井上雄彦監督の映画『スラムダンク』を初日に見た感想です。
スラムダンク映画が「良かった~」「感動した~」「面白い!」という人は見ないでください。くれぐれも閲覧はご注意ください。
そんなもんはどこにもありません。
それはあなたの感想です。また同時に、これは私個人の、
吐き気がするほどトラウマを植え付けられた、20年来のスラダン原作ファンの視点からの、映画『ファーストスラムダンク』のネタバレ&感想です。
※ラストまでネタバレしていますので、ネタバレ・結末を知りたくない方はくれぐれもご注意ください。
目次
パンドラの箱を開けた結果、最悪しかなかった話
実写版ドラゴンボールを映画館で観て、1,800円返してくれと思った以上のトラウマで、
もうしばらく原作すら読めない、開けないレベルの打撃を受けました。
スラムダンクを読んで小学校の時バスケットを始めて、
中・高・大は、本当にスラムダンクの言葉が人生の支えだった。
井上雄彦さんの大ファンで、スラムダンク以外の作品も「楓パープル」から全部追ってるし、
イラスト集も全部持ってる。
「最後のマンガ展」も何度もめぐったし、
スラムダンクやバガボンドは、何千枚、何万枚と模写して、
筋肉や等身のバランス、割合まで徹底的に分析した。
山王戦なんかもうフル暗記してる。
絵の角度も、カットも、セリフも全部空で言える。
だからこそ、この映画はパンドラの箱でした。
たぶん、私みたいな原作ファンはそれこそ、大勢いたんじゃないのかなあ・・・。
おそらく映像化するなら山王戦だろうし、
山王戦のあの感動を映像でどう蘇らせるのか。
期待半分、不安半分。
それが予告が公開されて、
島の感じが『ピアス』っぽいなあ~~~・・・、と早くも漂ういや~~~~な予感。
後ろ姿の女性って彩子・・・・・・?(←まさかのオカン。)
そしてさらに声優交代が発表されて、
もう観に行くか散々迷ったんですけど、
でも、開けてみたい欲求が勝ちました。
見たかったんです。スラムダンクが。
・・・・・・結果、開けるべきでは絶対になかった。
最高の思い出は最高の思い出として、
封印しておくべきだった。
今でも、山王戦の最後のシーンは、漫画界最高峰の演出・描写だと思っています。
あれを超える漫画はない。
なのに。
まさか、まさか原作者自身の手によって、
20年以上、大事に、大事に、大事にしてきた宝物がぶち壊された感じです。
メチャクチャ大好きな、今でも大事な大事な、宝物を。
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原作の究極の改悪とこれまで炎上した理由
よもやの主役の改変→主役はまさかの宮城リョータ
予告がリョータしかしゃべってない、
キービジュアルが背の順にしても、なんでリョータがセンター???
花道の立ち位置、主役じゃなくない???
言われみれば無視してきた違和感はいくつかあったんです。
この時点で気付くべきでした。
この映画の主役は宮城リョータであることに。
徹底した情報統制はある意味、原作ファンを食い物にするためだけに伏せてきたんですよね?
さすがにリョータが主役だと知っていたら、映画館には観に行かなかった。
前売り発売の後に声優交代が発表されたり、
散々詐欺商法のような形で公開するな・・・とは思ってたんですが、
理由は見てわかりました。
対戦相手が山王は、大方予想がついていたことなので、なんでここまで隠すのか??マジで謎だったんです。
原作に思い入れのあるファンであればあるほど、「山王戦の映像化」はかなりの引きになるはずですから。
理由はリョータが主役だったからですよね??
ならば、
主役:宮城リョータと大々的に表記してください。
何なら※で、「※これは宮城リョータが主役の映画です。」と注意書きの表記してほしいレベル。
「※見本と本品は著しく異なります。」レベルの差があるから。
だって桜木花道をもう一度劇場のスクリーンで見たかったんだ。
あんな、申し訳程度にハイライトで描かれた適当な「誰これ?」の声の花道じゃ絶対にない。
「1回やったものをなぞることに興味はわかない」のならば、
「新しい視点からの実質新作」と銘打ってください。
対戦相手については散々SNSやネット上で考察されてましたけど、
正直対戦相手は山王以外あり得ないと思っていたし、
ただまあ急に新たな対戦相手の登場もなくはないかなあ・・・とそこは覚悟してたんですが、
主役交代は予想の範疇をはるかに超えてます。
まさか今更、主役変わるとか、さすがに思わないだろ・・・。
しかも山王戦の試合内容自体は、
総じて、ニュースでハイライト見てる印象でした。
特に今ワールドカップのハイライトよくやってるんで、あれを思い出してもらうといいと思います。
フルで何度も何度も見た感動の、思い入れのある試合を、ハイライトで見る感じ。
(というかいい意味のハイライトじゃない)
しかも最悪の切り取られ方。
逆に思い入れの全くない、新規の過去シーンは延々続く。
ぐだぐだしたリョータの過去がようやく終わったと思ったら(『ピアス』のぐだぐだ感が全面に出てる)
一切選手紹介も声優紹介もせず、いきなり試合を始める構成で、
新規ガン無視、ファンもガン無視。
マジでこれ誰得なの・・・。
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声優交代の炎上理由
これはもう、今更山王戦を映像化するなら、
是が非でも湘北サイドは前キャスト続投でやってほしかったところなんですが、
その実現が大人の事情で難しいことも重々わかっていて、
そこは飲み込むつもりだったんですけど、
梁田さんが急逝されたこともあり、
いろいろな事情があったことは理解できます。
そうは言っても、
・・・いや・・・
誰がしゃべってるかマジでわからん。
イニシャルDのアニメ2期見たことある人ならわかると思うですけど、
あれだけ絵柄変わってもギリギリキャラが判別できるのは、「声」です。
声優さんが同じだから。
で、今回山王キャラは勿論のこと、湘北キャラすら初見なわけですよ。こっちは。
誰がしゃべってるかいよいよわからん。
しかも選手紹介シーンも全くなく、
山王キャラはほっとんどしゃべることなく、
いきなり試合突入ですよ・・・。
置いてきぼり感が半端ない。
何なら全員坊主頭でただでさえ動かれるとわかりにくいのに、
漫画だと井上雄彦さんの描き分けが凄まじいのは言わずもがなですが、
結構なスピードで動かれるとどうしても。。。
さらに試合中、色んな方向から声が飛んで、
え、今のセリフ誰??状態のオンパレードでした・・・。
しかも試合シーンって臨場感を出すためかかなり早口でしゃべったりするので、
いよいよ誰やねん状態なんですよ・・・。
で、原作の知識で補完しようにも、
原作→深津「・・・あの1年生コンビをのせるとちょっと面倒になりそうだピョン お前らがあの2人をおさえるかどーか にかかってるピョン」
映画→河田「おれたちがあの2人を」
お前が言うの!?!?
・・・・・・みたいなシーンが山ほどあって、
それは深津が言ってくれよ~~~っていう・・・。
結局、アニメ101話を何度も何度も見返して、DVDも焼き切れるほど見た身としては、
前の声優さんのイメージが刷り込まれすぎてて、
そのイメージを変えるのは至難の業でした。
せめて花道だけでも何とかならんかったんかな・・・?
花道が一番どっから声出てんだお前??で、
顔が花道なのに声が別の方向からするというか・・・
とにかくカオス。
セーラームーンが声優全変えでいけたからいいでしょ、なのかもしれないけど、
月野うさぎだけは三石琴乃さんだし、
うさぎが主人公なのは変わらない。
主人公変わるってマジでどういうこと??
それもう「スラムダンク」じゃないよね???
で、結局制作会社だか配給会社だかはたまた広告会社の戦略かはわかりませんが、
情報を一切開示せず公開に踏み切るってことは、
宮城が主役だと開示したら観に来る観客が減る自覚はあるってことですよね?
そりゃあ炎上するよ。
観客舐めてる。
ファンも舐めてる。
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試合シーンのCG演出の炎上理由
CG演出にも賛否両論ありましたけど、
何なら制作スタッフの燃料投下もあって、
いよいよ組織ぐるみで馬鹿なのか?状態ですけど、
CG手法がどうこうというより、
CGでやると聞いたときから思っていた、
リアルな試合に近づけるなら実写でいい。というか実際の試合を見たらいい。
カット割りをするなら漫画でいい。
わざわざアニメでやる意味とは?????
・・・が、
結局最後まで「???」のままでした。
確かに予告で見た時のCGの違和感とか、
実際に見たらそこまでひどくはなかったんですけど、
ゆーて歩き方カクカク、みんな怒り肩体型。
オープニングがこの映画のピークでした・・・。
あれはおそらくかつてUNOのCMでやった要領の発展形で、
井上雄彦さんが描かれてると思うんですが、
「神奈川代表」の文字が出て、「これは・・・!?」で、
山王が登場した時の、「やっぱり山王じゃん!」のワクワク感が映画のピーク。
いきなり試合が始まったのにもビビりましたけど、
試合シーンがとにかくダルくてダルくて・・・・・・。
あんなに原作で面白かったのに、
アニメで見てても、90年代アニメの引き伸ばしがメチャクチャあってもメチャクチャ面白かったのにこうなるか!?っていうくらい、
試合シーンがダルい。
淡々とひたすらボールが行ったり来たりしてるだけで、
スコアを2点ずつ積まれた時はこのペースで78点までいくのか・・・!?とそれはそれでおののきましたが、
あそこまで切り取られてハイライトにされてもなあ・・・。
特に前半。
あと、ちょいちょい過去を挟んでくるせいで試合に集中もできない。
アニメの陵南戦、メガネくんのシュートシーンで過去に飛んで、来週に引かれたトラウマがマジで蘇りました。
アニメの構成・声優は全否定するくせに、そういう悪い部分だけは踏襲する謎。
とにかくリョータの過去に無駄な尺を延々取られて、
それでガンガン、主役=花道の見せ場が削り取られていくフラストレーション。
あとCGの是非を言うなら、
量産型CGの山王応援団が一番気色悪かったです。
そんでもって、湘北も山王も控えは上に白いTシャツ着てるじゃないですか。
カットを頻繁に切り替えされるとどっちのベンチか一瞬でわからない。
CGになっていよいよケン◯ッキーの置き物と化した安西先生or堂本監督で判断するしかないんですが、
だいたいそこ見切れててて、
んでもって石井が映るといよいよ山王ベンチと見分けがつかないんだよ・・・!!坊主だから・・・!!!
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スラムダンク山王戦改悪の感想→2022年最低のクソ映画
前半は大幅カット
・前半が大幅カットで一之倉のスッポンDのくだりがないため、三井が一瞬でスタミナを失ったように感じる。
・せっかくの山王戦で河田弟との対決やらんのかーい!!!
→後半、唐突に登場している美紀男。
いや河田兄が花道につくと同時にポールと交代したんだよね?知ってるよ?知ってますよ?
でもポールが流川のダンクで手を痛めたシーンも一瞬チラッとわかるひとだけにわかる形でほぼないし、
「何をうれしそうな顔してやがる」
→言葉通りになっててマジ意味不。
原作は河田の圧倒的凄さが描写されるから、
「ゴリをもボロボロにしたこの丸ゴリが・・・オレのRを止めるために・・・オレをマークしてやがる・・・!!」
からの「何をうれしそうな顔してやがる」で刺さるんですよね。
もうね、名言オンパレードだけやられても刺さらないって・・・!!
いくらファンでも・・・!!
いやファンだからこそ、原作との違いがもう気になって気になって・・・。
名言の過程見せてもらえずに結果だけバーン!やられても・・・。
感動1ミリも蘇らんのですけど・・・。
・何の説明もないままのゾーンプレス。
高頭監督の説明があるからこそのゾーンプレスよ・・・。
もう原作ファンなら当然わかるでしょ?なのもなんかなあ・・・。徹底して原作読んでる前提で進めてるのも観客に対する甘えだし、わかるんだけど腹立つ!!!
コナンが毎回「オレの名前は工藤新一!高校生探偵だ~・・・」から初めてくれるのってすんげえ丁寧だなと思いました。
いやいやいや、新一がどうやってコナンになったか、知らない人映画観に来ないでしょ?と思うかもしれませんが、
いるかもしれない。
新規を取り込まない限り、市場は拡大できないので、
そういう新規を完全に無視するくせに、じゃあ原作の映像化をみたい古参ファンも無視するって、これいかに?
ターゲット層誰なんですか?
スラダンファンじゃなくて宮城ファンなの?
だったらそれをあらかじめ言ってくれ・・・!!!!!(涙)
・「ボール運びは・・・!?どうやって・・・・・・」
「決まってるでしょう 湘北の切り込み隊長ですよ・・・・・・!!」
安西先生がいうからいいのであって、リョータが自分で言うとなんか違う・・・。
っていう感じで、カットされてるセリフと、
言ってる人が変わってるセリフと、
変えられたエピソードが、
もう・・・・・・!!!!!!(涙)
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花道の見せ場はほぼほぼ全カット
これが一番納得いかない。
井上先生は花道が嫌いなの???ってレベルで花道にフィーチャーされてなくて、
もはや主人公ではない。
あまりにリョータに焦点当たりすぎてて、
これ背中のピキッやらずに、「まさか続編でセカンドで全国の3回戦以降やるのか・・・?」と思ったんですが、
背中のピキッはやるんかい・・・。
- 「バスケットは好きですか?」←これも「お好きですか?」って言ってなかった???
のくだりやるならせめて、
「大好きです 今度は嘘じゃないっす」
の名言までやってくれ・・・!!!!!(涙)
花道の原作エピソードは申し訳程度に無理矢理入れられてる感じで、
マジで見せ場はなかったです・・・。
安西先生が花道の才能に打ち震えるシーンとか、最高の名シーンですけど、
あれは谷沢の伏線があったればこそで、
谷沢の伏線入れる尺はない→じゃあもう花道の才能も全カットで、
って・・・(涙)
安西先生の「聞こえんのか?」で白髪鬼に戻るシーンも欲しかったですよねえ・・・。
いきなり花道座ってるし、
こんな唐突な「諦めたんじゃなかったのかなかったのかオヤジ」ある???
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自力で立ち直るゴリ
魚住のかつらむきのくだりはやったらそりゃあ尺食うから無理なのはわかる。
わかるんだけども・・・・・・!!!!!
高校生であの黒いブラックな虫みたいの(演出としてすんげー古いと思う。自分の中の天使と悪魔が戦うみたいなの)
見えてたら、ゴリがマジで心配になるレベル。
しかもそれ自分で潰すのね・・・・・・??
河田との対決シーンもほほほぼ全カットなので、
勝手にゴリが精神的に落ちて、勝手に立ち直った感じでした・・・。
対河田過剰意識がないまま、「オレはこの男に勝てるのか・・・?」って言われてもな・・・。
ゴリの全国制覇に対する思い入れも全カットだし・・・。
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河田の凄さが1ミリもわからん
前半のカットがここでかなり響いていて、
美紀男がいてこそ、
弟を気にする余裕があり、
「もっと 全力でぶつかれよ赤木」が刺さるし、
まだまだ本気じゃねーぞっていう、河田の凄さにもつながる。
山王にスポット当てるの無理なら河田と沢北の凄さをわからせるのも無理というか・・・。
急激な身長の伸びとともに 彼のポジションも変わっていった
強力なインサイドプレイ 鋼のような筋肉 彼はポジションを変えられるたびに相当な努力をしたに違いない・・・
のくだりもガン無視なので、
河田の凄さは1ミリも映像からは伝わってこないのに、
謎のゴリの対河田過剰意識。
→じゃあゴリのエピソードもカットで良かったんじゃあ・・・?
- 「深津オレに1本返させろ あのヤローガンくれやがった ゴリラみてーなかおしやがって」
→「あのヤローガンくれやがった ゴリラみてーなかおしやがって」が全カット
・・・・・・普通。
河田の良さが・・・。
「あんな距離からうてるのかあいつ!!」もカット。
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突然得意のシュートを外し出す沢北
沢北は山王一大好きなキャラで、
スラダンでも1、2を争うくらい大好きで、
だからこそ沢北で入れるなら父ちゃんのエピソード以外に何が・・・!?!?
応援席のどーでもいい少年描くならテツ沢北もっと入れてくれても良くない・・・!?
流川の3ポイントシーンで一瞬チラッって・・・!!!
「高校バスケでやれることはやり尽くしました。オレにない経験をください」
シンプルにただただ傲慢で嫌な奴と化したな・・・!?
流川の「日本一の高校生になりなさい」エピソードも全カットなのに、
唐突に「日本一のプレイヤーになりたいのか?流川」って言い出すわ・・・。
一番大好きなへなちょこシュート、「ひょいっ」ってやるシーン、
背景トーンも含めて沢北のポーズ決めとドヤ顔がもう大ッ好きなんですけど、
角度違うし・・・。(改悪)
「2本のパスは布石・・・今度は抜ける」→流川が沢北を抜く→花道のミス→それを取り返すための花道のオフェンスチャージング→沢北の対花道意識過剰に→中まで切れ込まない→シュート外す
・・・・・・だったんですよ。
三井のスタミナ失うシーンと同じく、
あまりに唐突に沢北がシュート外しだすため「はあ???」となる。
なんで???っていう。
いや当然原作読んでるんだからわかるでしょ、なんですけど、
原作のいいシーン、特に過程を全カットで、いい結果だけ見せられても全然感情移入できないんですよ・・・。
ただの山王戦ハイライトなんだって。
しかもなんか特異な視点の。
- 「その攻めのパターンは知ってますよ」→「そのパターンは知ってる」
事前のビデオ研究シーンは全カットで、
沢北なんでゴリの攻めパターン知ってんだよ?っていう。
「もう見つけた」の沢北のシーンもないせいで、沢北の凄さも伝わらない。
「知ってますよ」の方が、セリフ的に3年であるゴリを沢北が敬ってる感じで元の方が好きでした・・・。
- 「フェイクん時のボールが無防備だ!お前は!!」
→「ボールが無防備だ!」
短縮しすぎて・・・。いつのさ。何のさ。
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キャラがブレッブレ
リョータを主人公にしたのに、
原作ファンの手前か、花道のエピソード(背中のピキッは入れない訳にはいかない)はカットしきれず、
ちょろちょろミッチーに焦点は当たるわ、
なぜか原作にもなかった沢北の謎エピソードぶっ込み、っていう、
いろんなキャラに、それこそ脇役にも丁寧に、感情移入できる形でスポットがあたるのは本当にスラムダンクの魅力であり良さで大好きですけど、
それはある程度の尺と長さがあって初めて実現しうることであり、
映画でやることじゃない。
山王戦コミックス6巻分を完全に再現するにはあまりにも尺が足りないし、
だったら主人公の花道視点で切り取っていってくれればそれはそれで満足できたのに、
まさかのリョータ視点で切り取られて、
盛大な後出しジャンケンですよ・・・・・・。
思い入れも何もないエピソードのオンパレード&絶妙な原作の改悪。
山王が表紙の週バスはゴリのエピソードであってほしかったし、
同じのを持ってたとしても、
いや、初見キャラって・・・思い入れ知らんがな。
ミッチーが安西先生のストーキング化してるし・・・。
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なぜ宮城リョータ主役???
チームの一員としていた時は特に好きも嫌いもなかったんですけど、
ここまで焦点当てられて主人公扱いされると、
ああリョータ好きじゃねえわっていう。
ミッチーが屋上で「その眉毛が気に入らねえ」って言ってたのマジそれな。
呪術廻戦で「映画はアニメではまだ1度も登場していない乙骨主役です!」って言われるのとは訳が違うんですよ・・・。
だって一応「乙骨が主役」=「虎杖・伏黒・杉崎は出ない」っていうのを、事前に承知して観に行くわけで。
「花道主役じゃない」はこっちは承知してねーんだよ・・・。
知らねーよ・・・。
マジ「しししし知らねー!!!」状態で行ってんだよ・・・。
リョータの過去がぐだぐだ続いた時点で、マジで帰りたかったです・・・。
原作者だから何やってもいいんでしょうし、
過去の付け足しも改変もご自由になんですけど、
観客に事前に通知だけはしてほしかった。マジで。
なんで宮城が主役で観に行くと思ったの・・・???
作者のオ◯ニーと原作レ◯プは、OVAかなんかで勝手にやってください。
金払ってみる映画でやることじゃない。
if設定の同人誌見せられてんのかな?コレ?レベル。
2時間、全力で山王戦に振り切ってもカットせざるを得ないシーンが山ほど出るとは覚悟してたものの・・・
宮城の過去回想シーンは全カットでいいよ・・・。
何の思い入れもない、唐突に現れたリョータの家族を延々見せられたのがかなり苦痛でした・・・。
マジでそこキョーミない・・・。
兄貴の死亡フラグはバッキバキに立ってるのにフラグなげーし、
そもそも父親死んだ直後にさりとて荒れてもなさそうな海だったのに兄貴死ぬって・・・。
しかもミッチーたちにボコされて入院してたんじゃなくて、
自殺行為にも近いバイクのスピード違反で事故って入院って・・・。
そりゃ母ちゃん精神的におかしくなるよ・・・。
サントラのあの音がこっちのトラウマになったわ・・・。
妹のキャラも謎。
天然なのか空気読めないちゃんなのか・・・
イノタケの描く女の子は相変わらずかわいくねーなあ・・・というね。
クソみたいな村(町?)の大人たちにもドン引きでした。
夫に次いで息子まで失った母親と妹が試合を見に来てるんだよ?家族に対する配慮ゼロなの??
「兄貴にはなれやしねーさ」なんて言う??普通???
悲壮感が強調されるというより、
世間がクソすぎて・・・。
そしてラスト。
リョータのシーンに移ったので、
ああ山王の敗北シーンや「はいあがろう」はないんだな・・・と思いきや、
時系列戻って再び山王。
あ、その堂本五郎の名言はやるんですね。
ファンとして「そのシーンを映像で見せてくれてありがとう」というよりも、
「お前らこれが見たかったんだろ?」の切り取り方に辟易でした・・・。
確かにそれはもう、言わずもがなの名シーンだし、
何度も私を奮い立たせてくれた言葉ですけど、
これじゃないんだよ・・・。見たかったのはこれじゃないんだ・・・。
そして沢北の神社シーン、ここで伏線回収。
別にいらん・・・。
そして沢北がアメリカに行って、
時を同じくしてリョータのアメリカ行きはマジ意味不。
なんでお前が沢北のライバルみたいになってんの・・・???
元々仙道や沢北のような絶対的エースがつけるナンバーとして「7」を認識していたので、
湘北でリョータはマジ力不足だろ・・・と思ってた歴代のフラストレーションが大爆発。
兄貴がつけてたからオレも「7」つける、とか知らんがな。
そこの思い入れ今始めて見せられたし、なんなら兄貴ともどもどーでもいい。
おそらく田臥勇太選手をかぶせてるのか・・・?とも思ったんですが、
そこは流川であれ・・・。
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ラスト30秒の演出
ラスト32秒の一切セリフなしの伝説のシーンを映像でやるなら、
おそらく音なし演出だろうとは思ってたので、
予想通りではあったんですが、
「左手はそえるだけ・・・」はなぜ口パク・・・???
いや、もう演出なので観客がどうこう言うことではないんですが、
これが花道が主役ではない結果の結末だったとしたら、
え・・・????っていう。
まああの声で言われても「は?」だっただろうけど、
ないのもないで「は?」
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原作ファンサ?仙道のワンカットを見逃すな!!
ここまでいっておいてなんなんですけど、
山王戦やるなら「北沢・・・?」のくだりで、仙道出ないかなあって、
100%あり得ないけどちょっと、ほんのちょこーっと!期待してたんですよ。
一瞬のワンカット。
背中ピキッってなった後、倒れてからの花道の回想シーンですね。
魚住が映った後、一瞬だけ仙道が花道の左手に、顔が半分見切れる形で映り込んでいます。
マジ映り込んだ程度なんですけど、
うれしかったです。
しゃべってほしかったなあ~~~~。
声優は芳忠さんじゃないなら結局ガッカリはしたんだろうけど・・・。
流川もかわいそうでしたよね・・・。
マジで見せ場なかった・・・。
「北沢?沢北じゃねーか・・・どあほう!!」がないから沢北との対決も薄まるし・・・。
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絵は限りなく井上雄彦
絵は凄まじくイノタケでした。
鼻の角度とか、タッチの入れ方とか、マジで徹底してるな~~と思いました。
一部手を入れてるにせよ、
再現度は凄まじいなと。
それがアニメ的に見てて楽しいか?とか、キレイか?とは全く別ですけども。
今回のスラムダンクって、話も暗いけどま~~~色味も汚いんですよ・・・。
色も暗い。
めんどくさそうな処理&作画してるのに、色味マジ汚い。
これを大スクリーンで見る意味何?っていう・・・。
影とか、気持ち悪い濃淡ですけどすんごい重ねられてるし、
沢北とか宮城の刈り上げ部分の処理とか、
ソータの髪の処理とか、
安西先生の処理とか、
すんごい大変な処理をしてるんだろうな、と。
だからね~~~~制作スタッフの発言で炎上してましたけど、
それもわからなくはないんですよね・・・。
このクソ脚本で、あんな大変な作画をやり切ったことを労ってくれと思う気持ちは・・・。
あくまで今の井上雄彦の絵に非常に忠実というだけで、
リメイクされたコミックスカバーもそうなんですけど、
もう当時のスラダンの絵ではないから、
(花道の顔が特にキツくなってるのが・・・)
バガボンドの絵は本当に素晴らしいし大好きだし、
今の井上雄彦さんの絵に良さがあるのもわかるんだけど、
漫画家さんの絵が変わっていくのは本当に、仕方がないことだと思うんですけど・・・
スラムダンクはあの絵だから良くて。
だから何ていうか・・・
表情が絶妙に変わってしまったキャラクターたちがもう・・・切なかったんですよね・・・。
そんな奴が見に来んな、なんでしょうけど・・・。
11/11公開の新海監督の『すずめの戸締まり』は、
アニメ映画としての良さを全面に押し出して、
きれいな映像と、手書きのアニメーションの美しさと、色味の綺麗さが際立っていて。
三谷幸喜さんが菊池寛賞の贈呈式で、
「菊池地先生がおっしゃっていたのは、『つまらない現実よりも面白いウソ』。これは、僕が大河ドラマ『鎌倉殿の13人』を書くにおいて、一番のモットーでした。菊池先生は、大衆が何を考えているのか、ずっと考えていらっしゃったと思います。それは僕のテーマでもあります。僕もそんなクリエイターでいたいなと思っております。今は見た目しか真似できませんけれども、ゆくゆくは“第二の菊地寛”と呼ばれるようになるまで、頑張っていきたいなと思っております」
とコメントされていて、
この映画が興行的に成功しているなら、
きっと私は大衆からずれているのでしょう。
この感想もあくまで私個人のもので、
大絶賛してるレビューもネットで山ほど見ました。
あれで往年のファンは満足しているのだろうか・・・。
1回通読したぐらいだと感動できるの・・・??懐かしさで・・・??
観終わった後、後ろの席の女性たちは
「推し変わるわ~~」
と言っていて、
ごめん、20年ガッチガチに年季の入ったこっちはもう推しそう簡単に変えられないんだわ。
だから、私はパンドラの箱にしばらく蓋をします。
というか、記憶からできるものなら消去したい。
「FIRST」というより、「LAST」だった。
ストロングワールドの公開時、尾田栄一郎さんがコミックスで「製作総指揮」について、
「この映画観て、つまらなかったら僕のせいにしていいよー、と」おっしゃっていましたが、
こんなにも虚しくエンドロールで最後に流れる「製作総指揮」は未だかつて見たことがなかった・・・。
まあ問答無用で、
2022年観た映画のワースト1位です。
というかこれまでの人生の過去ワースト。