを乗っ取り、捜査員全員のスマホと無線をダウンさせ、
さらに土橋紘一に監視カメラを狙撃させたのは、
マーク・リュウが毒ガスを散布するための時間稼ぎじゃあなかったのか・・・。

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しかも右京さんは百貨店内で土橋紘一を取り押さえ、またパレード現場に戻っているわけで、
マーク・リュウ右京さん戻ってくるの待ってたんですか?というノロマっぷり。

つまりいくらでも毒ガスを散布する時間はあったわけです。
わざわざ捜査員に見つかるのを待って動き出した事自体不自然です。

結局途中から、マーク・リュウの自作自演感が強くなってしまったがゆえに、テロの危機感と緊迫感がほぼほぼ皆無。

相棒の魅力は犯人推理もありますが、犯人がわかっていようとそこから繰り出される杉下右京VS犯人の人間ドラマなので、あんまり犯人当てに終始しなくていいと思うんですが、
しかしそれならキャスト見た時点でレイブン=鹿賀丈史とわかるキャスティングはどうよと。

劇場版1作目も西田敏行が犯人なのは明らかだったので、それをわかってなお、見応えのあるドラマがあったから面白かったんですよね。
鹿賀丈史さんの演技は文句なしに素晴らしいです。
だからこそそこに至る過程が、とてももったいなく、残念でした。

天谷克則の絶望は察するに余りありますが、死亡宣告の取り消しを求め、戸籍を回復する選択肢も残されていたはずです。
戦争の悲惨さを知っていながら、国際テロリストになった天谷克則の人物像は理解しかねます。

舞台は東京オリンピック意識してるのは分かるけど、1作目まんまだしなあ・・・。
やはり戸田山雅司さんが相棒シリーズから離脱してしまったのは大きな痛手でしたね・・・。