宮崎駿監督のジブリ映画『ハウルの動く城』のネタバレあらすじと感想についてまとめています。
帽子屋のソフィーは、助けてくれた魔法使いのハウルに恋をする。しかし、荒地の魔女におばあさんになる呪いをかけられてしまい・・・!?
ソフィーはハウルと火の悪魔カルシファーの契約の秘密を見破ることができるのか?ソフィーとハウルの恋物語の結末は?
ラストまでネタバレしていますので、結末を知りたくない方はご注意ください。
目次
登場人物&声優キャスト
2004年スタジオジブリ作品
上映時間119分
監督:宮崎駿
■ ソフィー・ハッター(声:倍賞千恵子)
父親の遺した帽子屋を継いだ18歳の少女。
■ ハウル(声:木村拓哉)
魔法使いの青年。浮気性で恋多き青年。
■ 荒地の魔女(声:美輪明宏)
悪魔と契約し、王宮を追放された魔女。若さと美しさに執着し、ハウルの心臓を狙っている。
■ マルクル(声:神木隆之介)
ハウルの弟子。
■ カルシファー(声:我修院達也)
火の悪魔。ハウルと契約し、城を動かしている。
■ サリマン(声:加藤治子)
王室づき魔法使い。ハウルの師匠。
■ ヒン(声:原田大二郎)
サリマンの使い犬。老犬。
■ レティー(声:香月弥生)
ソフィーの妹。パン屋のチェザーリで働いている。器量よしで、チェザーリの人気者。
■ ファニー(声:八十川真由野)
ソフィーの義母。帽子屋はソフィーに任せきりで遊び歩き、帽子屋を売り払って再婚した。
■ カブ(声:大泉洋)
ソフィーが助けてやったカブ頭のカカシ。正体は呪いでカカシにされてしまった、隣国の王子。
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『ハウルの動く城』ネタバレあらすじをラスト結末まで
起:ソフィーとハウルの出会い
父親が遺した帽子屋を継いだソフィーは、帽子作りに明け暮れるつまらない日々を送っていた。
町がにぎわう五月祭の日、ソフィーは妹のレティーに会いに、バスに乗ってがやがや広場にあるパン屋「チェザーリ」へ向かう。
途中、道に迷ったソフィーは、「子ねずみちゃん」と兵隊に絡まれ、からかわれる。
そこへ青い瞳に金髪の美しい魔法使い、ハウルが現れた。ハウルは魔法で兵隊たちを追いやり、ソフィーを助けてくれた。荒地の魔女に追われているというハウルは、ソフィーを伴って歩き始める。
荒地の魔女の使い魔に囲まれたハウルは空へと舞い上がった。そのままソフィーをチェザーリの店まで送り届け、ハウルは姿を消した。
ハウルは若い女性の心臓を食べるというウワサのある悪名高い魔法使いだったが、親切にソフィーを助けてくれた。美しく優しいハウルに一瞬で心を奪われてしまったソフィーは、レティーに会っても上の空だ。
別れ際、レティーに「帽子屋に本当になりたいのか」と聞かれ、長女だからと諦めつつも、戸惑うソフィー。
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その夜、荒地の魔女が突如帽子屋に現れた。
荒地の魔女「荒地の魔女に張り合おうなんて、いい度胸ね」
と、わけがわからないまま、ソフィーは呪いで90歳のおばあさんの姿に変えられてしまう。
翌日、ここにはいられないと帽子屋を飛び出したソフィーは、中折れ谷へと向かう。生け垣に引っ掛かっていた木の枝を杖にしようと引っ張ると、カブ頭のカカシだった。
なぜか1人で立っているカカシは、ソフィーの後をついて来た。カカシはお礼にソフィーに杖を渡し、さらに「今夜泊まる家がほしい」と言うソフィーのために、ハウルの城を連れて戻ってくる。
日も暮れたため、ソフィーはハウルの城に入り、一夜を明かすことに。そこで、ハウルと契約を交わした火の悪魔カルシファーに出会う。カルシファーは、自分にかけられた呪いを解いてくれれば、ソフィーの呪いも解いてやると取引を持ちかける。
翌朝、港町のジェンキンスを訪ねて、町長が国王からの招聘状を持ってやって来た。ハウルの弟子マルクルが小柄な老人に変装して応対する。魔法で、扉は様々な場所へと通じていた。キングズベリーの扉からはペンドラゴンに招聘状が届いた。
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承:ハウルの城での生活
取引のことをハウルにバラすと脅し、ソフィーはカルシファーに言うことをきかせ、朝ごはんを作り始める。そこへハウルが黒い扉から帰ってきた。自分の言うことしかきかないはずのカルシファーがソフィーの言うことをきいていることに興味を示すハウル。
行くあてのないソフィーは、掃除婦としてハウルの城で働くことにした。
テーブルについてみんなで朝食をとろうとした時、ハウルはソフィーのポケットの中の物について尋ねた。ソフィーが気づかぬうちに、ポケットには赤い紙切れが入っていた。荒地の魔女からの強力な呪いだ。
「汝流れ星を捕らえし者、心なき男。お前の心臓は私のものだ」
ハウルはテーブルに焼き付いた焼け焦げを消すが、呪いは消えない。ハウルは城を動かすようカルシファーに命じ、風呂へと向かった。
ソフィーが荒地の魔女の手下ではないかと疑うマルクルに、ソフィーは真実を話そうとするが、荒地の魔女の言った通り呪いについて話すことはできない。怒ったソフィーは、徹底的に城の掃除を始めた。
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ハウルは鳥に姿を変え、戦場を飛んでいた。
翌日、ソフィーはマルクルと港町へ買い出しに出た。買い物をしていると、港へ傷ついた艦隊が帰って来た。そこでハウルの城を探している荒地の魔女の手下、コブ人間に遭遇する。
走って城へと戻るソフィーとマルクル。すると、ハウルが叫びながら風呂場から飛び出してきた。風呂場の棚を掃除してまじないをめちゃくちゃにしたせいで、ハウルの髪の色は真っ黒になってしまっていた。「美しくなかったら生きていたって仕方がない」と絶望するハウル。
かんしゃくを起こしたハウルは、闇の精霊を呼び出し始めた。ソフィーはハウルをなだめるが、ハウルは緑のヘドロを出し始める。
ソフィー「もうハウルなんか好きにすればいい!私なんか美しかったことなんか一度もないわ!」
とソフィーは城を飛び出した。
外は雨の荒れ地だ。声を上げて泣くソフィーに、カブがやって来て傘を差し出した。
カブの優しさに落ち着きを取り戻すソフィー。マルクルに「戻って来て」と頼まれ、城へ戻ったソフィーは、ヘドロまみれのハウルを風呂に入れる。
ソフィーがハウルの寝室へミルクを持って行くと、部屋はガラクタでいっぱいだった。全部魔女よけのまじないだという。「本当は臆病者で、怖くて怖くてたまらない」と言うハウル。面白そうな人だと思い自分から近付いたが、逃げ出したせいで荒地の魔女に追われていた。
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転:サリマンとの対決
王様の話を断るため、ソフィーはハウルに頼まれ、ハウルの母親のフリをして王宮に乗り込むことに。
王宮までの階段で、荒地の魔女に再会する。荒地の魔女も王様に呼ばれていた。汗だくだくになりながら、何とか長い階段を登りきったソフィーと荒地の魔女。
ソフィーは別室に通され、ハウルの師匠で王室づき魔法使いのサリマンと対峙する。ソフィーがハウルの変装だと思っていた老犬フィンは、サリマンの使い犬だった。
サリマンは、最後の弟子として自分の跡継ぎになるのを期待していたハウルが悪魔と取引をしてしまったことを嘆く。王国にとっていかがわしい魔法使いや魔女は無視できないと、サリマンは荒地の魔女から力を奪い取り、本来の年に戻していた。
王国のために尽くさないのであれば、ハウルからも力を奪い取るというサリマン。ソフィーは荒地の魔女を招いておきながら罠にかけたサリマンを批判し、わがままで臆病だけれど、自由に生きたいというハウルの意思を信じると宣言する。
だがサリマンはソフィーの正体を見破っていた。
サリマン「ハウルの弱点が見つかったわ」
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国王に変装したハウルが現れ、サリマンとの全面対決になる。サリマンの魔法から逃れ、城の天窓を破って外へ脱出。ハウルは自分がおとりとなり、ソフィーを逃すのだった。
ソフィーは飛行機を操縦し、何とか荒れ地の城へと戻る。夜になってから帰って来たハウルは、ひどい傷を負っていた。
傷つき戻ってきたハウルに、ソフィーは
ソフィー「私、あなたを助けたい。あなたにかけられた呪いを解きたいの。だって私、あなたを愛してるの!」
と告げるが、「自分の呪いも解けないお前にか」とハウルは姿を消してしまう。
一方、カルシファーも早くハウルとの契約の秘密を暴いてほしいと焦っていた。ハウルが魔王になってしまうまで、もう時間がないという。だがハウルがカルシファーに渡した大切なものとは一体何なのか?
翌日、ハウルはサリマンの追手から隠れるため、魔法で引越しをすることにした。ハウルが引っ越したのは、ソフィーの実家のハッター帽子屋だ。ソフィーが帽子を作っていた作業部屋を、ソフィーの部屋にあてがうハウル。
そして新しいピンクの出口は、ハウルがソフィーのために用意した花畑へと通じていた。花が一面に咲いた夢のような秘密の庭に、喜ぶソフィー。そこにはハウルが子供頃の夏によく一人で過ごしたという小さな家もあった。
だがハウルは、城を離れる準備をしているようでもあった。ハウルの力になりたいソフィーは思いを伝えるが、解け始めていた呪いが戻り、また老婆の姿に戻ってしまう。
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結:ハウルとカルシファーの契約の秘密、カルシファーの正体
戦争で街中の人たちが逃げ出していく中、ソフィーの義母のファニーがソフィーを訪ねて来た。
ファニーは帽子屋を売り払って、お金持ちの新しい夫と再婚しており、また一緒に暮らさないかと提案する。だがソフィーは、「今の暮らしが気に入っているから」と断った。
実は、ファニーはサリマンの使いでやって来たのだった。ファニーはわざと巾着を残し、荒地の魔女がそれに気付く。巾着の中にはのぞき虫と葉巻が入っていた。のぞき虫を食べされられたカルシファーは、途端に力が弱まってしまう。
空襲が始まった。軍艦から爆弾が投下され、街中が炎に包まれていく。空襲警報が鳴り響く中、サリマンの使い魔たちが一斉に店の中へと入って来た。
ソフィー目掛けて落ちてきた爆弾を、鳥に変身したハウルが間一髪食い止めた。ハウルが戻って来たことにより、カルシファーも力を取り戻す。サリマンが荒地の魔女に贈った葉巻も、カルシファーの力を弱めることに一役買っていたのだ。
中をカルシファーに任せ、外を守るため再び戦火の中へと出ていこうとするハウル。ソフィーは戦わずに一緒に逃げようと説得するが、ハウルは
ハウル「なぜ。僕はもう十分逃げた。ようやく守らなければならないものができたんだ。君だ」
と外へ飛び出していった。
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なおも城の中へ侵入してこようとするサリマンの手下たち。ソフィーは荒れ地へとドアを切り替え、城を移動させる。だがハウルは街で敵に囲まれていた。
ソフィーたちがここにいる限り、ハウルは守るために戦うだろう。そう思ったソフィーは、引っ越しを決意する。契約で暖炉から出られないというカルシファーを、城の外へ出すソフィー。
カルシファーが外へ出ると、城が一気に崩れた。
ハウルの元へ向かうため、城を動かしてほしいと頼むソフィー。ソフィーの髪をエネルギーに、カルシファーは瓦礫を持ち上げ、ソフィーたちを乗せて走り出した。
だが未だハウルの心臓を狙っていた荒地の魔女が、カルシファーの根本にあったハウルの心臓に気付き、掴んでしまう。炎に包まれてもなおカルシファーを離そうとしない荒地の魔女に、ソフィーは水をかけてしまった。力を失った城は崩れ、ソフィーはフィンと共に谷底へと転落してしまう。
何とか助かったソフィーだが、カルシファーに水を掛けてしまったことで「ハウルが死んだらどうしよう」と泣き崩れる。
その時、ハウルにもらった指輪が一筋の光を放ち始めた。ソフィーが「ハウルの居場所を教えて」と頼むと、そこには城のドアがあった。中へと進むと、そこには少年時代のハウルがいた。ドアは、ハウルの過去に通じていた。
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ハウルの過去をかいま見たソフィーは、カルシファーの正体が流れ星だったことを知る。
流れ星として命が尽きようとしていたカルシファーを、かわいそうに思ったハウルは、カルシファーを生かすために自分の心臓を渡していたのだ。
ソフィー「ハウル!カルシファー!私はソフィー、待ってて!私きっと行くから。未来で待ってて!」
そう2人に告げ、ソフィーは再び扉をくぐって現在へと戻る。そこには傷つき、人間に戻れなくなったハウルがいた。ハウルにカルシファーの元へ運んでもらうと、カルシファーは死んではいなかった。
カルシファーにそっとキスをし、
ソフィー「どうか、カルシファーが千年も生き、ハウルが心を取り戻しますように」
と願ってハウルに心臓を返すソフィー。すると悪魔の契約は解除され、カルシファーは自由になった。
ハウルも意識を取り戻した。だがカルシファーの魔法が解けたため、ソフィーたちの乗った板は崖下へと真っ逆さまに落ちていってしまう。
それをカブが自分を犠牲に食い止めるのだった。ソフィーがカブに「ありがとう」とキスをすると、カブは人間へと姿を変えた。
カブの正体は、隣の国の王子だった。愛する者にキスされないと解けない呪いで、カブ頭にされていたのだった。
目覚めたハウルと抱き合うソフィー。王子は戦争をやめさせるため、隣国へと帰ることに。一方、フィンの報告を聞いたサリマンも、総理大臣と参謀長を呼び、この馬鹿げた戦争を終わらせることを決意する。
呪いが解けたカルシファーが「みんなと居たいんだ」と戻ってきた。新しくなった城は、再び空へと舞い上がった。ソフィーの呪いも無事解け、心を取り戻したハウルとの恋はハッピーエンドを迎えるのだった。
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『ハウルの動く城』解説
ソフィーがなぜおばあさんになったり若返ったりするのか?なぜ戦争をしている?
などなど、『ハウルの動く城』の謎や疑問について徹底考察していきます。
謎解説⇒「ハウルの動く城」の9つの謎を徹底解説!原作にない戦争、ソフィーの姿が変わる理由
『ハウルの動く城』原作
『ハウルの動く城』の原作は、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの小説です。