ムーニーのCM動画が「不快だ」と炎上しています。なぜ不快だと言われているのでしょうか?
理由は母親達に「ワンオペ育児」を連想させてしまったことにありました。
CMのどこがワンオペ育児に見えてしまったのか?そもそもワンオペ育児とは?ワンオペ育児の実態についても調べてみました。
ムーニーのCMが不快と言われるのはなぜ?理由は?
https://youtu.be/RSWiFlcXDkI
「その時間が、いつか宝物になる。」というキャッチコピーで、
CMソングは植村花菜の「moms don’t cry」。
はじめての育児に奮闘するママへの応援動画となるはずが、
そのママ層から非難をあび、炎上しているというのです。
なぜなのでしょうか?
理由は、このCMがワンオペ育児をテーマにしているのでは?ということにありました。
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ワンオペ育児とは?簡単にわかりやすく解説
ワンオペとは?
ワン・オペレーションの略。
人手が不足する時間帯(特に深夜)を中心に、外食チェーン店などで従業員を1人しか置かず、全ての労働をこなすこと。
「ワンオペ育児」とはここから派生した言葉で、
パートナーの単身赴任や病気など、なんらかの事情によって、ひとりで育児を行うことをいいます。
簡単に言うと、母親がひとりで家事や育児を行っている状態です。
どこがワンオペ育児に見える?
実は、このCM動画、全体で2分あるのですが、
父親と思われる男性が登場するのは、わずか4秒しかありません。
つまり、圧倒的に母親の育児描写が多いのです。
父親の描写が
- 誕生した時の、病室での後ろ姿。
- 赤ちゃんを抱いてタクシーに乗る母親を、横で心配そうに見守る姿。
だけなのに対し、母親は
- 赤ちゃんの夜泣きのたびに目を覚ます。
- 抱っこして両手に買い物袋をさげて歩く。
- 風呂上がりに濡れたまま赤ちゃんのもとに駆け寄り、あやす。
- 散らかった部屋で茫然とする。
など、 育児応援動画にもかかわらず、
育児の楽しさより、大変さや辛さが全面に押し出される形で描写されています。
結果、「母親がひとりで育児をしている=ワンオペ育児では?」と見る人に連想させてしまったのです。
このことから、実際に育児を経験した母親達から「不快だ」という声が噴出しています。
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母親達から「不快だ」の声
このCM動画に、Twitterなどで賛否両論、さまざまな反応が出ています。
実際にワンオペ育児を経験したという人々からは、
「嫌な記憶がよみがえりました」
「辛い過去を思い出しました」
「辛かった頃がフラッシュバック」
「吐きそうになった」
といった声も。
感動ムービーのつもりで作っているのだろうが、ワンオペ育児賛美にしか見えない。
おむつ会社なら、「母親は1人で頑張るべきだし、それが美しい」という社会的抑圧と戦うべきだ。
そういう抑圧が、産後鬱を生み、児童虐待を生み、少子化を生むのだから。 https://t.co/saislE1sS9
— 駒崎弘樹@障害児のために働く看護師募集中 (@Hiroki_Komazaki) 2017年5月9日
ムーニーのCMが賛否両論みたいだ。酷い、あり得ない、女ばかりに押し付けて、という否定的な意見と、今の自分、過去の自分を見ているようで涙が出てきた、実際はもっと過酷だという意見。私も過去の自分と同じだと泣けてくる方だ。このCMは現実に近い。このCMみたいなお母さんはいっぱいいる。
— ちゃわんたけ (@chawantakegohan) 2017年5月9日
ムーニーのCMが話題なので見てみた。あう、確かにリアル(もっと散らかってたけど)で当時を思い出して吐きそうって声が多いのもわかる。でも多分一番問題なのは最後の「その時間がいつか宝物になる」というフレーズじゃないかな。振り返れば宝物になるからこの状況のままがんばれって言われてもなー
— もりわけゆう (@moriyuu_) 2017年5月10日
ムーニーのCMちらっと見るだけでフラッシュバックする感すごい。目に入れたくない。
うん、忘れないよ。忘れない。長男2ヶ月の頃の絶望的な毎日。帰れる実家があったから良かったけど、頼れるところがなかったらと思うとゾッとする。
— ナヲ (@nawocloud) 2017年5月10日
@moonypromotion 助けが無いことに怒りを感じるが、実際のところの育児の現実はこうですよね。夫に何か期待するほうがガッカリして余計なストレス溜めてしまうので一周回って結局女だけでやるしかないという皮肉を込めた意味のCMなんじゃないでしょうか(考えすぎ)
— しらたきめんはまだ生きています (@omote_men) 2017年5月9日
ワンオペ育児の実態
総務省の「社会生活基本調査」(2011年)でも、母親の「ワンオペ育児」が常態化していることが読み取れます。
調査によると、6歳未満児のいる世帯について、
1日の家事・育児関連時間は
- 夫:1時間7分(うち育児時間は39分)
- 妻:7時間41分(うち育児時間は3時間22分)
と、1:7で圧倒的に妻が担っている状態です。
引用元:総務省「社会生活基本調査」(2011年)
国際比較のグラフを見ても、
アメリカやイギリス、フランスなどの欧米諸国に比べて、日本の父親の家事・育児時間がいかに短いかわかります。
引用元:http://fathering.jp
「イクメン」など育児を積極的に行う男性が注目されてはいるものの、実態はまだまだ母親の「ワンオペ育児」と言えそうです。
今回のCM動画が、母親の「ワンオペ育児」の実態が知られるきっかけにもなったのではないでしょうか。
これを機に、「ワンオペ育児」が改善されていくと良いのですが・・・。