ブラックペアン最終回ネタバレ結末 17年前飯沼達次に残されたペアンの真相

二宮和也主演ドラマ『ブラックペアン』ネタバレあらすじと最終回結末、感想についてまとめています。
東城大学を追われた父親の復讐を果たすため、佐伯外科の崩壊を目論む渡海。佐伯教授の口から語られた、17年前の医療ミスの真相とは?
海堂尊の原作小説をラストまでネタバレしていますので、結末を知りたくない方はご注意ください。

登場人物&キャスト

原作小説『ブラックペアン1988』やバチスタシリーズで登場する人物もあわせてチェックしていきます。

■ 渡海征司郎(二宮和也)
ヒラでは最年長の医局員。天才外科医だが、手術職人で不真面目で普段は仮眠室でゴロゴロしている。通称”オペ室の悪魔”。佐伯教授とは父親のことで浅からぬ因縁がある。

■ 世良雅志(竹内涼真)
佐伯外科に入局したばかりの新米医師。サッカー部に所属し、「俊足サイドバック」として名を馳せていた。

■ 渡海春江(倍賞美津子)
渡海の母親。心配性で、米など様々なものを送っている。

佐伯外科学教室

■ 佐伯清剛(内野聖陽)
教授。日本を代表する外科医。手術の時は器械台に黒いペアン「ブラックペアン」を用意している。
  
■ 高階権太(小泉孝太郎)
帝華大学から招聘された講師。食道自動吻合器「スナイプ」で外科医の技術教育を変えようとしている。後の東城大学病院長。
  
■ 黒崎誠一郎(橋本さとし)
準教授。
  
■ 垣谷雄次(内村遥)
助手。サッカー部の先輩で、世良を佐伯外科に引っ張った。専門は心臓血管外科で、後に「チーム・バチスタ」のメンバーとなる。
  
■ 関川文則(今野浩喜)
佐伯教授の医局員。

■ 守屋信明(志垣太郎)
東城大付属病院の病院長。退任後、帝華大系列病院のポストが用意されており、西崎教授に頼まれて高階を佐伯外科に招聘する。

■ 池永英人(加藤浩次)
医療ジャーナル誌の最高権威である「日本外科ジャーナル」の編集長。

■ 木下香織(加藤綾子)
治験コーディネーター。

研修医
■ 田口公平(森田甘路)
後の特別愁訴外来通称”愚痴外来”の責任者。お人好しで他人を疑うことができない。血が苦手。バチスタシリーズでは伊藤淳史が演じている。
  
■ 速水晃一(山田悠介)
後の救命救急センター部長、通称”ジェネラル・ルージュ”。『ジェネラル・ルージュの凱旋』では西島秀俊が演じている。
  
■ 島津塔子(岡崎紗絵)
後の放射線科助教授。原作では「島津吾郎」と男性だが、ドラマでは大人の事情により女性。『アリアドネの弾丸』では安田顕が演じている。
  
■ 北島達也(松川尚瑠輝)
世良の同期。目端が利き、上司からの信頼を得ている。

看護師

■ 藤原真琴(神野三鈴)
手術室兼ICU婦長。器械出しは佐伯教授が認める腕前。バチスタシリーズでは名取裕子が演じている。
  
■ 猫田麻里(趣里)
主任。藤原が「ネコ」と呼ぶ愛弟子。病院のいたるところでシエスタという名の昼寝をしている。
  
■ 花房美和(葵わかな)
新米看護婦。後の救命救急センター看護師長。『ジェネラル・ルージュの凱旋』では白石美帆が演じている。速水に想いを寄せていたが、『ブラック・ペアン』では世良といい感じ。

帝華大学
■ 西崎啓介(市川猿之助)
帝華大学教授。

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ドラマ『ブラックペアン』ネタバレをラスト結末まで

1話:”オペ室の悪魔”渡海VS帝華大からの刺客・高階

「神の手」と言われる東城大学の佐伯教授の手術見学に、帝華大学の西崎教授が高階を伴ってやって来た。
西崎教授は半年後に開催される日本総合外科学会の理事長選を佐伯教授と争っていた。

佐伯式による手術が順調に進む中、明日に佐伯教授のオペを控えていた患者が大動脈解離を起こし、緊急オペになる。
佐伯教授は助手についていた横山正(岡田浩暉)にオペを命じる。横山は世良の指導医で、佐伯教授の一番弟子でもあり、次期准教授の座を期待されていた。
横山はモニター越しに佐伯教授から指示を仰ぎ、手術を終えるが、直後に心臓から大量出血が起こる。

そこへ渡海が現れ、佐伯教授の指示のミスを指摘。渡海は横山の退職金1000万と引き換えにもみ消してやると、佐伯式での手術を行う。
世良は渡海の神業ともいうべき手技を目の当たりにするが、大学病院のしきたりになじまない渡海は“オペ室の悪魔”と揶揄され、医局員たちからの評判は軒並み悪かった。

垣谷「確かに渡海先生の腕は患者を生かす。だが医者を殺す」

一方、その様子をモニター越しに見ていた高階。
数日後、高階はスナイプを引っさげ、佐伯外科に一石投じようとする。

病院を追われた横山に代わり、渡海が世良のオーベンとなるが、渡海は担当患者の前にも姿を見せない。さらに治験コーディネーターの木下と繋がっている渡海が新しく入れた検査器具の扱いもわからず、戸惑う世良。

世良の最初の担当患者となった皆川妙子(山村紅葉)は、身よりもおらず、手術自体を拒否していた。世良はある日、皆川妙子が毎日病室の窓から一本の桜を眺めていたことに気付く。世良から思い入れのある桜が咲こうとしていることを聞き、生きる気力を取り戻した皆川妙子。

そんな彼女に、理事選に強い影響力を持つ「日本外科ジャーナル」の池永編集長を招いてのスナイプ手術が適応されることになる。
木下からスナイプの失敗症例の資料を手に入れた渡海は手術を止めに入るが、佐伯教授は高階に手術を続行させた。

スナイプ手術は成功したかに見えたが、目覚めた皆川妙子は痛みを訴える。手術前に腹部のCTを確認していなかった高階は、動脈瘤に気付かずスナイプ手術を実行したため、腹部で大出血を起こしていた。
だから渡海は手術を止めたのだ。

緊急オペになるが、高階は失血点を見極めることができず、出血を止められない。さらに手が震えて、手術の続行が不可能になってしまう。
渡海は退職金と引き換えに助けてやると提案するが、高階は拒否。渡海はオペ室から出ていってしまう。

世良は渡海を追いかけ、金は自分が払うから助けてほしいと土下座して懇願する。

渡海「1億な。払い終えるまで、お前は俺のために一生ここで働け」

手術を終えた渡海は佐伯教授の元へ向かう。佐伯教授は西崎教授の刺客である高階をおとなしくさせるため、皆川妙子の腹部の動脈瘤に気付いた上で、渡海が再手術することまで見越し、高階にスナイプ手術を敢行させたのだった。

ペアンが体内に留置された、飯沼達次という患者の胸部レントゲンを眺める渡海。
それは、佐伯教授と父・渡海一郎の因縁の始まりとなったペアンだった。

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2話:世良の失敗、高階と渡海の賭け

スナイプ手術の失敗により、病院内での高階の立場は最悪の状況だった。

一方、サッカーの神様ペレの「全ては練習の中にある」という言葉を信条にしている世良は、渡海を見返そうと夜遅くまで医局に残って熱心に糸結びの練習をしていた。

そこへ急患の患者が運ばれてくる。
渡海の助手として手術に入った世良。だが渡海は縫合を中断。花房と世良の会話を仮眠室で聞いていた渡海は、世良に縫合を命じる。
世良は戸惑いながらも、何とか縫合を終えた。

だがペアンを外した途端、出血が起こった。

渡海「人一人殺したな。ああごめん、二人目か」

自分の失敗で患者を殺してしまうところだった。
手術の恐怖を植え付けられた世良は、「研修先変更希望届」を手にしていた。

退院しようとする小山に、

渡海「今ここを出ていったらあなた死にますよ。だからといってここにずっといても、後一か月後には結局死にます。やってみなきゃわかりませんよ。手術は博打ですよ」

と告げる渡海。

高階は、小山にスナイプ手術の適応を申し出る。他の医師たちは猛反対するが、佐伯教授は前回の件は不問とし、スナイプ手術を許可する。だが佐伯教授は、ある条件を提示。
執刀医は高階以外とし、高階には手術への立ち会いすら許さない。高階はこの条件をのんだ。

スナイプ手術に難色を示す小山だったが、治験手術を受ければ負担軽減費として300万を受け取れることを知り、手術を承諾する。

小山の手術痕を見て、自分の失敗を思い出す世良。もはや縫合の失敗は世良のトラウマと化していた。
しかし、世良は小山の手術スタッフに第2助手として選ばれてしまう。執刀医は関川だ。

高階によるスナイプ手術のレクチャーが開始。チームは本番に向け、何度もシュミレーションを繰り返した。

世良は自分を手術チームから下ろすよう高階に頼む。世良の失敗をモニターで見ていた高階は、過去に自分が5人を手術で殺したことを告げ、一人も殺していない世良が外科医を辞めるのは無責任だと言う。一度命に関わった以上、外科医になり、何百人何千人の命を救う義務があると。

渡海「腕のない医者は何をやっても許されるの。腕のない医者は死んだらいい」

という渡海に、高階は賭けを持ちかける。世良が外科医を辞めるかどうか、互いの退職金一千万と辞表を賭けようというのだ。

自分がここにいる資格があるのか、迷う世良。渡海にサインしてやるから今すぐ「研修先変更希望届」の理由蘭を書くよう言われる。
「命が怖い」という世良に、渡海は

渡海「ゼロだ。俺は今まで一人も殺しちゃいない。泣くぐらい怖いんだったら、異動とか甘っちょろいこと言ってないで、もう辞めろ。邪魔だ」

と告げる。さらに、猫田から「自分が一番怖いとでも思ってるの?」と言われた世良。

手術当日、世良は小山の手が震えていることに気付く。
手術が一番怖いのは患者だった。そのことに気付いた世良は、小山の手を握りしめた。世良の手の震えが止まる。

スナイプ手術は順調に進んでいるかに見えた。が、突然心室内に人工弁が脱落した。
人工弁を留置する際、関川が利き手である左手にスナイプを持ち替えたことが災いし、人工弁が予定外の角度でリリースされてしまったのだ。

初めての手術に対する恐怖が、器械の操作を狂わせた。さらに関川は、難易度の高い手術の時はいつも助手の渡海に執刀させていた。明らかに人為的なミスだった。

世良は高階を呼ぶが、佐伯教授は高階に行くことを許さない。「その時は二度とあのオモチャを使えなくなると思え」と告げる。
そしてマニュアル通り、回収デバイスで脱落した人工弁を回収するよう指示した。
世良は直接、「逃げているのはあなたの方だ」と高階を説得する。

手術室に駆け付けた高階はスナイプを抜き、回収デバイスで人工弁を回収しようとするが、人工弁が心筋内に食い込んで筋肉を裂き、左心室から出血した。
無理に人工弁を摘出すれば、心臓が破裂してしまう。

佐伯教授が立ち上がった時、渡海が手術室に現れる。

渡海「一千万でもみ消してやるよ。だから辞表書け。それで助けてやるから」

高階は了承した。

渡海は弁に絡んでいる心筋が見えているがごとく、ドベーキーで直接人工弁を捕まえ、摘出する。さらに僧帽弁を修復するため、オンビートでの佐伯式を開始した。
そして心尖部の縫合を、再び世良にやらせる渡海。今度はペアンを外しても出血はしなかった。

荷物をまとめる高階を、世良は引き止める。そして「研修先変更希望届」を破り、「覚悟は決めました」と宣言した。
高階が賭けに勝ったことにより、高階の辞職はチャラ。

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3話:スナイプ同時手術、佐伯教授の目論み

2度のスナイプ手術の失敗を経て、高階は追い詰められていた。
スナイプ手術の症例数が一向に増えず、論文が進まず、インパクトファクターを求める西崎教授からの圧力は強まる一方だ。

そんな時、治験コーディネーターの木下が一人の患者を連れて来る。
音大生の田村隼人。父親は厚労省次期事務次官候補だ。
田村隼人は僧帽弁閉鎖不全症で、近くアメリカで開かれるピアノコンクールに出場を控えており、早期に回復できるスナイプ手術を希望した。

VIP対応で入院した田村隼人を世良が担当することになった。
病院に残って論文作業をする高階に、世良は手伝いをしたいと申し出る。

論文完成のためにも、田村隼人の手術を絶対に成功させたい高階。
しかし、検査の結果、田村隼人の心臓は肥大型心筋症であることが判明する。心筋肥大を起こしている心臓では、少しでも心筋に触れると致死性不整脈が起こり、死に至る可能性がある。

高階はスナイプ手術の適応は無理だと判断。
しかし、佐伯教授は執刀を渡海に命じ、スナイプ手術をするよう命じる。

結局渡海は一度もスナイプに触ることなく、手術当日を迎えた。
だが手術当日、モニタで心臓を見た渡海は、手術の中止を宣言。戸惑う高階と世良。

その後の検査で、心尖部の筋肉が通常よりかなり弱いことが判明。心尖部からスナイプを挿入できないことがわかる。
もしスナイプを挿入していれば心尖部が裂け、大出血を起こしていた。
渡海はわずかな心臓の動きから、それを見抜いていたのだ。

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心室内を傷つけずに僧帽弁に到達するスナイプの新しいルートを見つけるため、3Dプリンタを使って再現した心臓で何度も試行錯誤を繰り返し、高階と世良はついにルートを見つける。

しかし渡海は患者にスナイプ手術の失敗症例を告知し、さらに見もせずに新ルートのデータを消去してしまう。チームとして協力しない渡海に、激昂する高階。

渡海「心尖部の28ミリ左からスナイプを挿入する。そこから83度の挿入角でアプローチすれば肥大した心室内を傷つけずに僧帽弁にたどり着ける。逆言うとそれ以外ルートないんですけど?何か問題でもありますか?論文で人が救えるんだったら世話ないよ」

高階と世良が何十回とスナイプを挿入してようやく見つけたルートを、渡海はいとも容易く見つけていたのだ。

高階は「論文は医者の全てだ」と反論。渡海は医者ではなくただの手術職人だと批判する。

佐伯教授は高階に恐るべき提案をする。
「正式に東城医大の医師となり、自分の下につかないか」と。佐伯教授はスナイプごと高階を帝華大学から引き抜こうと考えていた。
佐伯教授の言葉に揺れる高階。

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田村隼人の手術日は、佐伯教授が東京へ出張で不在の日に決定した。

手術当日。スナイプ手術は順調に進んでいたが、そこへ佐伯教授の手術を受けるはずだった楠木秀雄が心タンポナーデでショック状態と連絡が入る。
佐伯教授は講演中で、指示を仰げない状況だ。
冠動脈造影の検査を指示していたことから、渡海はすぐに冠動脈瘤の破裂に気付く。だが、まさか今起こるとは。

楠木秀雄には緊急手術が必要だが、手術できる医師は渡海しかいない。
渡海は世良に問う。

渡海「俺の身体は一つ。だがら助けられる命も一つだ。ならどっち助ける?いや、どっち殺す?」

「そんなことは決められない」という世良に、「俺なら両方助ける」と宣言する渡海。

渡海は猫田に楠木秀雄を第2手術室に運ぶよう指示していた。

田村隼人の手術を高階に任せ、渡海は楠木秀雄の手術を開始。なぜかわざわざ難しい左から開胸する。

高階にモニタを見て指示を出しながら、渡海は2つの手術を同時に進めていった。
だが不整脈が起き、高階はこれ以上の続行は不可能と判断する。

そこへ冠動脈瘤の吻合を終えた渡海が戻ってきた。

渡海はもう一台のスナイプを手に、高階に楠木秀雄の手術の交代を命じる。
だから渡海は左開胸にしたのだ。冠動脈バイパスではなく、高階にスナイプ手術をさせるために。

2つのスナイプ同時手術は成功した。
楠木秀雄はなぜか病院の裏口から退院して行った。

実は、楠木秀雄は「日本外科ジャーナル」の前編集長だったのだ。
外科学会に多大な影響を持つ楠木秀雄が、西崎教授ではなく佐伯教授の元に心臓手術を受けに来たと知れれば、理事長選の公平性が失われる。

佐伯教授が渡海に手術させた真の狙いを知った高階は、選択を迫られる。
西崎教授か、佐伯教授か、どちらにつくのか。

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4話:揺れる高階、渡海VS佐伯教授

高階は僧帽弁閉鎖不全の島野小春を東城大に転院させた。島野小春は高階が帝華大時代に担当していた患者で、7歳の女の子だ。
血液が固まりにくい症状で出血を伴う手術は不可能ということもあり、高階は佐伯教授にスナイプ手術の実施を頼み込む。

実は、西崎教授にはスナイプの論文完成を間近に控えたこの時期に危険な手術をやるべきではないと、帝華大での手術を断られていた。佐伯教授は論文の末尾に自分の名前を記すことを条件に、患者の受け入れを了承する。

佐伯教授は渡海を執刀医に指名した。ところが、渡海は指名を断ってしまう。それどころか、スナイプ手術に舵をきった佐伯教授を厳しい言葉で攻め立てた。
ブラックペアンを愚弄されたことに激怒した佐伯教授は、渡海に今後の手術に一切関わらないよう言い渡し、医局から出ていくよう命じる。

執刀は自分がやるしかなくなり、高階はシュミレーションを繰り返していた。

出血を抑えるため、心臓に開ける穴をできる限り小さくしなければならない。通常は20ミリだが、スナイプの直径と同じ幅の12ミリが、島野小春の心臓の限界だった。
しかしあくまでも理論上の計算に過ぎず、いくら検証を繰り返しても突破口は見つけられない。

そんな時、渡海の担当患者が急性MR(僧帽弁逆流)を起こし、スナイプでの緊急手術になる。だが経食道エコーで僧帽弁にベジテーション(菌の塊)が見つかり、スナイプは使えず、佐伯式しか方法はない。世良は渡海を呼ぶが、渡海は教授にオペに関わるのを禁止されているのを理由に、手術を断る。

そこへ佐伯教授が現れた。藤原師長が講演から帰ったばかりの佐伯教授を緊急に呼んだのだ。迅速に処置を施し患者を救った佐伯教授に、世良は「やっぱりこの人は神様だ」と感動する。

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高階がスナイプに目を付けたそもそものきっかけは、島野小春を助けたいと思ったからだった。西崎教授に媚びへつらい、スナイプを日本に持ってきて、今度はその敵である佐伯教授に忠誠を近い、ようやく手術までたどり着くことができた。しかし自分の腕では助けることはできない。高階は渡海にスナイプで島野小春を助けてやってほしいと頭を下げる。だが渡海は

渡海「そもそもそのスナイプじゃ不可能なんだよ」

と言い放つ。
木下からスナイプの設計図を手に入れた渡海は、スナイプの欠点を見抜いていた。

血管を傷つけるのが駄目なら血管の中を通ればいい。渡海はカテーテル治療を考えていた。だがカテーテルでは、いき着く先は右心房だ。僧帽弁につながる左心房の中隔、その壁の突破が無理だ。だから直接僧帽弁にアプローチするスナイプが生まれた。カテーテルなんて過去のやり方だと言う高階に、

渡海「だからそのカテーテルに、スナイプをつけりゃいいだろ」

島野小春の中隔にある小さな欠損、その穴を通して、僧帽弁にたどり着くことを提案する渡海。最新テクノロジーがあっても使えなければ意味がない。古いやり方にも強みはあると。
しかしそんな難度の手術ができるのは渡海だけだ。渡海は最初から自分が執刀するつもりだったのだ。

高階は渡海を現場に戻してくれるよう、佐伯教授に頭を下げる。佐伯教授は思いの外、あっさり許可を出した。

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手術当日。高階と渡海はチームとして手術にあたった。カテーテルの扱いも一級品の渡海は、直ぐに右心房に到達。高階が中隔の穴が最も広がるタイミングで突破を指示し、無事手術は成功した。

いくらでも払うつもりだという高階に、渡海は

渡海「貸しといてやるよ。あんたにはいずれ、金じゃないものを払ってもらう」

と告げ、佐伯清剛という男を信じるなと忠告する。

一方、高階のスナイプ論文が掲載された日本外科ジャーナルが刊行された。末尾に記されたのは、西崎教授か、佐伯教授か。

確認した佐伯教授は驚く。高階は末尾に、西崎教授の名前を記していた。
西崎教授は佐伯教授なら引き受けることを見抜いていた。提案に乗ったふりをし、その上で利用するだけ利用したのだ。これでインパクトファクターは西崎教授の物となった。

高階「これでもう東城大に用はない」

と言い放つ高階。

渡海は日本外科ジャーナルを見て不敵に微笑むのだった。

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5話:手術ロボット「ダーウィン」

西崎教授を選んだ高階は東城大を去り、帝華大に戻る準備を始めていた。
一方、渡海から島野小春に関するある懸念を聞いた佐伯教授は、スナイプ論文の撤回を日本外科ジャーナルに直談判した。

血液検査の結果、島野小春の心房中隔に感染が起きていることがわかる。いつ心不全が起きてもおかしくない状態で早急に手術が必要だが、西崎教授は中核の感染であれば検査で見逃したとしても不思議はないとし、一旦退院させるよう命令する。

迷う高階に、渡海は「退院許可証」を突き付け、東城医大から出ていけと告げる。

高階は佐伯教授に緊急カンファレンスを開いてくれるよう頼むが、「随分と都合のいい話だ」と一蹴されてしまう。

島野小春の中隔感染は、前回のオペでスナイプで中隔の穴を塞いだが、その後栓に緩みが生じ、そこに感染が発症したことが原因だった。佐伯教授は東城大でのスナイプの使用を全面的に控えるよう決定する。
西崎教授からも

西崎教授「インパクトファクターが獲得できなければ失敗だ。お前に戻る場所などない。二度と私の前に顔を見せるな」

と言い渡され、高階は東城大でも帝華大でも居場所を失ってしまう。
スナイプ論文は一気に白紙へと戻され、西崎教授のインパクトファクターは帳消しとなった。

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カンファレンスで、開胸手術が出来ない島野小春に、渡海はオペは不可能だと判断。薬物治療による対処を決定するが、高階は内視鏡下手術支援ロボット「ダーウィン」での手術を提案する。帝華大に転院させて手術しようとする高階を、佐伯教授は島野小春の主治医から外してしまう。

新しく主治医となった渡海は、島野小春の治療に治験剤である造血剤ネスパを導入。だがネスパは根本的な治療にはつながらない。島野小春が命を落とせば、スナイプの責任、ひいてはスナイプを推進した西崎教授の責任にもなると高階は懸念していた。

そんな中、牧野文子という患者の容態が急に悪化。緊急オペになるが、左右の肺動脈が完全に詰まり、さらに小児期にファロー四徴症の手術歴があり、癒着が激しく正中開胸ができない状態だ。高階は左開胸で左右の血栓を取る方法を提案。日本では前例がないが、助手としてその術式を経験していた高階は、当直医の渡海に代わり自分が執刀すると宣言する。

手術は無事成功した。失うものはもう何もないと気付いた高階は、ある行動に出る。

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高階はダーウィンを東城医大に貸してくれるよう、西崎教授に頼みに帝華大を訪れた。佐伯教授が島野小春を見殺しにすれば、スナイプ研究を指示した西崎教授の責任になると半ば脅しをかける高階に、西崎教授はこれを許可。ただし、執刀医は帝華大の松岡だという条件付きだ。

西崎教授は厚労省の医務技監・富沢雅之(福澤朗)と繋がっていた。富沢は旧態依然とした日本の医療界を変えるべく、最新医療を積極的に取り入れて外科医の技術格差を撲滅したいと考え、今回のダーウィン手術を支援していた。

手術のシュミレーションは順調に進み、手術は成功間違いなしと豪語する松岡だが、子供のダーウィン手術は初めてだ。懸念を隠せない高階は、渡海にダーウィンの資料を渡し、島野小春の命を助けるためなら自分にできることは何でもすると頭を下げた。そんな高階に、渡海は

渡海「人って変わるんだな」

高階「何もかも失いましたから。だがおかげで気づいたことがある。大学病院では、出世に興味のない人間が一番強い。渡海先生のように」

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島野小春のダーウィン手術当日。西崎教授と池永編集長も手術の見学に東城医大を訪れた。

松岡「さあショータイムの始まりだ」

心膜を切開し、右心房の感染巣に到達。感染巣の切除するだけという段階になり、鉗子が動かなくなってしまう。アーム同士がぶつかってしまっていたのだ。身体の小さな子供だとそれぞれのアームを動かせる幅が決まって来る。それを想定せずにアームを調整しなかった松岡のミスだった。

アームを無理に動かせば心臓が裂ける。出血量は増える一方だ。高階は撤退するよう言うが、松岡は切除を続行しようとする。

渡海は高階と協力してダーウィンのアームを解除、鉗子を抜き、開胸手術に切り替える。手術前日までネスパの投薬を続けるよう命じていたのは、輸血のできない島野小春の自己血を貯めるためだったのだ。自己血が持つ制限時間は30分。

今回の身体の小さな子供の手術には、もっと繊細な準備が必要だったことを佐伯教授は見抜いていた。その上で松岡にあえて手術をさせたのだ。

渡海は30分以内に感染巣を切除、手術を成功させた。礼を言う高階に、

渡海「このぐらい当然だよ。医者だからな」

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その後、島野小春は順調に回復し、間もなく退院の日を迎えようとしていた。高階は一緒にサッカーする約束を果たすため、世良からサッカーを教わることに。

そして松岡にミスをフォローした高階に、西崎教授は再び声を掛けた。西崎教授は第一重工と帝華大が手を組んだ一大プロジェクト「国産ダーウィン」の治験手術第一号を高階に任せたいと告げる。新たなインパクトファクターを獲得するため、理事長戦までに症例を集め、論文を完成させるために。

厚労省の後ろ盾を得たこのプロジェクトは、絶対に成功させなければならない。これが最後のチャンスだと、西崎教授は高階に言い渡す。立場から逃れられないことを、思い知らされる高階。

一方、佐伯教授に一通の郵便物が届いた。中身は例のペアンが体内に留置された、飯沼達次の胸部レントゲン写真だった。渡海の復讐が、ついに始まった。

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6話:国産ダーウィン「カエサル」と渡海の母親の手術

佐伯教授は飯沼達次の胸部レントゲン写真が入ったDVDの処分を、藤原師長に命じた。ブラックペアンの秘密を守るため、藤原師長は古い資料を病棟の保管室へ移動させることにする。

東城大を渡海の母・春江が訪ねて来た。偶々そこに居合わせた木下は、花房と春江を食事に誘う。そこで春江が突然倒れ、東城大に搬送された。渡海は別の緊急オペで不在だったため、執刀は不可能だ。黒崎准教授が執刀し、左房粘液腫を除去、危機を脱する。術後、春江の病室を訪れた佐伯教授に、出ていくよう渡海は言う。

その後の検査で、左房内の肺静脈に腫瘍の見落としが発覚する。カンファレンスで渡海は黒崎准教授の見落としを医療過誤と責め立て、病院に和解金として二千万を要求した。これに対し、佐伯教授が再手術の執刀を申し出るが、渡海はこれをはねつけ、和解の話がまとまるまでオペは保留だと言い放つ。

だが東城大では過去に2度、近親者がオペを行い失敗した例があり、それ以降医師が身内の手術を行うことを認めておらず、渡海自身が執刀することはできない。

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スナイプから最先端の手術支援ロボット・ダーウィンに戦いの場を移した日本外科学会理事長選。アメリカで開発されたダーウィンは、アームを操作することで超精密な作業が可能な上、小さな穴を開けるだけで手術が行えるため患者の負担も少ない。そして、厚生労働省主導のもと日本で開発した手術支援ロボットが「カエサル」、国産ダーウィンだ。

西崎教授と厚労省の富沢の思惑により、カエサルを治験扱いで東城大に導入することが決定。佐伯教授の命で高階が責任者となった。高階は治験第一号となる患者を探しあぐねていたが、西崎教授から早急に治験を実施するよう言い渡される。

そんな時、近くの工事現場で崩落事故が起き、けが人27名が搬送されてきた。渡海も応援に向かう。高階はそのすきを突いて、春江に接触。カエサルの被験者にしようと、治験の同意を取り付けた。

渡海の活躍で死者が出ることなく、事態は事なきを得たが、既に春江はカエサルによる治験手術を承諾してしまっていた。渡海は高階に詰め寄るが、高階は手術を成功させると宣言。

渡海「なら失敗したら、共々死ね」

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黒崎准教授のオペのミスが帳消しになることもあり、佐伯教授も高階のカエサルによる手術を認めた。しかし、残存腫瘍のせいで春江に血流障害が発生。さらに、春江の血液はRhマイナスだ。昼間の事故による緊急手術で、輸血がかなり少なくなっている危険な状況だが、高階はカエサルによる手術を強行する。

残存粘液腫の摘出には成功したものの、出血が発生していた。カメラ視野に限界のあるカエサルで大動脈遮断を行った時、奥の組織を傷つけてしまっていたのだ。大動脈の奥からの出血が止まらず、血液も足りない。佐伯教授は近くの病院から血液をかき集めるよう指示。だが最短でも一時間はかかる。

佐伯教授は渡海に執刀を拒否されていることを理由に、リカバリには向かわない。だが渡海が行けば、東城大の規定により処分は免れない。それでも渡海はオペ室へ向かった。

渡海は正中開胸を試みる。この手術を失敗に終わらせるわけにはいかない高階は、自己血パックによる輸血を開始。元々自分で執刀することを想定していた渡海は、事前に高階の血液がA型Rhマイナスであることを調べていた。他の病院からの輸血が届くまで、高階の血液でつなぐ計算だったのだ。輸血は間に合い、手術は成功した。

渡海を処分しようとする佐伯教授に、高階は手術の同意書を見せる。そこには、

もしも私の状態が本当に危険になった場合、息子渡海征司郎に最後の執刀をお願いしたい

とただし書きが記されていた。

世良と花房の会話を聞いていた春江は、息子が手術に立ち会えないことを知っていた。もしメスを入れれば、東城大をクビになることも。だからこそ、同意書に一筆追記したのだ。患者の要望は何よりも優先される。渡海の行動は処分なしということになった。

高階は渡海になぜ佐伯教授の執刀に反対したのか尋ねた。

渡海「俺は佐伯清剛という男を信じていない。あいつは俺の親父を裏切った」

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7話:帝華大に引き抜かれた渡海、木下の過去

渡海が東城大で禁じられている身内の手術をしたことに対し、守屋病院長は1/3の減給を言い渡す。すると渡海は、帝華大から倍の報酬で引き抜きの話が来ているという。

西崎教授の狙いが読めず高階も訝る中、国産ダーウィンの「カエサル」を推進する厚労省の富沢が、難易度の高い症例ではなく絶対に成功する手術を積極的に行ってほしいと、佐伯教授に一人の患者の治験を持ちかける。

カエサルの治験にぴったりの症例だという患者の名前は山本祥子(相武紗季)。だが東城大の患者の情報を富沢が知っていたことから、誰かが東城大の患者のリストを持ち出している疑惑が浮上。佐伯教授は、富沢の後ろに西崎教授の影を感じていた。

山本祥子を治験者とするため、担当医を黒崎准教授とし、木下から山本祥子に治験についての説明をすることになった。だが山本祥子と顔合わせした瞬間、木下の顔色が変わる。山本祥子も担当者を変えてほしいという。

山本祥子は、隣の市に勤務している現役の看護師主任で、木下とはかつての同僚だった。実は木下は6年前まで優秀な看護師だったが、執刀医の医療ミスの責任を押し付けられ、病院を追われた過去があった。山本祥子もその手術に参加していたが、クビにすると脅され嘘の証言をしたのだった。

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帝華大にやって来ても相変わらず昼寝ばかりしていたが、外科医の武田秀文(長谷川忍)が担当している患者が首の痛みを訴えていることに気付く。だがIDカードがないと患者の詳細データを見ることはできない。

一方、東城大では黒崎准教授が看護師の花房と宮元亜由美(水谷果穂)に、山本祥子にヘパリンとペニシリンの投与を指示していた。花房は前任の渡海の指示にはなかったペニシリンの投与に違和感を覚えるが、宮元は「黒崎先生の指示なんだから」とさっさと投与を済ませようとする。

花房は高階に倫理委員会の書類を届け、そこで山本祥子にはペニシリンのアレルギー体質があることが判明する。慌てて病室に駆け付けると、木下が点滴の投与を止め、山本祥子を助けていた。木下に命を助けられたことに驚く山本祥子。

今回の一件を藤原師長が守屋病院長と黒崎准教授に報告するが、守屋病院長は

守屋病院長「黒崎先生は最初からそんな指示はされていませんでしたよ?君たちが指示を聞き間違えたんだ」

と責任を看護師に押し付けようとする。
花房は反論しようとするが、なぜか宮元は直ぐに素直に謝り、その場は解散となってしまう。

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山本祥子には新しい治験コーディネーターが紹介されたが、山本祥子はやはり木下に担当をお願いしたいと言い出し、木下が担当しないならこの治験を受けるつもりはないという。

嘘の証言をし、かつては「死んでほしい」とまで思った相手からの申し出に戸惑う木下は、帝華大の渡海の元を訪れた。

ちょうどその時、武田が例の患者のオペ中だったが、問題が起きた。患者が心筋梗塞を起こしたのだ。冠動脈を調べればわかったはずの兆候を見逃した武田を責める渡海。オペを切り上げ、術後の患者の不幸な死として隠蔽しようとした武田に、渡海は「退職金一千万でもみ消してやる」と言い放つ。

渡海「患者がいる。そいつを助ける。以上。どこに行こうと、俺がやることは変わらないんだよ」

渡海のその言葉に、山本祥子の担当を引き受ける決心をした。

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手術は無事終了し、武田は今用意できるだけの金を渡海に渡した。一千万を用意できなかった武田に、渡海は金額をまける代わりに、IDカードを渡すよう要求する。そして猫太主任に、ある調査を依頼した。

山本祥子の手術当日。手術室に向かう前、「話がある」という山本祥子に、木下は手術が無事終わってから話を聞くと伝える。

黒崎准教授はカエサルで大動脈の縫合を終えたが、高階はエコーで左心房の奥に血栓の浮遊を見つける。直ぐに摘出しなければならないが、守屋病院長は一旦平復を命じる。

このまま放置すれば患者の命にかかわる状況に、高階は血栓の摘出を断行しようとするが、黒崎准教授は「血栓なんて今はどうでもいい」と言い放つ。

木下「今の会話を、全て患者様にお伝えしてもいいんですか」

高階は黒崎准教授の制止を無視し、手術を続行する。

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血栓は無事摘出、手術は成功した。
だがそこへ、渡海が帝華大で手に入れた東城大の患者リストを手に現れる。黒崎准教授は高階を疑うが、犯人は高階ではない。猫太主任の調査で判明したホストコンピューターにアクセスした検索者IDは、看護師の宮元亜由美のものだった。

だが実際に帝華大とつながっていたのは守屋病院長だ。宮元の父親は肺がんで、東城大の特別室に入院していた。宮元の給料では明らかに無理だ。宮元は、守屋病院長から金を受け取り、見返りとして患者リストを盗むよう指示されていたのだ。

渡海は守屋病院長が犯人だという証拠も持参していた。守屋病院長が西崎教授に患者リストを添付して送ったメールだ。渡海は武田のIDを使ってPCを調べた際に、守屋病院長が武田にもCCで送っていたメールを発見していた。

守屋病院長の犯罪を追及しようとする佐伯教授は、不問に付す代わりに帝華大から戻ってくる渡海の受け入れを要求する。ただし、倍の給料を自腹で払うことを条件に。

こうして渡海は東城大に戻った。元々守屋病院長を切るつもりだった西崎教授は、この機に一気に治験を進め、論文を完成させるよう高階に指示した。そしてスナイプの時のように、佐伯教授に論文の完成を阻止されないよう、池永編集長を使って新たな一手を放った。

一方、手術を終え、謝罪する山本祥子に、木下は

木下「人の敵は人。でも人の味方も人よね」

と言う。看護師を辞めさせられたから、今の仕事に出会えたと。そして道は違えどお互い目指す先は同じ、戦友だと。

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8話:東城大VS帝華大最終決戦

国産の手術支援ロボット・カエサルの治験も最終段階に入り、外科学会理事会でカエサルのお披露目をすることになった。これまで治験でケースを重ねてきた東城大を差し置いて、帝華大主導でお披露目の手術をしたいという西崎教授。東城大に何のメリットもないと判断した佐伯教授は、西崎教授が執刀医となることを提案。東城大と帝華大の合同チームが誕生した。

合同チームに、なぜか渡海は自分から参加を申し出る。佐伯教授を倒すために、今回ばかりは西崎教授に力を貸すと言う渡海。高階と世良もチームに参加することになり、手術のシミュレーションを重。仕切る渡海の姿に圧倒される。

勢い込んで東城大に乗り込んできた帝華大のスタッフたちの横暴に、不満が募る東城大の医局員たち。そんな時、佐伯教授が手術中に一瞬メスを落とす事態が起きる。手術をモニターで見ていた渡海も、佐伯教授の異変に気付く。藤原師長は自分のミスだとスタッフに謝るが、術後佐伯教授は心臓を押さえていた。

西崎教授は渡海が武田のIDを使って、帝華大のホストコンピューターにアクセスし、系列病院に飯沼達次という患者がいないか探していたことに気付いていた。そのことを渡海に問い詰めるが、渡海は知らないと言い張る。

そんな二人の会話を盗み聞きしていた世良は、渡海の部屋で花房から聞いたレントゲンを探し、花房には飯沼達次の患者データを調べるよう頼む。

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カエサルの治験には東城大から3人の候補者が選出されていたが、どれも難度が高い患者だ。西崎教授はもっと難度が低く確実に成功する患者を探すよう高階に命じた。そして渡海に手柄が横取りされることを恐れ、渡海をチームから外すよう指示する。

そんな中、小林龍一という患者が東城大に飛び込みで入院し、佐伯教授の手術を受けることになった。だが当の佐伯教授は頻繁にどこかへ出掛け、大学を不在にすることが増えている。

佐伯教授の行動をいぶかしむ世良に、渡海は佐伯教授が仕事を放り出してサボっているから後をつけて行き先を確認してくるよう命じる。仕方なく世良が花房と佐伯教授の後をつける。佐伯教授の行き先はさくら病院だった。

世良から佐伯教授の行き先がさくら病院だったことを聞いた渡海は、佐伯教授が心臓を患っているのではないかと告げる。そして、緊急性のない軽い症例の小林龍一を優遇しているのは理由を確認するべく、佐伯教授に詰め寄った。佐伯教授は渡海の質問をはぐらかす。

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小林龍一に目を付けつつも、西崎教授への情報提供はしなかった高階。だが手術当日、治験患者は小林龍一に決定していた。一体誰が帝華大に情報をリークしたのか、荒れる東城大。犯人は渡海だった。渡海は西崎教授に小林龍一のことを話したばかりか、佐伯教授が心臓に疾患を抱えていることまで伝えていた。

だがそんな渡海を利用した上、西崎教授は渡海を高階と共に手術室から追い出してしまう。

しかし、カエサルの操作に不慣れで経験不足の助手たちのミスで、左の鉗子が視野から外れてしまう。結果大動脈を損傷し、出血が止まらなくなってしまった。渡海、高階、世良は再び手術室へ向かい、渡海は西崎教授に

渡海「あんたの失敗、揉み消してやるよ」

と宣言、止血を開始する。

だがそこへ佐伯教授が現れ、渡海に術者の交代を命じた。見事な手技で手術は成功し、会場は拍手喝采となった。

手術を終えた渡海は、小林を問い詰める。小林龍一はさくら病院院長の息子だったのだ。息子が飛び込みで東城大に入院できたのは、小林が佐伯教授と密接につながっていたからだ。だが小林は佐伯教授の不調を知らなかった。ならば佐伯教授がさくら病院に何度も足を運んでいた理由は一つしかない。

東城大の知られたくない患者、飯沼達次は、さくら病院にいたのだ。

一方、医局員達の万雷の拍手を浴びる中、佐伯教授が倒れた。

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9話:”オペ室の悪魔”渡海の復讐、渡海の父親と佐伯教授の17年前の因縁

検査の結果、佐伯教授の心臓に疾患が見つかる。検査の結果、左冠動脈肺動脈起始症が判明。極めて稀な症例で、さらに僧帽弁閉鎖不全を併発していた。早急に対応が必要だが、この難しいオペができるのは渡海しかいない。

その頃、渡海は飯沼達次を探してさくら病院に乗り込んでいた。しかし飯沼達次は既に退院した後だった。倒れて意識を失う寸前、佐伯教授が藤原師長に命じて飯沼達次を転院させていたのだ。

渡海は佐伯教授を助けた後に真の目的を達成すると世良に宣言。だが佐伯教授は渡海の執刀を拒み、カエサルでの手術を提案する。

左冠動脈バイパス術と僧帽弁形成術の同時オペををわずか2時間で終えねばならず、カエサルでは前例がない。しかも帝華大の西崎教授の指示で、これまで蓄積されていたカエサルのデータはすべて持ち去られており、黒崎准教授をはじめとする東城大のスタッフたちはなす術がなかった。

高階は西崎教授に論文の完成を条件にカエサルのデータの貸出を求めるが、西崎教授は既に論文は完成しており、高階の論文は必要ないと言い放つ。高階に書かせると同時に、西崎教授は他の医局員・坂口にも論文を書かせていた。今まで散々尽くしてきた西崎教授に裏切られ、さらには佐伯教授をも見捨てようとする西崎教授に、高階は「あなたはそれでも医者か」と詰め寄るが、西崎教授は意に介さない。

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東城大に戻った高階に、黒崎准教授は協力を要請。共に佐伯教授の手術にあたってほしいと頼む。

一方、世良は佐伯教授と渡海の確執の原因を調べるべく、花房と仮眠室で飯沼達次のレントゲンを探していた。米の袋からレントゲンを見つけたその時、渡海が部屋へ戻って来た。さらに黒崎准教授が渡海に手術へ協力を頼みに現れる。しかし渡海が飯沼達次のレントゲンを持っていたことを知った黒崎准教授は激昂。

黒崎准教授「逆恨みか。東城大の恥さらしの息子が!」

と、渡海に東城大から出ていくよう命じてしまう。

世良は黒崎准教授から渡海の父・渡海一郎と佐伯教授の17年前の因縁について聞く。黒崎准教授の指導医だった渡海一郎は、優秀だったが野心が強く、当時の教授と折り合いが悪かった。高い男だった。そんな中、飯沼達次の症例も軽い簡単な心臓手術を行ったが、術後の胸部レントゲン写真にはペアンが写っていた。ペアンの置き忘れは明らかな医療過誤だ。そのミスを犯した渡海一郎は東城大を除籍処分になった。そのペアンは当時の教授が秘密裏に処置を行い、事なきを得たはずだった。

その後、佐伯教授は渡海一郎の息子である征司郎を不憫に思い、自分の教室へ招き入れた。優秀だった父親が追い出され、代わりに教授の座についた佐伯教授を恨んでいたと黒崎准教授は言うが、本当にそうなのか。

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黒崎准教授は渡海のメスなしで佐伯教授を助けることを宣言。世良もチームに入ることになり、高階を中心にカエサルによる手術のシュミレーションを繰り返していたが、どうしても時間内に手術を終えるアプローチ方法が見つからない。

世良は渡海から指示を受け、佐伯教授の症例の参考となる論文がないか、アドバイスを求めて池永編集長の元を訪ねていた。最初は世良の話に耳を貸そうとしない池永編集長だったが、世良の言葉で編集者としての本分を思い出し、アメリカから参考となる論文を取り寄せてくれることになった。世界のどこかの誰かの研究が、他の国の誰かの命を救う。それが論文本来の役割だと。

池永編集長「誰かの出世のためなんかじゃない。命のためです。その橋渡しをするのが私の仕事だと、改めて思い出しました。成功を祈ります」

池永編集長から手に入れた論文を参考に、プランを見直し始めた矢先、佐伯教授の容態が急変する。高階が執刀医としてカエサルでの緊急手術を行うが、冠動脈が全く見えず、視野が確保できないままタイムリミットが迫っていた。

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そこへ世良が現れ、高階にインカムを渡し、渡海から指示を受けて手術を行うことに。残り15分。手術室に入れない渡海は、医局にあるもう一台のカエサルを遠隔操作して、佐伯教授の手術をしようとしていた。高階に近付いた際、世良が遠隔操作のアクセス許可をしていたのだ。

渡海は吸盤で心臓を引っ張り出し、左冠動脈のバイパス手術を行った。そして安定しない心臓を左で押さえ、右手だけで縫っていく。バイパス手術を終えた渡海は、続けてオンポンプオンビートで僧帽弁形成術を行い、カエサルによる佐伯式を成功させる。

カエサルの論文が掲載された「日本外科ジャーナル」が発行され、理事長選は西崎教授が勝利したかに見えた。だが次のページに、高階の論文が掲載されていた。高階は佐伯教授の症例を加え、カエサルの論文を完成させたのだ。佐伯教授は渡海がカエサルを使うことを見越し、医局の様子を録画させていた。資料映像を見た池永編集長は、東城大の論文の方が未来を見据えた優れたものだと判断。掲載を敢行した。

術後、渡海は飯沼達次の行方を佐伯教授に問い詰める。佐伯教授は「命よりも大事なものがある」と飯沼達次の行方については口を閉ざす。

一方、花房は藤原師長から秘密裏に入院した患者の担当を命じられる。その患者こそ、飯沼達次だった。佐伯教授は飯沼達次をさくら病院から東城大へ転院させていたのだ。

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最終話(10話):明かされた17年前の医療ミスの真相、佐伯教授の意図

佐伯教授のカエサルによる緊急手術は成功したが、あくまでも応急処置に過ぎない。渡海は、完治させるための再手術を行う条件として、自分が探している飯沼達次の居場所を明らかにすることを求めるが、佐伯教授はこれを拒否。

さらに、長らく理事長のイスを争ってきた帝華大の西崎教授との直接対決が迫っていた。理事長選が行われる外科学会に出席するため、佐伯教授は無理を押して東京に向かう。渡海は同行することを了承、佐伯教授が不在の間の責任者は高階に任されることになった。

東城大学病院の特別固室に入院した飯沼達次は、度々病室を抜け出していた。その姿を目撃した木下は、飯沼達次が東城大に入院していることを渡海に報告。だが藤原師長が24時間体制でついており、身動きは取れない状況だ。

一方、世良は渡海と佐伯教授の因縁を探るため、島根県出雲市にある渡海の実家に向かった。そこで渡海の努力の跡を目の当たりにする。かつては市民病院で働いていたという渡海だが、父親が死んだ後、東城大病院に行くと言い出したという。

父親にどんな医者になりたいかと尋ねられた時、「普通の医者でいい」と答えた渡海。

渡海一郎「どんな時代になろうとも人は変わらん。医者は医者だ。お前はそのままでいい。普通の医者になれ」

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理事長選前日、決起集会で世良は渡海を見張るよう佐伯教授から命じられる。池永編集長と面会しようとした時、佐伯教授は発作を起こし、倒れてしまう。その場で渡海は処置を行い、

渡海「今はまだ生かしといてやる。お前の地獄はまだ先だ」

と告げる。

ホテルの別室で渡海を見張っていた世良だったが、疲れて眠りこけてしまう。そのすきをついて東城大へ戻った渡海は、飯沼達次に体内にペアンが残っているという事実を告げる。だが飯沼達次は渡海の言うことを信用せず、驚くべきことを口にする。

かつて飯沼達次の手術を執刀したのは、渡海の父親ではなく、佐伯教授だった。

渡海が飯沼達次を探していたのは、その証言を得るためだったのだ。佐伯教授の罪を暴くため、証言してほしいと頼んだ矢先、飯沼達次の飯沼達次の容体が急変。レントゲンを撮影すると、やはり体内にはペアンが残されていた。それを知った高階は、緊急手術に踏み切ることを決断する。

飯沼達次の体内に留置されたペアンを取り出そうとする渡海。だが癒着部の剥離だけでもかなり時間がかかる。癒着を剥離し、ついに心臓の奥にペアンが見えてきた。ペアンを外そうとすると、出血が起きた。縫合により一時的に出血は治まるが、癒着がひどい。何としてもペアンを摘出し、飯沼達次に証言させたい渡海は手術を続行。

父と自分の、全ての始まりとなったペアン。いよいよペアンを取り出そうとしたまさにその時、

「やめろ」

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東京で研究発表中のはずの佐伯教授が現れ、それを止めた。理事長選の最中、黒崎にドクターヘリを手配させ、選挙を捨ててまで佐伯教授は戻ってきたのだ。そうまでして佐伯教授はなぜ戻ってきたのか。

佐伯教授「患者の命を救うためだ。渡海、そのペアンを外すな」

渡海「お前が守りたいのは自分の権威だけだ。親父、もうすぐ終わるぞ!見てろよ佐伯!このペアンがお前の悪事の全ての、動かぬ証拠だ。これであんたは仕舞いだよ。詫びろ。まずは俺に詫びろ。それから親父にも詫びろ。親父の全てを奪ったこのペアンで、今度はお前が全て失うんだよ!!」

渡海は佐伯教授の制止を無視し、ペアンを引き抜いた。すると突然出血が始まり、いくら縫合しても血が止まらない。渡海でも止められない出血の原因は、ペアンを引き抜いたことによるものだ。

佐伯教授「地獄の扉を開けたな」

実は、飯沼達次体内に残されたペアンは、医療過誤ではなく必要な措置だった。

17年前、最初に飯沼達次の手術をしたのは佐伯教授だった。当時近くで起きた大型バスの影響で、何人もの患者が運ばれてきていた。そんな中、飯沼達次の容態が急変。佐伯は処置にあたるが、オペ室は満室で人も器材も不十分だった。どうしても出血が止まらず、体内にペアンを留置したままやむを得ず閉腹することにした。それしか出血を止める術はなかった。

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直後、佐伯はアフリカへの長期の医療支援に向かう。そして佐伯の不在中に飯沼達次が急患で運ばれてきた。その手術を担当したのが渡海一郎だった。渡海一郎は心臓のペアンを見て驚愕する。

電話も通じない状況で、佐伯は「飯沼さんのペアンを取り出すな。私を信じてください」という電報を送る。そのペアンが処置に必要だったことを悟った渡海一郎は、ペアンを残したまま手術を終えた。

だが術後、渡海一郎が飯沼達次のペアンの残ったレントゲンを手にしていたのを、黒崎が偶然目撃してしまった。直ちに医療過誤が指摘され、渡海一郎は批難をあびた。だが自身の余命を悟っていた渡海一郎は、反論はせず、自分の執刀ミスだと受け入れ、佐伯をかばったまま東城大を去った。

帰国後、佐伯はそのことを知るが、既に渡海一郎は病でこの世を去った後だった。佐伯あてに、渡海一郎から手紙が届く。

我が盟友 佐伯清剛君へ

何も言わなくていい医者は患者のことだけを考えろ
人を救え
飯沼さんを救え
君にすべてを託す

渡海一郎

医療過誤という不名誉を背負ったままこの世を去った渡海一郎。その渡海一郎に生かされた佐伯。

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渡海「全て私の責任だって、そう言ってくれたら、親父だってあんな思いして死ななくてすんだんだ。なんで黙ってたんだよ!」

言って自分が首になれば、誰が飯沼達次を治すのか。安易にペアンを外せば患者は死ぬ。だから誰にも言わず、自分への戒めとして、佐伯はブラックペアンを作った。ブラックペアンはいつか来たるべきこの日のために用意されたものだった。そして佐伯はブラックペアンを使う時は、自分が外科医を辞める時だと覚悟していた。

佐伯「私はこのために生きてきたんだ。そしてそれも今、終わる」

特注のカーボン製でできたブラックペアンならば、レントゲンには写らず、火葬されたら一緒に燃えて後には残らない。佐伯はブラックペアンで止血し、閉胸を命じた。

だが飯沼達次の手術を終えた直後、佐伯は倒れた。高階を中心に佐伯の手術にあたるが、出血が止まらない。心停止から5分、渡海が現れた。

倒れる直前の佐伯の言葉を聞いた渡海は、殺したいほどに憎んでいた佐伯の手術を行うことを決断する。

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目覚めた佐伯は、なぜ助けたのか渡海に尋ねる。自身の外科教室に渡海を引き入れたのは、せめてもの罪滅ぼしのつもりだった。だが計り知れない外科の天分を持ち、自分を恨むことで腕を磨き続ける渡海の成長を、もっと見ていたいと願った。渡海の望み通り死んでも良かったという佐伯に、渡海は

渡海「そのままでいい。普通でいい。医者は患者のことだけ考えろ。救え。ただ人を救え。俺の尊敬する医者の言葉です」

と頭を下げた。
大学病院にいる以上、誰かが今回の責任を取らねばならない。渡海は東城大を去った。

理事長選は一票差で佐伯教授が当選した。佐伯教授に代わって研究発表をした黒崎の出来は散々だったが、池永編集長の答弁が功を奏した。

佐伯教授は必要な組織改革を行った後、あっさりと理事職を他の大学の教授に譲り、後進の育成に励んでいた。高階は佐伯外科のブレーンとして最新医療を取り入れながら、研究に力を注いでいた。そして渡海は・・・。

渡海「邪魔。一千万で揉み消してやるよ」

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ドラマ『ブラックペアン』最終回結末予想!原作と違うラスト?

原作小説『ブラックペアン1988』通りであれば、かつて自分の父親を東城大学病院から追いやった佐伯教授に、渡海が復讐していく物語になります。

ことの始まりは17年前、佐伯教授が行った手術でした。
1話ラストで渡海が眺めていた、ペアンが体内に留置された患者・飯沼達次。
佐伯教授が海外出張で不在の時に、飯沼達次が急患で来院。
留守を任されていた渡海の父・渡海一郎は、念のため撮影したX線写真に、ペアンを発見します。

渡海一郎は再手術を申し出るも、医療ミスの発覚を恐れた佐伯教授は再手術を止める電報をよこし、渡海一郎は東城大学病院から追いやられてしまいます。

父親の復讐を果たすため、渡海は天才的な腕を持ちながらヒラの医局員に甘んじ、虎視眈々と機会を伺っていたのでした。
そしてついにその時は訪れ、渡海は佐伯教授の不在に飯沼達次を入院させ、オペをします。

実はこのペアンの留置は医療ミスではなく、必要な処置でした。
佐伯教授は飯沼達次の手術をした際、仙骨全面静脈叢からの出血を止められず、やむを得ずペアンを体内に留置したまま閉腹していたのです。

さらに、渡海一郎の左遷も不幸な行き違いが原因だったことが判明。
佐伯教授の真意を知った渡海は、世良に後を託し、東城大学病院を去ります。

原作小説のネタバレをもっと詳しく⇒ブラックペアン原作小説ネタバレあらすじ

おそらく渡海が東城大学病院を捨てるラストは変わらないでしょう。
が、予想外に高階が小物だったので、う~~~ん、佐伯教授ちゃんと次の教授候補に指名してくれるかな・・・。

ブラックペアン原作小説

『ブラックペアン』の原作は、海堂尊の小説『ブラックペアン1988』です。

チーム・バチスタシリーズに登場する田口や、ジェネラルこと速水、島津らも医学部生として登場しています。

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ブラックペアン感想

1話

渡海が死ぬほどカッコイイです。シビれる。

これめっちゃ感動的なシーンだと思うんですけど、
手洗いの重要性を数ページに渡ってレクチャーされた原作ファンにとっては土下座した世良の手の汚さが気になって仕方ないっていう・・・。

しかしだからこそ渡海の「手洗え」が刺さります・・・!

そして佐伯教授の色気がとどまるところを知らない。
治験コーディネーター侍らせての食事会(ドヤァ)に、

このニヤリ顔ときた・・・!!

なにこのありあまる色気。
原作では渡海が「ジイさん」「ジイさん」言うのでもっと退官間近のおじいちゃんかと思ってましたが、ドラマ版やばいですね。

しかし給食のオバちゃんみたいな白い手術着だけはいただけなかった・・・。他の医局員と区別するためなのはわかるけどダサい。

残念だったのは高階ですね~~~。渡海を上げすぎた結果叩きのめされた高階・・・。
ドラマ版は毎度高階院長の扱いがヒドいですが、今回はまた一段とエグい。
そんじょそこらの研修医じゃあるまいし、アメリカ帰りの高階が手が震えて手術できないとかあり得ないだろ・・・!!

医者が「クソッ!」って手術中に器具投げるとかマジやめろ。目の前の患者に対して失礼過ぎる。

高階からクレバーさと切れ者・曲者要素を根こそぎ奪ってしまった感じです。
あと垣谷先生もひどい・・・。

そして世良と田口・速水・島津同期設定にビックリです。説明確かに楽だけども・・・。バチスタシリーズのキャストがないがしろ過ぎて泣ける・・・。
速水が山田悠介って・・・!!
映画で堺雅人、ドラマ版で西島秀俊が演じたジェネラルルージュですよ!?
若い頃から才気溢れる設定なのに、速水も田口先生もポンコツ過ぎる・・・。

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2話

世良泣きすぎ。

医者が泣くなよ・・・。

新人教育が必要なのはわかるけれども、こんなトロトロ研修医に縫われてると思ったら患者はたまったものではない・・・。
ペアン外して出血するかどうか見る、って本気で博打じゃねーか、もう・・・。

そして渡海がすごいのはもうわかった!わかったけど、毎回縫合しかしてなくね・・・??っていうくらい縫合シーンしかない。
これだけ手術シーンを押すなら医龍やドクターXくらい、多角的に撮ってほしいなあ・・・。

3話

いい加減展開に飽きてきました・・・。
というかこのドラマ、どこに向かおうとしてるのか全くわからないぞ・・・。

東城大病院には渡海しか医者がいないのか・・・!!

毎度毎度スナイプを挿入させたまま棒立ちの高階。
そこまで自分が使いこなせない器械でよく「医療の未来を変える」とかほざいたな・・・!?
2話の関川といい、スナイプってあんな心室に延々突っ込んだままで大丈夫なんでしょうか・・・。

関川も「誰か早く来てくれ!!」ってお前は医者じゃないのか!?

スナイプ2台あっさり用意できるのもどうなんだ・・・。
そして自分の家族はいざしらず、いくら厚労省の事務次官候補でも全くの赤の他人の手術見せるのどうなの・・・。
プライバシーもクソもねえや。
いくら仮眠室とはいえ看護師も勝手に人のしかも封筒に入ったレントゲン見んな。花房のポンコツ度にもほどがある。

西崎教授「フォントが少し小さい。字体もゴシックがいい」

と細かい指示を飛ばす西崎教授。
いたわあ・・・こういうクソ面倒くさい上司な。

あと猿之助さん、香川さんの演技パクリすぎ・・・!!

佐伯教授が思ったより出番少なくて、毎週佐伯教授を楽しみに見るのもちょっと限界が・・・。

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4話

なぜか仲良くなっていく渡海と高階・・・。

渡海「なっがい言い訳」

はまさにで、なぜしかし自分が助けられもしない患者に助けると約束したのか・・・。
うう~~~ん、原作高階の腕をもう少しもってきてほしいところですね・・・。高階に実力がなさすぎてかわいそうになってくる・・・。

5話

音尾琢真さんがまさかの一話退場・・・!!

うそ~~~ん・・・。
予告でダーウィンが2部のメイン→音尾さん順レギュかあ~と予想してたんですが、西崎教授切るの早っ!!
もうちょっと出してほしかったですね~・・・。松岡いいキャラしてたのになあ~。惜しい・・・。

最近高階の仕事が渡海を呼びに行くことと化してるのがこれ如何なものか・・・。
しかしサラッと難しい左開胸の手術をメインではないところで成功させるあたり、高階のキャラ付けをどうしたいのか、もう全くわからないぜ・・・。

西崎教授の変わり身の早さにもビックリです。お前・・・!

佐伯教授がヒゲ切ってたのは笑いました(笑)

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6話

高階は本当に何人殺せば気が済むんだろうなという・・・。
これまでに殺した患者は本当に5人ですか?

渡海もなぜ高階には強くキレないのか、謎すぎる・・・。

そしてアナウンサーコンビの棒にはもうお腹いっぱいです。頼むから俳優さんの起用を・・・。

7話

残り30分で手術一旦失敗→再手術の流れもういい・・・。

一旦マイナスに落としてからの再手術なので、結局ゼロに戻るだけなんですよね、コレ・・・。
医龍のようにいざ開いてからのトラブル、だとまた話も違うんでしょうけど・・・。

そして宮元はもうひどいですね。花房が渡海に礼を言うのも的外れのポンコツ過ぎ。宮元は木下さんとは全く状況が違います。渡海は金は要求しますが、患者に対しては徹底して平等です。それに対し、宮元は看護師でありながら自分の家族を優先して金を受け取り、対価として患者の個人情報を流出させる・・・。医療従事者にあるまじき犯罪です。
それを佐伯教授も渡海戻すから目をつぶるってどうよ。守屋病院長もう退場でいいだろ。いくら雇われ院長とはいえ東城大のコンプライアンスがなさすぎて引きます・・・。

教授あてのメール見れるって帝華大のセキュリティぬるぬるか!と思ったら、守屋病院長CCで武田にまでメール送ってたんですね。これはひどい・・・。

木下さんのエピソードは刺さりました・・・。カトパンの演技はここまで棒読みの優勝でしたけど、7話はすごく良かったですね~!相武紗季がかすむほどに。

そして予告見て震えました。まさか佐伯教授倒 れ る ・・・?
医龍といいドクターXといい、もう師匠が倒れる展開自体お腹いっぱいなんですけど、佐伯教授を渡海が手術して助けて1話で復帰して9・10話で佐伯教授が飯沼達次の手術したら笑うしかない・・・。

8話

患者の個人情報を垂れ流した宮元がクビになってないのがびっくりです。
辞めもしないとはいい根性だ・・・。

9話

過去最大の茶番劇でした・・・。

もう世良の泣きは見飽きた・・・。そしてセカチューばりの黒崎准教授にドン引き。

黒崎准教授「神様でも悪魔でも、何でも構わん。どうか教授を助けてください!」

神に祈る医者とはこれいかに?

そしてまさかのコナン方式で手術。
『未解決の女』でもコナン方式で事件解決してましたけど、いやいやいや、手術はひどい。さすがにない。

島津「すごーい。アームの動きが格段に早くなった!」

みんなアホなのかあ・・・。

アームを死ぬほど動かす渡海。「手術支援ロボット」の意義とは・・・。

そもそも渡海が15分でできる手術を、高階初め45分間一体何をしていたのか。
医局員全員が一人の患者に掛かりっきりって、他の患者はどうなってるのか。
異常な体育会系のノリの医局。

ちょいちょいパジャマ着替えてる佐伯教授は藤原師長がケアしてるんだろうか・・・。

最終話(10話)

内野聖陽さん初め、役者さんの演技は本当に素晴らしかったです。

・・・・・・が。
内容が相変わらず。原作にない佐伯教授の病気をブチ込んできたのは結局渡海の見せ場を無理矢理作るためかあ・・・。
渡海が現れてから縫合を終えるまでに10分は経ってる気がするんですが・・・これもう確実に脳死じゃあ・・・?

そもそも佐伯教授が病院のスタッフ全員に隠れて転院させてたのは一体・・・。
飯沼達次の入院を渡海が敢行したから溜飲が下がるのであって、佐伯教授が自分で動くと医療過誤を隠したいと取られても仕方ない。
そしてどんな医者だろうと365日何十年に渡って病院に常駐できるはずもなく、しかもかつてそれで渡海一郎という一人の医者を葬ったのに、これでまたペアンが見つかればスケープゴートとして葬られる医者が出たかもしれないわけで。確かに失血は止まるけどそもそも体内にペアンを留置している危険性を考えると、患者的にはどうなんだろう・・・。
それを考えるとやはり17年前に決着をつけておくべきだったのではないかと。

原作の

「お前を外科の正道に導けなかった。それだけが心残りだ」

という、佐伯教授のセリフに非常に感銘を受けたので、「成長見ていたいから黙ってた」っていうのも・・・うーん・・・。