コナン映画『黒鉄の魚影(サブマリン)』ネタバレ・あらすじと感想についてまとめています。
八丈島沖に建設されたユーロポールの施設、パシフィック・ブイ。そこで導入された「老若認証システム」により、灰原哀の正体がシェリーだと、ジン達黒ずくめの組織に知られてしまった!ウォッカに拉致された灰原の救出に奔走するコナン。しかも、パシフィック・ブイ内で殺人事件が発生してしまう。犯人は一体誰なのか?そして新たな組織のメンバー、ピンガの正体とは?
ラストまでネタバレしていますので、結末を知りたくない方はご注意ください。
目次
黒鉄の魚影(サブマリン)ネタバレをラスト結末まで
ドイツ、フランクフルト。
黒ずくめの組織のキールが、一人の女性を追跡していた。
負われているのは、ユーロポール防犯カメラネットワークセンター職員のニーナ。
ニーナは、FBIのジョディに、センターに侵入した犯人の仲間に負われていると連絡。だが直後、橋に追い詰められ、逃げ場を失ってしまう。
銃口を向けながらも、キールは「海に飛び込んで、早く!」と小声でニーナにささやく。
橋から海へ飛び込もうとした時、キールの肩を貫通し、ジンの放った弾丸が、ニーナを貫いた。
***
日本の、都内某所。
白のRX-7の車内には、バーボン(=降谷零)とベルモットの姿があった。
スマホを確認したベルモットは、今のところ計画は順調だと言う。後は、例のシステムでとある人物をさがすだけだと。
その頃、コナン、灰原、少年探偵団のメンバーは、阿笠博士と米花デパートに来ていた。
少年探偵団のお目当ては、福引きの1等、八丈島のホエールウォッチングだ。だが残念ながら、全員ハズレ。
一方、灰原のお目当ては、フサエブランドの限定ブローチ。フサエブランドの顔である、イチョウの葉をモチーフにしたブローチだ。
灰原は整理券の最後の1枚を手にするが、直後、着物を来た老婦人が現れる。
「1時間もかけて電車で来たのに・・・」と残念そうに帰っていく老婦人を見た灰原は、その整理券を譲ってあげることに。「そんな、いいのよ」と受け取ろうとしない老婦人に、「値段ちゃんと見てなくて、私には高かったから」とウソをつく灰原。
その様子を、蘭と園子が上層階から見ていた。
「すました子かと思ってたけど、優しいとこあるじゃない」と灰原を見直したという園子は、福引きに外れて残念がる少年探偵団を、鈴木財閥が所有する八丈島のリゾートホテルに招待することに。
出発前、阿笠博士は、新たな発明品を子供達に自慢していた。
今回の八丈島行きに合わせて開発した、スキューバタンクを圧縮した、小さな小型の簡易タンクと、水中移動装置だ。
移動装置は、ヘッドがサメ、イルカ、カメと3種類あり、取り替えられる。しかも、「30mまで潜れる」優れ物。
それを聞いたコナンは、「30mは危険だぞ~~~」と返すが・・・。
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パシフィック・ブイと新たなメンバー、ピンガ
コナン、灰原、少年探偵団、そして蘭と園子、小五郎一行は八丈島へ。
ホテルに向かう博士のビートルの車中で、コナンは「警視庁」と書かれた船を目撃する。何か事件なのだろうか・・・。
コナンの隣で、灰原は、スマホであるニュース映像を見ていた。
八丈島の近くに、インターポールの施設ができるという。
それは、世界中の警察が持つ防犯カメラを繋ぐ世界初の施設、「パシフィック・ブイ」。
責任者の牧野洋輔と、システム開発者の直美・アルジェントが、施設について解説していた。
直美の姿に、灰原は「どこかで会ったような気がするんだけど・・・」とつぶやく。
ホテルに到着すると、コナンのスマホに、沖矢昴(=赤井秀一)から電話が。
ドイツにあるユーロポールの防犯ネットワークセンターに何者かが侵入し、目撃者がジンに殺害されたというのだ。
侵入者は、キュラソー亡き後、組織のNo.2であるラムの側近として活動している正体不明のメンバー。
コードネームはピンガ。
わかっているのは、髪をコーンロウに編み上げているということだけだ。
さらに、そのユーロポールネットワークセンターと回線を繋いで、本格始動するのがパシフィック・ブイだ。
赤井の話から、コナンはこれまで出会った組織のメンバーを思い出していた。
ジン、ウォッカ、コルン、テキーラ、ラム。
男性メンバーのコードネームは、全員蒸留酒だ。そして、ピンガは、ラムと同じ製法・・・。
新たな黒ずくめのメンバーの登場に、コナンは嫌な予感を感じるのだった。
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コナン達はホエールウォッチングに行くため、港へ向かう。
ライフジャケットを来て、丑尾寛治の観光船に乗船しようとした矢先、コナンは警視庁の船を再び目撃する。
しかも、白鳥警部が黒田管理官と乗り込もうとしていた。コナンは博士に言い訳を頼み、こっそり潜り込む。
警視庁の船が向かった先は、パシフィック・ブイ。
しかし、上陸すると同時に、「そろそろ教えてもらえるかな。なぜ我々と共に来たのか」と、黒田管理官に見つかってしまう。
「船を間違えちゃって・・・」と言い訳するコナン。
白鳥に「どうしてもっと早く言わないんだ」とたしなめられるが、出迎えた牧野局長と直美のはからいで、パシフィック・ブイ内への同行を許された。
海中のメインルームへと案内された一行は、システムを運営するエンジニアたちを紹介される。
■ 牧野洋輔(声:沢村一樹)
局長。日本出身。
■ 直美・アルジェント
エンジニア。イタリア人の父と日本人の母の間に生まれ、アメリカで育つ。
■ グレース
エンジニア。フランス出身。
■ レオンハルト
エンジニア。ドイツ出身。
■ エド
エンジニア。インド出身。
ユーロポールの防犯ネットワークセンターと接続されると、大モニターには日本とヨーロッパの全ての防犯カメラの映像が映し出された。
しかも、AIによる顔認証で、犯罪歴なども瞬時に表示される。
さらに、直美が開発した「老若認証」で、過去の写真から年月を経た現在の顔をCGで作り、長期の逃亡犯や誘拐の被害者を世界中で追跡できるというのだ。
「確かにすげーけど・・・」と、コナンは老若認証のすごさを認めつつも、一抹の不安を覚える。
休憩になり、グレースはコーヒーを買って来るとコナンに提案する。
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休憩が終わり、業務を再開するが、トイレに行ったはずの直美が戻って来ない。
防犯カメラの映像を調べたところ、直美が2人組の清掃員に拉致されたことが判明する。
犯人は海中出入口を使ってパシフィック・ブイへと侵入していた。
だが、その出入口を操作できるのはメインルームのメンバーだけだ。直美をさらった犯人の仲間が、この中にいる・・・。
実は、この2人組の清掃員こそ、変装して潜り込んでいた、バーボンとベルモットだった。
ウォッカ、キールと合流したベルモットは、直美が身につけているネックレスが、USBメモリになっていることに気付く。
中にはテストファイルと名付けられた、1枚の画像が入っていた。
写っていたのは大人のシェリーと、別の場所にいる灰原の姿。そして、老若認証一致の表示。
ベルツリー急行で爆死したはずのシェリーが、子供の姿になってどこかで生きている?
驚いたウォッカは、直ぐ様その事実を、ドイツにいるジンに連絡。するとジンは、「直接確かめる」と、自分が着くまでにそのガキを拉致しておくよう命じた。
既に灰原の正体がシェリーであると知っていたベルモットは、「計画にない行動はすべきじゃないわ」と、灰原の拉致を拒否。
バーボン、キールもそれに続くが、ウォッカは「元々お前らなんか当てにしていない」と、シェリーの誘拐をピンガにやらせることに。
ピンガは、「人を蹴落としても成り上がりたい野郎」だ。
だが、ベルモットは理解していた。そのピンガが一番蹴落としたいのが、ジンであることを。
そして、老若認証システムが、決して触れてはいけない<玉手箱(ブラックボックス)>であることも。
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パシフィック・ブイに、警視庁からの応援が到着。目暮警部、佐藤刑事が職員たちの事情聴取を開始した。
調査の結果、犯人がパシフィック・ブイのシステム上にバックドアを仕掛けた可能性が浮上する。システムは外からの攻撃には備えているが、中からの攻撃には弱い。
外部と接続する今日、このタイミングを狙っての犯行に、エンジニアたちが容疑者として疑われる。
元々日本人に偏見を持っていたレオンハルトは、自分たちを疑う日本警察の態度に、怒りをあらわにする。
ホテルに戻り、蘭達と合流したコナンは、夕食後、阿笠博士にパシフィック・ブイの事件に組織が関わっていることを報告する。
だが、その一部始終を灰原に聞かれてしまっていた。
コナンは「明日、少年探偵団と一緒に帰ってくれ」と、自分の追跡メガネを渡す。予備のメガネなら持っているという灰原。
「そのメガネは博士が作った1号機。言ったろ?かけると正体が絶対バレねえんだ」と言うコナンに、灰原は呆れたように「でもすぐピスコにバレたじゃない」と返す。
「お守りだ」というコナンに、複雑な笑みを浮かべる。
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その夜、ホテルの部屋で、灰原はコナンと交換した追跡メガネを眺めていた。
その時、窓の外に強く「彼ら」の気配が・・・。
慌ててカーテンを閉めるが、「彼ら」の気配は強くなるばかりだ。
自身が狙われていることを確信した灰原は、隣で寝ている歩を危険に巻き込まないよう、着替えて部屋を出ようとドアを開けた。
そこへ、ウォッカとピンガが立ちふさがる。
異変に気付いたコナンと蘭は、灰原を取り返そうと奮闘。
蘭は、ピンガの首に蹴りを入れ、あと一歩のところまで追い詰めるが、キャンティの狙撃に遭い、灰原を乗せた車は走り去ってしまう。
コナンは博士に応援を要請、追跡を開始。博士のビートルとスケボーで、挟み撃ちにしようと試みる。
何とか崖へと追い詰めたかと思われたその時、ウォッカが運転する車は、躊躇なく崖から飛び出し、海中へと姿を消した。
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車を追ってコナンも海中へと飛び込むが、組織の潜水艦が現れ、そのまま灰原を連れ去ってしまう。
海岸で号泣する博士に、コナンは静かに、「灰原はオレがぜってぇ助けに行く」と告げる。
ホテルに戻ったコナンと博士は、目暮警部と佐藤刑事に、灰原の誘拐について自分たちが見たことを話す。
だが、潜水艦の話を信じてもらえず、思わず声を荒げるコナン。
そこへ赤井から連絡が入った。潜水艦のことを報告し、ライフルでは歯が立たない海中の潜水艦とどう戦うか、思案する。
その後、変声機で工藤新一に声を変え、蘭に連絡を入れる。
灰原がさらわれ、不安そうな様子の蘭。「こっちに来れないの?」という蘭に、コナンは「いざとなったら絶対行ってやっから」と返す。
そして、ケースから取り出したアポトキシン4869の解毒剤を見つめ、「いざとなったら・・・な」と決意する。
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組織の潜水艦の中で意識を取り戻した灰原は、同じく拉致された直美と共に、一室に閉じ込められていた。
二段ベッドが2つあるところを見ると、寝室だろうか。
ベッドの上には探偵団バッジが。一体誰が・・・?
直美は、灰原を見て「本当に似てる・・・志保に」とつぶやく。
だが、まだ直美のことを思い出せない灰原は、「彼らとどういう関係なの?」と警戒する。
そこへ、扉が開き、ウォッカとキールが部屋に入って来た。
ウォッカは「その言い方、そっくりだぜ」と笑う。「あいつは組織になじまなかったからな」。
そして、灰原の拘束をキールに命じた。縄で縛られる際、灰原はしゃがんだキールのフードに盗聴器を仕込む。
キールはもちろん気付いていたが、あえて知らない振りをし、盗聴器を放置。
灰原が組織のことを「彼ら」と言ったことから、目の前にいる子供がシェリーであると確信を強めたウォッカは、「お前シェリーなんだろ?」と尋ねるが、灰原は答えない。
「黙っていられるのも今のうちだ」というウォッカ。
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翌日、コナンに安室から連絡が入った。
安室は、灰原が組織の潜水艦内に拉致されていること、そして灰原の姿を確認するため、ジンがドイツから日本に向かっていることを告げる。
夕方にはジンがヘリで潜水艦に合流する。
空から来るジンを迎え入れるため、潜水艦は必ず浮上する。
灰原を助けるチャンスは、そこしかない。
***
一方、潜水艦内では、直美が宮野志保との出会いについて、灰原に話していた。
直美は子供の頃アメリカに住んでいたが、日系人が珍しかったのか、いじめを受けていた。
そんな直美を助けてくれたのが、宮野志保だった。
志保はスクールバスで直美に席を譲ってくれたが、今度は志保がいじめの標的になってしまった。
そのことを、ずっと謝りたいと後悔していた。
そして、いじめをきっかけに、人種差別をなくすため、老若認証システムを開発したのだと打ち明ける。
灰原は、インターポールの他に老若認証システムを欲しがった人間はいなかったか尋ねる。
すると、「ピンガ」という人物からコンタクトがあったという。既にインターポールへの導入が決まっていたため、断ったというが・・・。
インターポールのエンジニアとなった直美は、本格始動した老若認証システムを使って、真っ先に志保を探した。
会ってあの時のことを謝りたい。大人になった彼女にもう一度会いたい。
その一心で直美は志保を探していたが、老若認証システムでなぜか子供の「灰原哀」の画像までヒットしてしまった。
「私のせいであなたを巻き込んでしまった」とうなだれる直美に、灰原は「いいえ、巻き込んだのは私の方」と心の中で返すのだった。
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レオンハルト殺人事件発生!犯人の正体は?
コナンは目暮警部たちと、灰原が拉致された際の防犯カメラの映像を確認する。だが、ウォッカとピンガの乗ったジープはおろか、博士のビートルの姿すら写っていない。
実は、防犯カメラの映像そのものが、組織の手によって書き換えられていたのだ。
それに気付いたコナンは、犯人の逃走ルートをスマホのマップで示し、警視庁にある防犯カメラデータから、ウォッカたちの追跡を提案。
マップを見たレオンハルトは、ある事実に気付き、ある人物の部屋を訪れ、昨日何をしていたのか問い詰める。
だが、その人物こそピンガだった。
ベッドの上で揉み合いになった末、レオンハルトは殺害されてしまう。
そして、メインルームのモニターに、レオンハルトが自身が直美拉致の共犯者であると告白するメッセージが表示された。
エドがサーチした結果、レオンハルトはカフェにいた。
コーヒーを口にしたレオンハルトは、急に苦しみ出し、そのまま床に倒れ込んだ。
慌ててコナンたちが駆け付けるが、レオンハルトは既に息絶えていた。
口にかぶれたような赤い痕が残っていたことから、レオンハルトは自身の犯行を告白し、服毒自殺したのではないかと思われた。
だが、コナンはレオンハルトからかすかにシンナーのような匂いが香っていたことが気にかかる。
しかも、エンジニアはパシフィック・ブイ内に自室が与えられている。自殺するなら、自分の部屋でするのが自然ではないのか。なぜあえて、人目につくカフェで・・・?
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潜水艦内では、ウォッカが直美を部屋から移し、組織への協力を求めていた。
組織が老若認証の開発者である直美を拉致したのは、システムを使い、全ての防犯カメラ上から組織のメンバーの痕跡を消すためだった。
だが、直美はこれを拒否。
すると、パソコンの画面に、EU議会の議員として現在ドイツに滞在中の、直美の父親・マリオの姿が映し出された。
しかも、コルンが今にも狙撃しようと、マリオにライフルの照準を定めている。
ウォッカは、協力しなければ父親を殺すと直美を脅す。
マリオ救出のため、FBIのジョディとユーロポールの捜査官・ハンスが向かうが、コルンに阻まれ、マリオは狙撃されてしまう。
血まみれで倒れる父親の映像を見て泣き崩れる直美に、ウォッカは「これでも協力を拒むなら、次はお前の母親だ」と追い打ちをかける。
その様子を見ていたキールは、自身の父親を思い出し、密かに拳を握り締めた。
部屋に戻された後も、自分のせいで父が死んだと泣き続ける直美。
自分のせいで家族が組織の手にかかって死ぬ苦しみ・・・。灰原もまた、組織に殺された姉を思い出し、涙するのだった。
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ヘリで上空から降りてくるジンを迎え入れるため、組織の潜水艦が浮上を開始した。
今なら探偵団バッジを使って、灰原と連絡が取れるかもしれない。コナンは灰原に呼びかけ、脱出計画を話す。
ウォッカとピンガは、崖から車ごと海の飛び込み、潜水艦に海中から乗り込んだはずだ。つまり、その方法を使えば、灰原と直美も艦内から脱出することができる。
だがその方法がわからない・・・。
コナンと灰原の会話を扉越しに聞いていたキールは、灰原にヒントを与えるため、ウォッカにその方法について話し掛ける。
その方法を使うのは「二度とごめんだ」というウォッカ。
そう、彼らは魚雷発射管から潜水艦に乗り込んでいたのだ。
艦内から脱出する場合、装置を作動させれば魚雷発射管に海水が満ち、70秒後には海中に自動排水される仕組みだ。だが当然、魚雷が発射されかねないリスクを伴う。
あるいは艦内のレバーを引けば、装置は強制停止し、死に至る。
キールのフードに仕掛けた盗聴器からその情報を得た灰原は、拘束を解き、脱出のための準備を始める。
手の縄もまた、あえて解きやすいようにキールが結んでくれていた。
だが父親の死を目の当たりにした直美は、心が折れてしまっていた。「コナン君やあなたのような子供に何が出来るの」と取り合わない。
そんな直美に、灰原は、
灰原「子供だから何?子供の言葉や行動で、人生が変わることもある。私をそれを体験して変われた。だから私を信じて、直美!」
と説得する。
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ついに、ジンが到着した。
「お前がシェリーだというガキの面を見せてもらおうか」と、灰原と直美を拘束している部屋に向かうが、2人の姿はない。
慌てるウォッカ。無線で、乗務員から排出装置が作動しているとの連絡が入る。
海水が満ちるまで、あと70秒。
脱出を目前に、だが灰原はジンの気配をハッチ越しに感じていた。
・・・・・・いる。すぐそばに。
「2人とも殺すだけだ」と、強制停止レバーを引こうとするジンを、キールが拳銃で止める。シェリーが幼児化した理由を確認するため、生かして補足すべきだと。
ウォッカも「一理ある」と同調するが、ジンは「お前まさか・・・ ネズミじゃねえだろうな?」とキールを疑う。
そうこうしている内に、70秒が経過。キールの時間稼ぎが功を奏し、灰原と直美は、無事海中へと排出された。
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海中で灰原と直美は、コナンと合流する。
博士が作った水中移動装置を使って、2人を迎えに、コナンがすぐ側まで来ていたのだ。
そのことをソナーで探知したジンたちは、装置を追って追撃を開始する。だが、それはヘッドを「サメ」から「カメ」に付け替え、「自動運転」にしたダミーだ。
潜水艦の誘導に成功したコナンたちは、水面へと浮上する。
その手際に、「あなた・・・何者?」と驚く直美。
「江戸川コナン・・・「探偵よ」とコナンの決めセリフを、灰原が引き継ぐのだった。
丑尾寛治の観光船で来ていた蘭と博士に拾われ、3人は無事、パシフィック・ブイへと帰還する。
「無事で良かった」と自分を抱きしめる蘭に、灰原は「お姉ちゃん・・・」と宮野明美の姿を重ねていた。
***
ジンに、ベルモットから連絡が入った。
実は、ベルモットは、老若認証システムのある欠陥について、「あの方」に報告し、調査を進めていた。
直美のUSBメモリには、「test」と名付けられたテスト画像が1枚しか入っていなかった。
そのため、実際に老若認証システムの運用を試みたところ、「灰原哀」以外にも、女子高生や会社員など、シェリーと外見的特徴が一致する人物が複数検出されたのだ。
つまり、老若認証はよく似た人間を検知しているだけの、欠陥システムということになる。
それを知ったジンは、「とんだクソシステムじゃねぇか」と吐き捨てた。
都内を移動中の車中で、その報告を受けたラムも、失望を隠せない。
「あの方の所在をつきとめるのに使えると思ったんだがな・・・」とつぶやくラム。
どうやらラムは、No.2の自分ですら長い間会っていない「あの方」を探すために、老若認証システムを使おうと考えていたようだ。
老若認証システムは、もはや組織にとって利用価値のない無用の産物となった。
ジンは「沈めてやるよ・・・黒鉄の海底に」と、パシフィック・ブイを破壊すべく、動き始める。
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ピンガの正体、組織の潜水艦VSパシフィック・ブイ
正体が組織にバレてしまった今、灰原は自分がみんなの元に戻って良いのか、悩んでいた。
そんな灰原に、コナンは「ピンガを見つけて取引を持ちかける」という。
冷えた身体を温めるため、コーヒーを飲む3人。
直美がカップについた口紅を拭う仕草を見て、コナンはあることに気付く。
「待ってろ!」と言い残し、走っていくコナンの後ろ姿を見ながら、灰原は「・・・ったく・・・待たせるの好きよね、工藤くん」と微笑むのだった。
***
メインルームで、小五郎を麻酔銃で眠らせたコナンは、推理ショーを始める。
ラインハルトは、カフェで服毒自殺した際、コーヒーに口をつけた後、カップの縁を拭っていた。
蘭の母親である妃英理や、先程直美がしていたような、女性特有のカップについた口紅を消す仕草だ。
だがラインハルトは男性だ。
何故そんなことをしたのか?
そう、犯人は女性だから。ラインハルトを殺害した犯人は、グレースだ。
グレースは、最初の休憩の際、コーヒーを飲んだ後、カップの縁を拭う仕草をコナンの前で見せていた。
また、砂糖入りのコーヒーの数を尋ねられ、コナンは親指と人差指を使って「砂糖入りをこれだけね」と伝えたが、グレースはそれを「1つ」と勘違いしていた。
フランス出身であるグレースが、フランスにおける「2」のハンドサインを知らないはずがない。
実は、ラインハルトがカフェで服毒自殺した監視カメラの映像は、グレースが作成したディープフェイクだった。
コナンが提示した犯人の逃走経路から、ラインハルトは映像の改ざんを行ったのが、グレースだと気付く。
問い詰められ、グレースは止む無くラインハルトを殺害。その後、自殺を偽装した。
だから、自室ではなく、カフェで倒れてみせたのだ。自室には監視カメラが付いていないため、ラインハルトの死を自殺だと偽装できない。
老若認証システムを使って、頭部はCGで再現したが、突発的な犯行だったため、全身までCGで作成する時間がなかった。つまり、身体は犯人本人の物だ。
だからつい癖で、カップの縁を拭ってしまったのだ。「女性であろうとするあまり」に。
つまり、グレースは女性ではない。
グレースに変装していた人物こそが、ピンガだったのだ。
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ピンガは、灰原を拉致した際、蘭の蹴りを受けていた。その証拠として、首にあざが残っていた。
正体がバレたピンガは、グレースの変装を解き、逃走。
ドイツでユーロポール防犯カメラネットワークセンターに侵入した際、ニーナに目撃され、発砲して逃走していた。
パシフィック・ブイ内の防犯カメラの映像から、ピンガを追う。
コナンは、左耳のピアスが右耳に変わっていたことから、ピンガが映像を反転させて逃げていることを見抜き、ピンガにたどり着いた。
その推理を聞いたピンガは、思わぬ事を口にする。
「さすがだな・・・工藤新一」と。
コナンはピンガと取引をするつもりだったが、逆にピンガは、老若認証システムを使って、コナンの正体が工藤新一であることを見抜いていた。
この事実を組織に報告すれば、ジンを失脚させることができると息巻くピンガを、コナンは「ジンならこんなヘマはしない」と挑発する。「お前はジンもどきの、ただのチンピラに過ぎない」と。
憤慨したピンガは、コナンを暴行。そのまま逃亡してしまう。
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安室・赤井の共闘、コナンと灰原の恋物語の切ない結末
何とか立ち上がったコナンの元に、安室から連絡が入った。
まだコナンがパシフィック・ブイ内にいることを知り、驚く安室。すぐにそこから逃げるよう促す。
間もなく組織の潜水艦が、パシフィック・ブイに攻撃を開始する。
パシフィック・ブイにいる人達を避難させなければというコナンに、安室は「それはもう伝えた」と返す。
安室から連絡を受けたであろう黒田管理官が、既にメインルーム以外の避難誘導を開始していた。
そんな中、赤井からも連絡が入った。2台のスマホを重ね、互いの動向が知れるようにするコナン。
赤井は、潜水艦を破壊するため、ロケットランチャーを準備していると告げる。
米軍武器の日本国内での使用に、反発する安室だったが、既に安室が恋人ともいうこの国ーーー日本そのものが危機に瀕しているのだ。
「海自が来る前に済ませろよ、ライ!」という安室に、赤井は「もちろんだ、バーボン」と応じた。
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組織の潜水艦から、2機の魚雷が放たれた。
「これでパシフィック・ブイは終いだ!」と高笑いを浮かべるジン。
だが、そこはユーロポールの施設たるパシフィック・ブイ。牧野局長は、「どれだけの防衛設備を備えていると思っている!」と、デコイを発射。
魚雷をおびき寄せ、パシフィック・ブイの防衛に成功したかに見えた、が。
次の魚雷に対抗しようにも、何故かデコイの発射管が開かない。
ベルモット「玉手箱は海の底に沈んでないと・・・ね」
「パシフィック・ブイをつぶせ」という司令を、ボスから直接受けていたベルモットが、裏で暗躍。防御システムを停止させてしまったのだ。
エドが防御システムにもバックドアが仕掛けられていたことに気付くが、時既に遅し。デコイの発射管は全て封じられてしまった。
魚雷は目前に迫っている。もはや一刻の猶予もない。
牧野局長は、パシフィック・ブイを捨てることを決断。館内の全員に退避を命じた。
潜水艦の攻撃を受け、崩れゆくパシフィック・ブイを、黒田管理官は避難船で海上から見つめていた。
「あのシステムはいくらでも悪用できただろうに・・・それとも奴らに破壊する理由が・・・?」と訝しむが・・・。
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一方、コナンは博士の水中移動装置を使い、魚雷が飛び交う危険な海中へと飛び出していた。
海中は空中ほど空気の密度が高くないため、1,500m以上は距離を取らなければ、魚雷爆発の影響を免れない。
慎重に距離を取りながら、しかし潜水艦のスクリューに巻き込まれるギリギリの距離で、コナンは花火ボールを射出した。
海中が青い光で輝き、巨大な黒い潜水艦の姿があらわになる。
それを直上から確認した赤井は、
赤井「補足した。沈め・・・!」
放った弾丸を、見事、潜水艦に着弾させる。
「よくやったぞ、坊や」とコナンを称えながら、赤井はヘリで海上を後にした。
だが、限界までその場に留まっていたコナンは、意識を失い、暗い海底へと沈み始めていた・・・。
***
コナンが潜水艦を破壊するため、海中へ向かったことを知った灰原は、自らも博士の装置を手に、コナンを追って海へと飛び込んだ。
それを知った博士は、「あの機体はバッテリーが・・・!」と慌てる。
海中を漂う予備のメガネを見つける。それをポケットに仕舞うと、再びコナンを探そうとするが、装置はバッテリー切れだ。止む無く装置を手放し、自力で泳ぐことに。
しばらくして、意識を失ったコナンを見つける。
簡易タンクを口に含ませ、酸素を送り込むが、目を覚まさない。灰原は、人工呼吸を試みる。
すると、コナンが息を吹き返した。
灰原の姿を見たコナンは、「あぶねー 助かったぜ」と笑う。
急浮上すると減圧症になってしまうため、ゆっくり浮上することを提案する。
だが、灰原はこのままみんなの元を離れる決心をしていた。自分の正体がシェリーだと組織に知られてしまった今、自分の居場所はどこにもない。
灰原「バイバイだね、江戸川コナンくん」
そんな灰原に、コナンは、
コナン「そんな顔してんじゃねーよ・・・言ったろ?おれがぜってーなんとかしてやるってよ!」
と笑い、灰原の手を引いて、浮上していく。
灰原「どうして・・・どうして・・・あなたはいつも・・・そんな顔ができるのよ・・・。工藤君・・・あなたは知らないでしょうけど・・・私達さっき・・・キスしちゃったのよ?」
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パシフィック・ブイを脱出したピンガは、潜水艦へと到着。
だが、スマホのメッセージは全て既読スルーされ、艦内からの応答はない。
ふと、水艦の上に積載されていた潜水艇がなくなっていることに気付く。
「そういうことかよ・・・ジン・・・!」というピンガの叫びは、潜水艦の爆発音とともに消えた。
実は、ピンガの帰投を待たずに、既にジン、ウォッカ、キールは、潜水艇で沈みゆく潜水艦から脱出していた。
「ピンガには伝えたのよね?」というキールに、ジンはとぼけたように、「さあ・・・どうだったかな」と返すのだった。
***
コナンと灰原は、無事海面へとたどり着いた。
コナン達が甲板にいることに気付いた蘭が、駆け寄って来る。
だが、灰原は倒れたままだ。「減圧症か!?」と慌てたコナンは、灰原に人工呼吸を試みようとする。
それをパシ、と手で制止し、起き上がった灰原は、おもむろに蘭にキスをする。
そのまままたパタリと倒れ込んだ灰原に、何が何だかわからない、コナンと蘭。
灰原は口端を上げ、つぶやいた。
灰原「ちゃんと返したわよ・・・あなたの唇」
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エンドロール後のポストクレジット、来年は服部&キッド!?
コルンに狙撃された直美の父・マリオの意識が回復したとのニュースをテレビで見て、喜ぶコナンたち。
そして、今日は直美が次の任地へ旅立つ日だ。
どこへ行くのか灰原に尋ねられるが、規則で次の任務地を明かすことはできない。だが。
「子供の言葉や行動で、人生が変わることもある」。潜水艦の中で灰原が掛けてくれた言葉を、直美は口にする。
そして、今の自分の夢があるのは、あなたのおかげだと、灰原にお礼を言った。
灰原に見送られながら、直美は「また会えて嬉しかったわ・・・志保」と、そっと心の中でつぶやいた。
そんな2人の様子を見ながら、コナンは安室の報告を思い出していた。
「灰原哀」以外にシェリーと外見的特徴が一致する人物が複数検出されたことで、組織が老若認証システムの使用を断念したこと。そして、ピンガが行方不明だということ・・・。
各地に現れた「シェリーのそっくりさん」は、おそらくベルモットの変装だ。
だが、ベルモットが灰原を助けたワケは・・・?
訝しむコナンと、一人の老婦人がすれ違う。
灰原がフサエブランドの整理券を譲ってあげた、あの老婦人だ。
エレベーターのドアが締まる瞬間、老婦人の変装が解かれ、ベルモットの顔があらわになる。
ベルモット「助けたワケ・・・?それを探るのがあなたの仕事でしょ・・・シルバーブレット君」
ベルモットの帯留めには、イチョウのブローチが光っていた。
***
2024年の映画告知では、「許さんでぇ、キッド・・・!」という服部の声と、トランプが舞う。
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※本ページの情報は2023年5月時点のものです。最新の配信状況は U-NEXTサイトにてご確認ください。
※『灰原哀物語』や映画の配信は2023年7月14日までの限定です。お見逃しなく!