新海誠監督の映画『言の葉の庭』ネタバレあらすじと、小説版からその後の二人についてのネタバレまとめです。
実はユキノのその後が『君の名は。』原作小説で描かれています。
ユキノがタカオにおくった万葉集の短歌「鳴神の~」の意味を徹底解説。
主題歌や聖地(ロケ地)の地図もあわせてチェックしていきます。
目次
『言の葉の庭』あらすじ
雨の日の庭園で出会ったタカオとユキノ。
雨の日の午前だけの交流で、少しずつ心を通わせていく二人だが、
ユキノがタカオの古典の教師だったことが判明。
タカオは思いを告げるも、
ユキノは学校を辞め、四国の実家に帰ることが既に決まっており・・・。
新海誠2年ぶり、第5作目の監督作品。
2013年5月31日公開。
興行収入:1.5億円。
キャッチフレーズは、
“愛(あい)”よりも昔、”孤悲(こい)”のものがたり。
原作
新海監督自らが手掛けた、同名タイトルの小説。
⇒原作小説「言の葉の庭」
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『言の葉の庭』登場人物キャスト&声優
タカオ/秋月 孝雄(あきづき たかお)(声:入野自由)
引用元:kotonohanoniwa.jp
・15歳。高校1年生。
・靴職人を目指していて、手作りのモカシンを履いている。
・作中では一切名前が出ない。
・料理が得意。
・大人びた少年で、15歳とは思えない精悍な顔立ち。とっても男前。
兄「苦労してないから若いんだよ。その分、お前が老けてくなあ」
というくらい、老成している。
新海作品に登場する少年達は、『君の名は。』の瀧といい、家庭環境が複雑なせいかみんなとっても自立している。
・「雨の日は地下鉄に乗れない病」と、梅雨シーズンは全力で学校に行く気がない。・・・大丈夫か・・・。
・古典が竹原ジイだった点を除いても、自分の学校の教師の顔も知らないほど学校に興味がない。
・声優は『星を追う子ども』に続いて入野自由が担当。新海監督お気に入り。
ユキノ/雪野 百香里(ゆきの ゆかり)(声:花澤香菜)
・27歳。タカオの高校の古典教師。
・教師であることを隠して、タカオに近づく。
・3年の女子達と揉め、学校に来れなくなるまで追い込まれた。
・元カレは同僚で体育教師の伊藤宗一郎。
・退職後は、四国の実家に帰り、再び教師に。
・学校での教師イジメが原因で、歩行障害と味覚障害に。
ビールとチョコレート以外の味を感じなくなってしまう。
カバンには大量のチョコレートが入っている。
・「歩く練習をしている」ためか、いつもかわいい靴をはいている。
・何本も電車を見送ったり、作品を通じてユキノがとても重い何かを抱えている様子が描かれており、
新海誠「ファンデーションが割れちゃうことはショックかもしれないけど、だからって泣くことはないじゃないですか。やっぱりそれくらい何かが辛いんですよね、彼女は」
いやいやいや、あんだけ新品に近いファンデ落としたらユキノでなくても泣きますよ・・・。
でも、そういう細かい描写が積み重なって、
謎めいた年上の魅力的な女性になっています。
新海誠「一番最初に描いてみたら、ただ単にちょっと嫌な女になっちゃったんですよね」
大丈夫ですよ監督!ユキノすごく共感できる魅力的な女性ですから!
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タカオの兄/秋月翔太(声:前田剛)
・弟と違って要領の良さそうなお兄ちゃん。
タカオの母(声:平野文)
・とっても若い。47歳。
兄いわく、
「苦労してないから若いんだよ」
・兄が彼女と同棲するため家を出ることを知り、「じゃあ自分も彼氏と住む」と家出する。
松本(声:井上優)
・タカオの友人。
・一学年上の佐藤と交際中。
佐藤(声:潘めぐみ)
・高校2年生。松本の彼女。
・友人が多く、学校内の事情に詳しい。
相沢(声:小松未可子)
・高校3年生。
・ユキノイジメの主犯。
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『言の葉の庭』ネタバレをラスト結末まで
起:雨の日の出会い
六月
「雨の日の一限はサボり」と、
雨の新宿御苑で靴のデザインを考えるのが日課の高校生、タカオ。
ある日、
タカオはいつもの場所で
昼間からビールを飲んでいる女性、ユキノに出会う。
どこかで会ったかとタカオが尋ねると、
ユキノは否定し、
ユキノ「雷神(なるかみ)の 少し響みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ」
と万葉集の短歌を言い残し、去って行く。
こうして、雨の日の午前だけの交流が始まった。
いつも朝っぱらから公園で、
チョコレートをつまみにビールを飲んでいるユキノ。
何か食べないと、酒だけだと身体に悪いと言うタカオに、
ユキノは「おつまみもあるよ」と
カバンの中に入った大量のチョコレートを見せる。
ユキノ「今ヤバイ女だって思ったでしょ。いいの。どうせ人間なんて、みんなちょっとずつおかしいんだから」
そんなユキノに、
料理が得意なタカオは弁当を作っていく。
ユキノも弁当を持ってきており、
おかずを交換すると、
料理下手なユキノの卵焼きには卵のカラが・・・。
少しずつ近づいていく二人の距離。
タカオは靴職人になる夢を語り、
一方、味覚障害を患っていたユキノも、
タカオの作る弁当の味は感じられるようになっていた。
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承:惹かれ合う二人
七月
ユキノは、弁当のお礼に
タカオが欲しがっていた本『HandmadeSHOES』をプレゼントする。
タカオ「俺、今ちょうど靴を一足作ってるんですけど。誰のかは決めてないけど・・・女性の靴です。でも・・・どうも上手くいかなくて。それで・・・」
タカオの言葉に、
ユキノは靴を脱いで、足を伸ばす。
人差し指で、ユキノの足に触れるタカオ。
ユキノ「私ね、うまく歩けなくなっちゃったの。いつの間にか」
そう打ち明けるユキノに、
タカオはユキノのための靴を作り始める。
仕事も年も、名前すらも知らないユキノに、
どうしようもなく惹かれていくタカオ。
ユキノに会いたいと思うも、
梅雨が明けて、雨はなかなか降らなかった。
八月
専門学校に行く学費や、
靴作りの道具や皮にかかるをお金ためるため、
夏休みはほとんど毎日ラーメン屋のバイトを入れていた。
夜は靴作りに精を出すタカオ。
ユキノのことは何も知らない。
だけど。
タカオ「だから何よりもオレは、あの人がたくさん歩きたくなるような靴を作ろうと、そう決めた」
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転:万葉集の短歌の意味
九月
新学期、
タカオは学校の廊下でユキノとすれ違う。
突然の再会に戸惑うタカオ。
友人の松本から、ユキノが学校に来られなくなった経緯を聞く。
ずっと3年の女子と揉めていたというユキノ。
3年女子の彼氏がユキノに惚れ、
逆恨みでクラス全員でユキノに嫌がらせをしていたのだ。
さらに、親にまででたらめなウワサを流され、
ユキノは学校に来れなくなるまで追い込まれていた。
松本「ユキノちゃん、優しすぎるんだよ。あそこまでされたら、いっそ警察に届け出りゃ良かったんだ」
佐藤ら2年の女子が訴えるも、
ユキノの元カレでもある体育教師の伊藤は無視。
学校側も面倒を避けるため、静観を決め込む。
結局ユキノは学校を辞め、四国の実家に帰ることに。
ユキノに嫌がらせをしていた相沢の名前を松本から聞き出したタカオは、
3年生のクラスへ向かい、
「ユキノの仇」と言わんばかりに相沢の頬をひっぱたく。
待っても降らない雨に焦れたタカオは、新宿御苑へ向かう。
そこにはユキノの姿があった。
晴れの日に、初めて出会う二人。
タカオ「雷神(なるかみ)の 少し響みて 降らずとも 我は留らむ 妹し留めば」
ユキノ「そう、それが正解。私が最初に君に言った歌の返し歌」
最初に出会った時、
ユキノがタカオに言った歌の意味は、
雨が降ったら、君はここにとどまってくれるだろうか。
そういう歌に対して、
雨なんか降らなくても、ここにいるよと答えている。
タカオ「万葉集。教科書に載ってました。ユキノ・・・先生」
ユキノ「ごめんなさい。古典の教師だって気付いてもらえるかなと思ったんだけどな。それに私、学校中の人に知られちゃってると思ってたから。でも君は、違う世界ばっかり見てたのね」
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結:「Rain」が流れる雨のラストシーン
突然雷が鳴り、雨が激しく降り始める。
やまないどしゃ降りの雨に、
二人はユキノのマンションへ移動する。
一緒にタカオが作ったオムライスを食べ、食後のコーヒーを飲みながら、
「今まで生きてきて、今が、一番幸せかもしれない」
そうお互い感じる二人。
タカオ「ユキノさん。オレ、ユキノさんが好きなんだと思う」
しかし、ユキノはタカオの告白を”教師”として断る。
ユキノ「”ユキノさん”じゃなくて、”先生”でしょ」
タカオが去った部屋で、
タカオの言葉を思い出すユキノ。
雨の日の庭園で、歩く練習をしていたユキノが、
靴も履かずに裸足で部屋を飛び出していく。
足が汚れても、
階段で滑って転んでも、走り続けるユキノ。
そんなユキノに、
これまでずっと大人びて、どこか冷めたようでもあったタカオが、初めて自分の感情を爆発させる。
タカオ「あんたは一生ずっとそうやって、大事なことは絶対に言わないで、自分は関係ないって顔して、ずっとひとりで!!生きてくんだ!!」
自分にぶつかってきてくれたタカオに、
ユキノも初めて声を上げて泣く。
ユキノ「毎朝ちゃんとスーツ着て、学校に行こうとしてたの。でも怖くて・・・どうしても行けなくて。あの場所で、私、あなたに救われてたの」
エンドロール後、四国で再び教師をしているユキノ。
一方、タカオはユキノからの手紙を読みながら、
タカオ「いつかもっと、もっと遠くまで歩けるようになったら、会いに行こう」
手紙の日付は2014年2月3日。
季節は、冬から雪解けの春へ。
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言の葉の庭その後は君の名はとリンク
ラストは、
二人の関係もここからまた始まっていくんじゃないかな・・・と、
新海作品にしてはめずらしく希望のあるラストでした。
上映中、新宿バルト9に飾られていた
タカオがユキノのために作った靴の写真画像がこちら↓↓
そしてなんと、新海監督の次作・大ヒット映画『君の名は。』で、ユキノが三葉の学校の古典の教師として登場しています!
⇒【君の名はネタバレ考察】原作小説でわかる裏設定や謎、伏線を徹底解説!
・・・アレ???
時系列が2013年だと、ユキノはまだ東京で教師をしているはず??
2013年中に四国の実家→糸守町に異動したのでしょうか?
この辺りはちょっと謎です。
君の名は原作小説では三葉視点で、
ユキちゃん先生は柔らかく笑う。それにしても、こんな田舎の高校には不相応なくらい美人なのよねこの古典教師
と描写されており、
糸守高校では生徒と上手くいっているようです。
瀧と三葉で彗星災害を回避したので、
きっとユキノも無事でしょう。
タカオとも仲良くやってるといいな・・・!
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『言の葉の庭』見どころ&感想
新海監督の足フェチ?
新海作品は、爪の描き方がいつもキレイですよね~。
ピンクの健康的な爪に、長い指。
いい意味で、すごくセクシーな手です。
そして今回は足もポイント!
女性の足って、本当にセクシーですよね。
くるぶしから、ふくらはぎにかけてのラインとか・・・。
今回、タカオがユキノの足を採寸するシーンは、
新海監督の足へのこだわりとフェティシズムがこれでもかと詰め込まれています。
新海監督が足フェチかどうかは知りませんが(笑)
でも決していやらしくなくて、
本当にキレイな映像美です。
美味しそうなご飯
オムライスうまそ~~~。
タカオの作るご飯はどれもすーごくおいしそうです。
新海作品はどれもご飯の描写がすごくおいしそうなんですよね。
『星を追う子ども』のイモですら(笑)
ご飯シーンが丁寧に描かれるの、好きなんですよ~。
食べることは、生きることですからね。
宮﨑駿監督作品もそうですね。
『ハウルの動く城』の目玉焼き&ベーコンを焼くシーンを見る度、
ベーコンが食べたくなります(笑)
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緑の影
毎回とっても緻密な描写で楽しませてくれる新海監督ですが、
今回の『言の葉の庭』は、
キャラクターの肌の色が緑色で塗られています。
これすごくリアルなんですよね~。
輪郭線自体の色も細かく変化されていて、
新宿御苑を知らない人でも、
庭の空気を感じられる映像になっています。
新海誠「今回の舞台が日本庭園であったり、雨に囲まれた場所にあったりするから、その環境にいる感じを出したいと思って、そのために今までと違う塗り方をしようと」
緑に囲まれた場所に行くと、肌が緑になるのは実写で撮ると当たり前のこと。
でも、
新海誠「アニメーションでキャラクターの肌の色って単純に緑に塗っちゃうと、ちょっとやっぱりおかしなものに見えちゃうんですよ。その場の環境光に染めつつも、自然に見せるためにはどうしたらいいだろう?というのを考えてやった処理です」
環境光の塗り分けとか超めんどくさそう・・・。
でも最初の色設計が肝心で、それさえしっかりしていれば、単純な手間的にはそんなに増えないらしいです。
・・・ほんとか・・・!?
新海誠「これは一つ発明なんじゃないですかね」
と、作画監督・キャラクターデザインの土屋堅一と語っていたそう。
これは新海監督がよく言われていますね。
「背景が写真みたい」なんて表現する人がいますが、
マンガやアニメにおいて写真じゃ意味がないんです。
だったら写真でいいから。
実際にはそうは見えない。でも、時に現実よりもリアルに見える。
それこそが新海アニメの骨頂だと思います。
雨粒の反射。
ビルへの写り込み。
夕焼け。
そういうものを、監督自身が「この世界は美しい」と思って描いているから、
日常の何気ない風景が、はっとさせられるものになるんじゃないですかね~・・・。
こんなによどんだ新宿を、こんなに美しく描くのは、毎度ほんと尊敬します。
しかし・・・
タカオはなんで自分の学校の教師の顔を知らないの・・・??
いくら学年違うっつっても、
顔ぐらい見たことあるだろ・・・!
同級生の友達はユキノ先生のこと知ってたのに、
なんでタカオだけ知らないんだ・・・。
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主題歌
「Rain」
作詞・作曲:大江千里
歌:秦基博
大江千里の「Rain」を、秦基博がカバーしています。
新海誠「大好きで、大学時代よく聞いていた思い出の曲」
と語る「Rain」。
新海誠「今の、2013年の歌い手の方に歌ってほしいということで、秦さんにどうにかお願いできないかと」
秦基博の声について、
新海誠「どうしようもない孤独を宿している声」
と語っているように、
『言の葉の庭』でタカオとユキノが抱える孤独感だったり世界観に、秦基博の声は本当にマッチしています。
ラストの雨のシーンで流れてくる演出は最高。
歌詞がまた2人にぴったりです。
言葉にできず凍えたままで
人前ではやさしく生きていた
しわよせで こんなふうに雑に
雨の夜にきみを抱きしめてた
言葉にするとチープになってしまうので、もうこれは実際に観てください。
おそらくこのシーンを描くためだけにこの映画が作られただろうと思うほど、
このシーンを観られただけでこの映画を観てよかった。
そのくらい、いいシーンでした。
タカオのセリフは、
自分のことかと思うほど、刺さりましたね~・・・。
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『言の葉の庭』の聖地(ロケ地)は?
新海作品にはよく新宿周辺と総武線が描かれますが、
⇒【君の名は聖地東京まとめ】地図と最寄り駅を紹介!瀧や三葉と同じ景色を楽しもう!
『言の葉の庭』のモデルとなったのも新宿です。
新海監督自身が、ここ10年位新宿近辺に長く住んでいて、1作品終わるごとに引っ越すも、新宿区~渋谷区内にいるんだとか?
甲州街道について、
新海誠「いつまでも工事やっていて車が多くて、通り抜けるのにも時間がかかって・・・なんだけど好きなんですよ。僕は田舎出身なので、人が多い風景とか、100メートルもあるようなビルが立ち並でいるような光景って、それを見るだけで人間てすごいなっていう風に今でも思うんですよ。だからその場所を感じさせるアニメーションを作りたいなという気持ちがあって」
そしてタカオとユキノが出会う舞台となったのが新宿御苑。
【アクセス・地図】
〒160-0014
東京都新宿区内藤町11
電話番号: 03-3350-0151
・JR・京王・小田急線 新宿駅南口より 徒歩10分
・西武新宿線 西武新宿駅より 徒歩15分
・東京メトロ丸の内線 新宿御苑前駅出口1より 徒歩5分
・東京メトロ副都心線 新宿三丁目駅E5出口より 徒歩5分
・都営新宿線 新宿三丁目駅C1・C5出口より 徒歩5分
新宿御苑での飲酒は禁止
映画の最後に
物語に登場する公園は新宿御苑をモデルに描かれておりますが、
実際には新宿御苑での飲酒は禁止されておりますことにご注意下さい。
とテロップが流れます(笑)
ユキノ毎度飲んでたからな~・・・。
ユキノが電車を見送っているのはやっぱり千駄ヶ谷駅。
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『言の葉の庭』&『君の名は。』をもう一度見たい!
ユキノが三葉の高校の教師として登場する『君の名は。』
ネタバレを知った上でもう一度『言の葉の庭』&『君の名は。』を見たいけれど、
- DVDを買うほどではない
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新海監督作品はどれも短めなので、
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