12月22日午前10時半ごろ、新潟県糸魚川市の中華料理店付近から出火し、現在も延焼が続く大規模な火災になっています。
一体出火原因は何なのでしょうか?これほど短時間で延焼した理由とは?火元となった中華料理店は、何らかの罪になるのでしょうか?
調べてみました。
※火事の原因は店主の重過失か
→上海軒店主が鍋を火にかけたまま外出、重過失になる?損害賠償はどうなる?
→上海軒の店主業務上失火罪の可能性あり?競馬・パチンコ好きで店は老朽化、不衛生?
※火元とみられる中華料理店の名前は「上海軒」と判明。
上海軒の場所はどこ?台所から出火?フェーン現象って?
目次
火事の火元は中華料理店
12月22日午前10時半ごろ、
新潟県糸魚川市大町1の商店街の一角にある、
中華料理店付近から出火。
引用元:mainichi.jp
強い南風にあおられて、
付近の商店や住宅に燃え広がり、
市消防本部によると、
午後3時半時点で約140棟に延焼しています。
米山隆一新潟県知事が陸上自衛隊に災害派遣を要請し、
糸魚川市は正午過ぎ、周辺の273世帯(586人)に避難勧告を出しました。
被害拡大
避難してきた人達の話によると、
呉服屋を営む男性「あちこちから火の手が上がって空襲のようだった。今、店の中まで火が入ってきている。うちが燃えたら、隣にも燃え移ってもっと大変なことになる。築80年以上の建物が立ち並ぶ通りで、酒屋や料亭、旅館など糸魚川を代表するような建物が焼けてしまった。ここのシンボルだった。これ以上、飛び火しないで欲しい」
ニュースによると、
新潟県で最古の酒造会社「加賀の井酒造」の酒蔵も焼けてしまったということです。
【新潟県内最古の「加賀の井酒造」も焼ける】
糸魚川市の商工会議所などによりますと、現在も延焼中の火災で、江戸時代の1650年に創業した、新潟県で最古の酒造会社「加賀の井酒造」の酒蔵も焼けたということです。 pic.twitter.com/P6OMsf0TVC— NHK生活・防災 (@nhk_seikatsu) 2016年12月22日
陶磁器販売店の女性「てんてこ舞いしています。雨が降ってきたので、これで何とか収まってほしい」
女性「友人の何人かの家が焼けてしまった。自分の家もどうなっているか、まったく分からない」
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火事の原因は?
火事の火元は中華料理店ということですが、
原因は一体何なのでしょうか?
女性「駅前は古い家が多いので、火が広がってしまった。(出火元とされる)ラーメン店にも良く行きました。残念で、悲しい」
どうやら、中華料理店というのは、
ラーメン屋だったようです。
- 調理場の排気ダクトにこびりついた油に火が付いた?
- 仕込中に調理器具から出火?
- 電気器具や電気配線が原因?
- 燃えてはいけない物に火が付いて燃え広がった?
など、ネット上では様々な憶測が飛んでいますが、
鎮火後の調べを待たないと、
現時点ではまだ何とも言えませんね・・・。
古いラーメン屋だったようなので、
設備が古かったのか・・・。
放火の可能性はいくらなんでもないでしょうが・・・。
一刻も早く、鎮火されることを祈ります。
どのぐらいで火は広がった?
午前10時半ごろにラーメン屋で火災発生。
正午過ぎに、既に30~40棟以上、
午後3時半時点で約140棟を延焼していますから、
おそろしいスピードで燃え広がっていることがわかります。
住民の人の話だと、
まだ3軒くらいの時にもう火災元は全焼してしまっていたとのこと。
あくまで憶測ですが、
30分後には出火店舗全体に延焼していたのではないかと思います。
カラスが割れたり、
強風のせいで、家屋全体への火の回りは早かったはずです。
そして、その火炎が密集した住宅街を、
強風にあおられて、かなり短い時間で延焼していったと考えられます。
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ここまで大規模火災になってしまった理由は?
理由①昔ながらの街並み
77歳女性「50年近く糸魚川に住んでいるが、こんな大火は初めてだ。糸魚川は(火事があると)1棟の被害だけでは終わらない。めいっ子の事務所も燃えてしまった」
77歳男性「糸魚川は南風の強い地域。こんな大きな火事は初めてだ。中学3年の時の糸魚川駅前の大火以来だ」
住民の人達が話している通り、
今回の火災がここまで大規模になってしまった理由は、
糸魚川の地域性によるところが大きいようです。
糸魚川は、昔ながらの街並みで、
古い建物が多く、
小さな飲食店が非常に密集して立ち並び、
加えて道路幅が狭い地域もあります。
道路幅が狭いと、消防車両が入って行けず、
消火活動が遅れます。
ここまで大規模火災になってしまった理由に、
おそらく初動の遅れもあったのではないかと思います。
理由②強い南風
火災が発生した午前10時半ごろ、
糸魚川市付近では強い南風が吹いていました。
日本海側に発達した低気圧と、
太平洋側に張り出した高気圧の影響で、
正午過ぎに最大瞬間風速24.2メートルを記録しています。
理由③飛び火
この強い南風により、
火の粉が風に乗って飛び火しました。
飛び火って?
火災の際に火が遠く離れた場所に移って燃え広がること。
通常、コンクリートの高い建物などがあると、
そこからさらに先へはなかなか火災は広がらないはずです。
しかし、今回糸魚川では、
強い風で火の粉が舞い上がり、
コンクリート製の建物を挟んで、隣接していないところまで燃え広がっていきました。
火の粉は、割れたガラス窓から、壁をつたい、
どんどん飛んでいきます。
住民の人の話だと、
屋根まで飛んできたとのこと。
強い南風で飛び火、
加えて冬の乾燥した空気・・・。
悪条件が重なり、ここまでの大規模火災にまでなってしまったようです。
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中華料理店はどんな罪になる?
失火責任法(失火法)って?
今回のような140棟以上に延焼する大規模な火災を起こしてしまった中華料理店は、何らかの罪になるのでしょうか?
家を失った人達は、一体どうなってしまうのか?
普通は相手に損害賠償してもらえばいい、となるのですが、
火災の場合、
通常の損害賠償事故と事情が少々異なります。
民法709条 故意または過失によって他人の権利を侵害したる者はこれによって生じたる損害を賠償する責めに任ず
民法第709条 の規定は失火の場合にはこれを適用せず。但し失火者に重大なる過失ありたるときはこの限りにあらず
失火の責任に関する法律、いわゆる失火法などと呼ばれるものです。
失火法は民法の特別法と解釈されています。
どういうことかというと、
民法709条で規定されている原則とは別に、
失火(火事)の場合、この原則を適用しないとしています。
つまり、損害賠償しなくていいということです。
これは明治32年に制定された古い法律で、
現在でも適用されています。
日本は狭い土地に木造家屋が密集しており、
火災が発生すると広がりやすいという住環境にあり、
自宅を失った上に延焼させた人に損害賠償責任を負わせるのは賠償能力をはるかに超える、
といった様々な背景があるようです。
しかし、重過失が認められる場合には、
損害賠償責任を問われます。
※火事の原因は店主の重過失か
上海軒店主が鍋を火にかけたまま外出、重過失になる?損害賠償はどうなる?
重過失の場合は損害賠償責任
じゃあ重過失って一体??
通常、人にあれこれ言われるまでの注意をしなくても、わずかな注意をしていれば簡単にこうした結果になることが分かるのに、漠然とこれを見過ごしたような注意を欠いた状態。
例えばある状態を放置しておいたら、
誰が見ても危ないのにそれをほっておいた結果、
火災が起きて周りに類焼したようなケースです。
重過失の主な例
- 天ぷら油
- 暖房器具
- 寝タバコ
天ぷら油を入れた鍋をガスコンロで加熱したまま、
長時間その場を離れた間に引火したり、
電気ストーブをつけて布団で横になったところ眠ってしまい、
布団に火が燃え移って引火した・・・など、
常識的な範囲の中で危険だと思うようなことについては、やはり注意が必要だということです。
引用元:allabout.co.jp
火災保険で家をなおすしかない?
もし重過失がなかった場合、
加害者に損害賠償を請求できないため、
家を失ってしまった人は、
自分で火災保険に加入していないといけません。
火災調査を待たないと何とも言えませんが、
いくら店側に重過失があったとしても、
約140棟の損害賠償など到底できないはず・・・。
飲食店なら何らかの保険には入っているでしょうが、
一体家を失った人達はどうなってしまうのか・・・。
いずれにせよ、
今回の火災で火災保険の重要性が浮き彫りになりましたね。
最近は地震保険の方に目がいきがちですが、
火災も恐ろしい災害です。
まとめ
これだけ文明が発達しても、
人間は本当に無力なのだな・・・と痛感してしまいました。
ニュースを見ていて、
雨が降ってきた時、まさに恵みの雨ではないかと。
やはり、自然の力は偉大ですね・・・。
避難所に避難され、不安な生活を送っていらっしゃる方が、
少しでも早く元の生活に戻れることを祈ります。
そして、火災の原因が一刻も早く特定されることを。